とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス ホーム凱旋勝利はならず

 ベルマーレ戦での勝利、そして優勝の興奮もさめやらぬ中、中2日で早くも次のゲームを迎えた。相手は降格争いの渦中にあるFC東京。何としても勝点を挙げるべく、必死の戦いを挑んできた。
 グランパスとて、アウェイで優勝を決めた直後のホームゲーム。ホームを埋めた満員のサポーターに優勝の報告を勝利とともに伝えたい。その充実感があふれ、序盤から激しい攻防が繰り広げられた。
 2分、玉田があいさつ代わりのシュートを打てば、FC東京もCB今野からのフィードを大黒が受けて、ドリブルからクロス。10分にはリカルジーニョミドルシュート。積極的に攻めていく。
 グランパスも前節までケガで出られなかった闘莉王がやる気満々。13分、闘莉王のクロスにケネディが飛び込む。20分には闘莉王が中盤でボールを奪いミドルシュート。さらに22分、阿部のクロスにケネディが走り込むが、今野がうまくカバー。
 両チーム攻め合う面白い展開の中、27分、CKから右サイドでリカルジーニョがキープ。阿部、マギヌン、吉村で囲むと、下げて梶山。さらに中村も集まるが、そこをするすると抜けてクロスを挙げると、森重が落として大黒が見事なループシュートFC東京が先制点を挙げた。
 32分、マギヌンのクロスに闘莉王が胸でトラップして抜け出しシュートを打つが、サイドネット。FC東京も34分、リカルジーニョのクロスに梶山がシュート。グランパスは35分、阿部から小川、マギヌンから受けて小川のクロスにケネディがヘッド。その裏に玉田が走り込んでいた。触らなければつながったかも。惜しいがきれいなつなぎ。しかしその直後にはFC東京も、梶山がドリブル、大黒をポストに抜け出してGKと一対一。しかしシュートは楢崎がナイスセーブ。
 38分にはリカルジーニョが梶山とのワンツーで抜け出しクロス。大黒がバイシクル・シュートを見せる。グランパスも41分、阿部のクロスをケネディが落とし、小川がシュート。森重が身体を投げ出す。はね返りをもう一度小川がシュート。しかし米本がライン上でクリア。さすが米本。
 43分には闘莉王のフィードをケネディが落とし小川がシュート。しかし今野がクリア。ロスタイム2分、石川のクロスを徳永が受けてヒールで流し、椋原がパス。大黒がまたヒールで落とすと石川が走り込む。楢崎が抑えた。さらにロスタイムの4分、マギヌンのループパスをケネディがヘッドで送ると闘莉王が走り込むが、森重が抑え込む。この後、闘莉王が肘打ちを受けたとアピール。指が当たったと森重が大げさに倒れ、闘莉王イエローカード。ハーフタイムの笛が鳴って、ストイコビッチ監督もエキサイト。興奮の中、両チームの選手が混乱の中、控室に退場していった。
 グランパスにすれば、結果的にダニルソンの不在が失点につながった。吉村がけっして悪かったとは言わないが、ダニルソンがいれば梶山のドリブルを許さなかったのではないか。それにしても面白い45分間だった。
 前半はやや騒然とした終わり方だったが、後半はさらにやる気を高めてグランパス・イレブンが入場。FC東京もここまで来たら絶対勝ちたい。後半も一進一退の情勢で展開する。グランパスはいつになく早めに選手交代。6分、阿部に代えて三都主。15分、中村に代えて杉本。9分にはマギヌン、14分には中村北斗と両チーム、ミドルシュートの応酬。
 そして22分、玉田のドリブルから小川、ケネディとつなぎ、玉田から杉本が走り込むがGK権田が抑える。23分、FC東京リカルジーニョのドリブルから石川、はね返りを徳永がシュート。
 グランパスは早くも23分、マギヌンを千代反田に代えて闘莉王を前線に上げる。すると24分、小川のスルーパスに竹内が右サイドを上がりクロス。ケネディのヘッドはGK正面。さらに26分、三都主のクロスに闘莉王。森重がクリア。29分、杉本がドリブルで上がり、ベルマーレ戦のようなクロス。玉田のシュートは惜しくも枠を外れていった。42分にはケネディのシュートを米本がブロック。さすが。44分、三都主のFKを闘莉王がヘッドで落としケネディボレーシュートを打つ。が、大きく枠を外した。
 ロスタイムは5分と長く、グランパスは最後まで懸命に攻めたが、FC東京鈴木達也や重松、前田と攻撃的な選手を入れて前で守る姿勢を崩さず、結局ホーム凱旋のゲームは0-1の敗戦で終わった。
 それにしても面白いゲームだった。米本が戻ったFC東京は、平山がいなくとも十分強いし、気持ちが入っていた。グランパスもホームで勝ちたい意識は強かったが、後半途中から中2日、優勝祝いの疲れも出てきたか、動きも緩慢になり、最後は負けてもいいやと勝者の余裕が出てしまった感じ。
 ベルマーレ戦で決めておいてよかったと心底思う。前節、万一引き分けで終わっていたら、最終節までもつれる可能性もあった。NHK解説の山本昌邦さん、グランパスは確かに今シーズン頑張ったけど、解説で言われるほどに強いチームじゃないですよ。グランパスの実力はサポーターが一番よく知っている。今シーズンはついている面が多分にあった。来シーズン、ACLを勝ち抜くためには、まだまだ足りないところばかりだ。まずは天皇杯アントラーズに一度は勝ってみろ、と言っておこう。