とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リバプール ルーカスに見切りを付けて蘇るか

 リバプールの第3節は昨シーズン前半、3〜4位をキープし好調だったアストンビラ。今年も主要メンバーは替わらず、アグボンダホール、アシュリー・ヤングミルナーを加えたイングランド代表トリオが生き生きとピッチを走り回る。
 一方、リバプールは開幕戦で不調だったバベルを前節からベナユンに代えてトップ下の運動量を増やすが、肝心の中盤からのパス出しが少なく、シャビ・アロンソの穴の大きさが埋めきれない。
 9分のトーレス、ジェラードにベナユンが絡んでゴール前に殺到するも、足にボールが付かず先制ゴールを逃した場面は、このゲームの先行きを暗示した。14分にはベナユンからトーレス、カイトと回ってジェラードがシュートするもゴールならず。リバプールが終始圧力をかけるもアストンビラも強いプレスに奪われた後の早い戻りでチャンスを与えない。
 一進一退で過ぎた前半34分、ルーカスの与えたFKをアシュリー・ヤングが蹴ると、ボールはルーカスに当たりゴールに吸い込まれた。オウンゴール。TVはリバプール不調の象徴としてルーカスをアップで映し出す。
 ロスタイムにはCKからデービスがヘッドで2点目を叩き込み、リバプールを突き放す。1分のはずのロスタイムがCKに伴うタイムロスがあったとは言え、47分過ぎまで引き延ばされたあげくの追加点にはベニテス監督も納得できない様子。このあたり例年ならリバプールが逆の役回りを演じたはず。
 後半に入りますますリバプールが攻勢に出る。2分、ジョンソンのドリブル、クロスからジェラードがシュート。3分にもマスケラーノのミドル。13分、14分と立て続けのCKにカイトが飛び込むがいずれもゴールを破れない。リバプールの攻撃は猛攻と言ってよいものだったが、アストンビラもDFラインに張り付くのではなく、ボックス型にペナルティエリアをキープする積極的な守備で決定的なパスを送らせない。
 後半23分、ベニテス監督がようやく動く。ルーカスをボロニンに代え、ジェラードがボランチに座ると、ようやく大きな展開のパス回しが見られるようになる。そして27分、マスケラーノとジェラードのパス交換にボロニンが絡み、インスーラからのクロスをトーレスがヘディングで決めてゴールを挙げた。
 これで行けるかと思ったリバプールだったが、この日の審判はリバプールに冷酷。30分、レオ・コーカーのペナルティエリアへの飛び込みに深いタックルをかましたジェラードがファールを取られPKの判定。これをヤングが決めて、突き放す。リバプール・サポーターには納得できないジャッジだったに違いない。
 37分、バベルの大きなクロスにカイトが飛び込んだり、44分のマスケラーノのクロスに対するトーレスのヘッドなど、その後も攻勢を続けるが、アストンビラのGKフリーデルの好守備もあり、結局このままゲームが終わった。
 カイトの必死なプレーが印象的だったが、対してルーカスの困惑した表情がリバプールの現状を象徴している。ルーカスをジェラードに代えて以降、ようやく攻撃がスムーズに回り出した。今後はこの布陣で行くのかもしれないが、選手層の薄さなどを考えると、リバプール前途多難と思わざるを得ない。大丈夫か、リバプール