とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

腐ってもリバプール でも勝つのはマンU

 すっかり普通のチームになってしまった感のあるリバプール。結果を知っていたからか、入場前の通路で映し出されたジェラードの横顔が心なしか暗く沈痛に見えた。
 しかしゲームが始まってみればさすがリバプールマンU相手の伝統の一戦では闘志むき出しのいつものリバプールが見られ、激しいプレスと強いパス、素早い動き、非常に楽しいサッカーが展開された。
 攻守が頻繁に交代する激しい立ち上がりの中、最初にチャンスをつかんだのはマンU。5分、キャリックからルーニー、ナニとつながり、クロスにパクが飛び込む。とその直後、中盤でトーレスが相手ボールを奪い取ると、ジェラードに預けて前進疾走。カイトから上げられたクロスをフリーでドンピシャ・ヘッド。電光石火の先制ゴールを叩き込む。強いリバプールが戻ってきた。
 と思ったが、すぐ後の10分。バレンシアがドリブルで前進すると、マスケラーノが巧妙に手で押さえるが、振り切りつつ前進して倒れ込んだのがペナルティエリア内。微妙な判定だが、主審は非情にペナルティマークを指した。ルーニーが蹴ったPKは一旦レイナが弾き返したが、再びルーニーの前に転がって難なくシュート。あっさりと同点に追い付く。
 その後は期待に違わず激しいプレスの応酬。18分、ジェラードのスルーパスにトーレスが走り込むが届かず。一方、マンUは23分、ルーニーからパク、バレンシアのクロスにパクがヘッドで合わせるが、ゴールならず。
 後半に入っても同じような展開。7分、ルーニーからパクがシュート。そして15分、バレンシアからルーニーが出したパスにフレッチャーが走り込みクロスを上げると、ルーニーがDFを引っ張ってニアに走り込んだ向こう側で、必死に戻ったG.ジョンソンのチェックをかわして、パク・チソンがヘッドで勝ち越しのゴールを挙げる。
 この得点でマンUがさらに攻勢を強める。早いパスが回って圧力を強め、たとえ奪い取ってもフレッチャー、キャリックの両ボランチが張るスクリーンを突破できない。二人のコンビはけっして強い当たりを見せるわけではないが、巧みにスペースを消して敵をサイドへと追い込み、たまに入るゴール前のボールは屈強なCBが弾き返す。
 後半終了間際、ジェラードからのクロスが中央で待つトーレスに渡る場面がリバプール最大のチャンスだったが、うまくヒットせず、シュートは力なくベナユンの前に転がって、マンUDF陣にクリアされた。
 予想どおりの結果ではあったが、リバプールの意地が見られて楽しいゲームだった。しかしリバプールにとっては4位はおろかUEFA杯出場の8位すら危ぶまれる状況になってきた。大丈夫か、リバプール