とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

やはりマンUは勝ち方を知っている

 開幕から4連勝でプレミアリーグの2位に付けるトットナムと、昇格チームのバーンリーに1敗を食らい、C.ロナウドやテヴェス退団の影響をカバーし切れないマンチェスター・ユナイテッド。前節アーセナル戦は、勝ったとは言え微妙なPKと相手のオウンゴールによる幸運に助けられた勝利だっただけに、好調トットナムとの対戦は非常に興味深い一戦だった。
 開始早々の衝撃的な得点に場内は異様な興奮に包まれた。開始55秒、アス・エコトからのアーリークロスクラウチが落としデフォーがオーバーヘッドでゴールに突き刺す。今年のトットナムは違う。開始早々からゲームは最高潮のクライマックスに達した。
 その興奮の中、トットナムの攻勢が続く。10分、レノンからデフォーにつないでクラウチ。14分、GKからのフィードをクラウチがシュート。22分、FKをパラシオスとのパス交換からクラウチがデフォーにパスするが残念ながらオフサイド。しかしチャンスを決めきれずにいるうちに、次第にマンUが落ち着きを取り戻し、25分にギグスのFKで同点に追い付いてしまう。
 28分にはアンデルセンからエブラ、ルーニーと渡って、アンデルソンに戻ってのパスをベルバトフがシュート。30分にもレノンからボールを奪ったエブラがルーニーに渡してシュート、跳ね返りをベルバトフ、さらにスコールズからベルバトフと攻め立てる。トットナムも負けておらず、レノンのドリブルで得たCKをクラウチがヘッド。さらに34分、デフォーのシュートと返すが、41分、CKの跳ね返りをアンデルソンがミドルで決めて、マンUがリードをして前半を終える。
 出だしが衝撃的だっただけにトットナム優勢という印象が強いが、気がついてみればマンUのリード。後半開始早々から、前半イエローをもらったパナシオスを下げてジーナスに交替。3分、アス・エコトからジーナスを経由してキーンにパスされるがシュートを打てず。10分、ジーナスのシュートはGKが好セーブ。11分、クラウチのヘッドはバーを叩く。16分、レノンのシュート・・・。積極的に攻めるも最後できちんと締められて決定的なシーンになっていかない。
 逆に13分にスコールズがイエロー2枚で退場すると、ベルバトフを下げてキャリックを入れ、守備を固めてルーニーのカウンター一本の体制。これがかなり効果的で、逆にマンUのチャンスが頻出する。22分、ルーニーのシュートはGKは好セーブ。26分、エブラのミドル。そして33分、オシェイからの長いフィードがルーニーにピタリと通り、3点目を上げる。これでゲームセット。トットナムは再三ルーニーのカウンターに脅かされ、ろくな打つ手を見せることもできず、最後はマンUの時間管理に手も足も出ずに屈した。
 終わってみれば、マンUが先制点にはしゃぐトットナムを尻目にきちんとしたゲーム管理を見せて勝利を導いた試合。サッカーの格の違いを見せつけた。ギグススコールズといったベテランを効果的に散りばめ、勝つサッカーを知っている。バレンシアやブラウンなどの若手も育てなくてはならず、不安定な戦いになることもあるが、ここぞではベテランがチームを締める。もちろん、ルーニーベルバトフの巧さ、早さ、強さは最大の武器。このゲームに限って言えば、アンデルソンが好調だった。もっとも彼は若手の部類だろうが。
 いずれにせよ、マンUは勝ち方を知っている。次の対戦はマンCとのマンチェスター・ダービー。マンCも好調なだけに目が離せない。