とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アデバヨールがいるチーム、いないチーム

 アデバヨールとココ・トゥーレがマンCに移籍したアーセナル。その因縁の対決は、テヴェス、ロビーニョの怪我・欠場もあって、アーセナルがいつものパスサッカーを展開する。一方、マンCも4連勝の勢いそのまま、厳しいプレスで対抗するが、攻撃はパスがつながらず形にならない。アーセナル・ペースで進んでいた前半19分、バリーの蹴った遠目からのFKが競り合ったリチャーズの頭に当たり、GKアルムニアの必死のセーブの甲斐なくゴールに転がり込んだ。オウンゴールの判定だが、リチャーズ、アルムニアとも少しかわいそう。
 この後、前半35分過ぎからようやくアーセナルの動きがよくなり、ポジションチェンジなどが見られるようになるが、前半はこのまま終了。後半もそのままの状況で進む。セスクにいつもの切れが見られないのが心配。
 後半7分に2シーズン振りにロシツキーが出場。8分にはさっそく彼らしい動きからシュートを見せる。12分、CKからギャラスベントナーとシュートを放つがDFがクリア。15分にはフェルメーレンのミドルとアーセナルが押すが、どうしても得点が入らない。このままかと思われた17分、ロシツキーのパスにファンペルシーがDFをかわしてシュート。同点に追い付く。
 その後もアーセナル優勢で進むが、29分、マンCの右サイド、ライトフィリップスとのパス交換からリチャーズが抜け出し、ドリブルの末、中央に送ってベラミーがシュート。2点目をあげる。クリシーの軽い守備が気掛かり。
 その直後、アーセナルは、ロシツキーに代えたデニウソンに加え、ソングをエドワルドに交替する。守備的なCMを二人とも交替してしまったこの采配が、結果的にはこのゲームを決定してしまった。
 35分、ライトフィリップスのクロスをアデバヨールがゴール。39分にはベラミーの長躯カウンターからライトフィリップスが4点目をあげる。アーセナルもようやく43分にロシツキーのゴールが決まり1点を返すが、そこまで。42分のエドワルドのシュート、46分のファンペルシー、48分ベントナーと続けてシュートをするもギブンの好守に阻まれ、このゲームにおけるアーセナルの運のなさを感じる。
 勝負は時の運とは言え、アーセナルの今シーズンを見ていると、パスは昨シーズン同様によく回るが、最後のフィニッシュで決めきれない場面をよく見る。それでもチャンスの数がゴール数につながっているが、その分、失点も増えている。アデバヨールという絶対的フィニッシャーがおればこそ、好守の配分のバランスが取れていたが、そのバランスが崩れている。そして同じことがマンCにも言える。アデバヨールが点を取れば取るほど守備意識は高まり、勝利に近づいていく。対照的な2チームの姿がそこにはある。