とんま天狗は雲の上

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高速道路が無料化されたら、渋滞は発生しないと思うよ。

 高速道路無料化に対するマスコミの評判が悪い。子供手当に対する評判も悪いが、民主党が選挙で7割近い票を集めたことは事実だから、マスコミは国民の期待や意向を曲げて、何とか民主党政権を早期に挫折させたいと考えているのかもしれない。自分たちの利得につながる政体にしたいと。
 そのあたりの本音はいざ知らず、高速道路が無料化されたらどうなるかと考えた。マスコミが煽るのは、高速道路に交通が集中して渋滞が発生し、二酸化炭素発生量も増加し地球温暖化に反するという主張だ。そうだろうか。
 一消費者、一運転者として考えてみる。
 高速道路が無料化されるということは全ての道路が無料ということだから、高速道路が渋滞して一般道の方が早く目的地につけるようになれば、一般道を選択するということである。
 遠距離を走る場合に、有料だから一般道を行くという人はいくらかはいたかもしれないがこれまでだって少数派だ。無料になったら大量の交通移動が起こるとは考えられない。近距離なら料金と時間を天秤にかけることはあるだろうが、ETCの普及、通勤割引の実施で1,000円化前から通勤時の高速道路利用はかなり普及していた。だから高速道路無料化で渋滞がひどくなるという予測は、かなり眉唾ではないかと考えている。
 1,000円化でGWやお盆での渋滞が相当にひどくなったという指摘があるかもしれない。しかしあれは通常5,000円、1万円かかるところが休日に限って1,000円だったから交通が集中し渋滞したのであって、いつも無料であればその日に遠出をする理由もないし、渋滞のない時に行こうかと考える。無料化すれば一時的な減額化よりも交通の集中化は発生しない。
 交通量が増える要素としては、鉄道や飛行機利用からの移動だが、事故リスク等を考えれば法人利用はほとんど変化しないだろう。個人の帰省時の利用に多少の変化はあるかもしれないが、現状でも二人以上の移動であれば鉄道の方が割高で、それでも鉄道を利用するのは、運転に耐えない長距離移動に限られるはず。それがそんなに多いとは思えない。
 民主党の某氏はいつかのワイドショーで「将来的に人口が減少すれば必然的に交通量も減少する」と言っていたが、確かにそうかもしれない。それよりも経済不況による交通量の減少の方が現実的かもしれないが、いずれにせよ高速道路無料化とあまり関係のある議論とは思えない。
 それよりも問題は道路維持費をどう捻出するかという点だ。通行料を無料にするのなら、道路に附帯するSAやPAから施設使用料を徴収するという方策もある。道路利用量は燃料使用量に比例すると考えれば、ガソリン税軽油税を引き下げるのはどうしたものかと思わないでもない。通行料が不要になれば運輸経費が下がり、物価安につながるという主張はわかりやすいが、だからと言って「道路維持費は税金でもらいます」と言われても、「はい、そうですか」とは言い難い。
 いずれにせよ、高速道路無料化の問題は渋滞発生や環境問題ではなく、道路整備や維持に係る経費をどうやって負担するかという面から議論すべきではないか。その方が国民にとっても意味のある議論だと思う。
PS.
 新聞の特集記事を読むと、高速道路の建設債務の返済原資が最大の問題点としてあげられている。全額税金充当ではなく、道路建設予算も含めた議論が必要なのだろう。