とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

心に熱いゲーム 冷たく燃えたフロンターレ 燃え尽きたジェフ

 Jリーグ第31節のTV中継は、地上波(ちなみは我が家は未だアナログです)でフロンターレvsジェフ。BSでFC東京vsレッズ。同じ時間でやらなくても思うが、多分これは野球の日本シリーズが第7戦まで伸びた場合を想定しての処置だろうから、2ゲーム中継してくれるだけでもありがたく思わねば。少し迷ったけど、ビデオでFC東京vsレッズを録画し、生でフロンターレvsジェフを見た。と言っても、よそ事をしながら見ていたので、前半は大まかな流れしかしらない。
 キックオフ直後はフロンターレ・ペースでゴール前まで攻め込むが、ナビスコ杯と同様に惜しいシュートがなかなか決まらない。そうこうするうちに15分過ぎ位からジェフも反撃に出るが、こちらも決定力がない。その後、再びフロンターレが攻勢に出て、谷口のヘッドなどはいい動きだったが、ジェフも集中した守りで点を許さない。
 そして36分、深井からのアーリークロスに合わせた巻のヘッドは、一旦はバーに跳ね返されるが、工藤がよく詰めていて、DFを背負いつつうまいシュートを決めた。なんとジェフ先制。
 ナビスコ杯と同様の展開にフロンターレも憑きがない、勝負弱いと思ったが、さすがにFC東京戦とは違って、サイド攻撃や2列目からの飛び出しなど、先日とは違い工夫した攻撃を仕掛ける。が、点につながらないまま前半が終わった。
 後半は少し外出して車の中で聞いていたので最初の時間帯はよくわからない。ただ帰ってきたらペナルティ内で憲剛が倒れていた。レナチーニョがPKを決めた。
 さらには25分、レナチーニョのシュートが坂本の足に当たり、ゴールに吸い込まれていった。ペースはフロンターレで、さらにジュニーニョ、村上とシュートを見舞う。28分、和田のクロスに深井がシュートするも決まらず。ジェフもここまでと思った43分、ボスナーからのパスを工藤がクロス。ゴール前の混戦の中、和田が押し込みなんと同点に追いつく。でも引き分けじゃダメなんだよな。しかしさらに勝越点を奪うだけのキレも動きもジェフにはなかった。
 フロンターレにしても、アントラーズが勝っている状況では、絶対に勝利が欲しい。と、強い思いが通じたか、ジュニーニョゴールライン近くまでドリブルで上がりクロス。レナチーニョがこの日3点目のハットトリックを決める。かろうじて首位をキープした。
 さすがの巻も3点目には放心した顔をしてゴールを見つめている。昨年に続いての奇跡は起こらず、ついにJ2降格。巻のいつも必死な姿には心打たれるが、ジェフはやはり一度J2できちんとチームを作りなおした方がいいだろう。気力だけではサッカーはできない。
 ジェフの選手たちとサポーターを映した画面の中に、「中村選手にインタビューです」の声が響く。「そうか、巻ではなく勝利者である憲剛のインタビューか」と思ったが、憲剛の言葉は私にとっては意外な謝罪の言葉で始まった。そして「今日の試合は僕たちのリスタートのゲームでした」と言った。フロンターレにとってナビスコ杯敗戦後の騒動はそれほどまでに辛い出来事だったのか。
 このゲーム、憲剛はゲームセット直前、足をつって最後までピッチに立ち続けることができなかった。それは先日の事件のストレスが重く足を引きずっていたのだろう。そしてそのストレスを振り切って戦い勝ち切ることがどうしても必要だった。巻の熱い汗にも増して、フロンターレの選手たちには冷たい炎が燃えていた。そんな熱いゲームだった。あまりに辛い・・・熱く冷たいゲームだったのか。