とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

好奇心を持って2010年代に臨もう

 あけましておめでとうございます。2010年の初日は小雪のちらつく寒い曇り空で始まった。例年通り蒲郡の実家で元旦の朝を迎えたが、今年は初日の出も望めないため、竹島まで出かけることもなく、寒い中を朝刊を取りに行った。(以下、中日新聞から)
 元旦の朝刊は一般のニュースに加え様々な特集記事が載っており、お雑煮ができるまでの間、パラパラとめくって読むのが毎年の楽しみ。デフレ、不況と暗い世相の中、未来に向けた明るい記事で埋めようと新聞社も苦労しているのだろうが、今年は「まずい米で一石三鳥」という記事に目がとまった。これまでのようにうまい米作りをめざすのではなく、まずくても手間がかからず収穫量の多い米「モミロマン」で家畜用飼料を作るという内容。輸入のトウモロコシに代わる国産飼料で自給率アップ。さらに失職者にも簡単に就農ができ、放棄地の減少と雇用創出が期待できる一石三鳥。
 この特集記事のタイトルには「常識革命」と名付けられ、「今、私たちは新しい価値観を見いだしパラダイム・シフト(大転換)を図る時に来ている。」と書かれている。なるほどね。
 年末に見たネット記事の中では、「カフェ・ヒラカワ店主軽薄:立ち止まること」「NANA'S CAFE:御用納め」の中の『そもそも「今後は・・」を明確に示そうという行為そのものが、資本主義や成長主義の発想と何ら変わっていないのではなかろうか、と感じるばかり。逆にそれこそが軽々しくあったりする皮肉。番組中、松岡正剛の「とにかく今は悩むだけ悩みつくしかないのではないか。」というアンチテーゼ的な答えだけが唯一腑に落ちたといった感じ』に目が止まりブックマークをしたが、「立ち止まるだけ」「悩むだけ」では未来は見えてこない。もちろん立ち止まったからといって前を見るなと言っているわけではない。正しい方向に次の一歩を踏み出すため「立ち止まる」のだ。「NANA'S CAFE」で言わんとすることも同じ。いままでどおりではないやりかたを見つけ出すために悩み尽くすのだ。
 立ち止まる勇気を持ち、そしてその先の道は、これまでにない「新しい価値観」を持ってこそ見えてくるという予感。大転換ということは、この先は必ずしも前ばかりではなく、右や左、場合によっては後ろにこそ未来があるかもしれないということ。柔軟な心と勇気でもって、新たな時代を歩き出さねばならない。未来は未知であり、未知故に新しい。好奇心をもって臨むことこそ必要な姿勢かもしれない。くじけそうな心を奮い立たせ、好奇心を持って2010年代に臨もう。ニューイヤー駅伝を見ながら、そんなことを考えた。2010年の初日。