とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

気持ちで負けていたU19アジア最終予選韓国戦

 日本代表が韓国とスコアレスドローの戦いをした前日、U-19日本代表は中国でU-19アジア最終予選準々決勝を韓国と戦い、2-3で敗れ、前回大会に続いてU-20ワールドカップ出場を逃した。先月24日にこのゲームの録画放送があったが、ようやく意を決して録画を見てみた。
 結果や大雑把な経過は知っていたが、こうして90分間(一部省略してあったようだが)見てみると、改めてU-19代表の不甲斐なさが目に付く。もっともピッチの状態が非常に悪く、日本のテクニックをほとんど出すことができない状況で、力負け・気持ち負けしたという印象。だが、もう少し戦い方があったのではないか。
 布監督を批判するブログもあったが、わからないでもない。試合後の解説で小野氏が日本を挙げての協力を訴える場面もあったが、Jのチームで選手の提供を拒んだところでもあったのか。そういえば、原口や小野などU-19該当者で選考されていない選手もいる。
 それにしてもキックオフ直後から韓国が圧倒的な勢いで押し込んだ。3分、スローインがゴール前で弾んで、GK、DFも触れず危なくゴールしそうな場面も。
 しかしそんな流れの中の14分、CKからのこぼれを左SBの阿部が前に送り、CB遠藤が競って、こぼれ球を拾った指宿がワントラップから見事なシュート。先制点を挙げる。一瞬の技術では日本の方が圧倒的に上。しかし、技術の通じないピッチで、日本は身体負けする。
 18分、イ・ガンジンからの放り込みをCFチョン・ヨンスンが粘って反転シュート。25分にはFKにチ・ドンウンがヘディングシュート。しかし29分、指宿が反転し出ようとしたところをチャン・ヒョンスが倒してPKをもらう。これを1回は失敗したものの、GKの動くのが早いとやり直しとなり、2点目を入れた。
 ところが2点差でも韓国は全く動じない。32分、後方からのロングボールをCFのチョン・スンヨンがヘッドでつなぎ、キム・ギョンジュンがシュート。あっという間に1点差に追いついて見せる。36分にも、ロングスローからヘディング3つでつないで、最後はイ・ガンジンがシュート。44分にはGKからヘディングでつなぎ、イ・ギジェがシュート。
 韓国の攻撃はロングスローやゴールキックなど、とにかく遠くからでも前線に放り込みヘディングで競って前に運びシュートという戦法。これに日本が全く対抗できない。高さの問題もあるが、ハイボールに対する技術の問題、そして気持ちの問題。
 と45分、イ・ギジュの蹴ったCKをファーサイドで待ち構えるファン・ドヨンがヘッド、GKが弾くと再び詰めてゴール。同点に追いつかれてしまう。そしてロスタイムの2分、チョン・スンヨンにFKを決められ、あっという間に逆転されてしまった。この年代のGKに多くを求めてはいけないが、韓国選手に足元を隠され、ボールが見えなかった感じ。ここにも韓国の勝負に対するこだわりの強さ、日本との差を感じる。
 後半に入っても同じような感じ。2分、チ・ドンウンがドリブルからミドルシュート。7分、キム・ヨンウクからのパスにチョン・スンヨンがシュート。GKが弾いたところをイ・ギジェがボレーシュート
 日本も11分、菊池のスルーパスに指宿が反応するが、DFにクリアされる。中盤の運動量と球際の厳しさで韓国に負けている。特に中盤で全くボールが収まらないのが痛い。19分、キム・ヨンウクのスルーパスをチ・ドンウンが落とし、キム・ギョンジュンがシュート。GKが弾くとチ・ドンウンがシュート。これもGK中村が弾き返したが、とにかく押されっぱなし。
 19分、酒井のケガで加藤大を入れると、27分には永井龍、34分には杉本を投入し、ようやく日本も惜しい場面が見られるようになってきた。28分、永井がミドルシュートを放つと、32分には宇佐美の落としから加藤がシュート。最大の見せ場は39分、宇佐美のスルーパスに永井が抜け出しシュートを放つが、惜しくもバーに当たって弾き返された。
 その後も杉本や岡本らとの連携から惜しい場面を作ったが、前半で譲り渡した勝機は戻ってこず、このまま2-3で敗戦。2大会続けて韓国の前に、U-19ワールドカップ出場を逃すこととなってしまった。
 もう少し戦闘能力のある選手は選考できなかったのか。韓国の前にもっと気持ちで戦えなかったのか。確かにこんなゲームで敗戦ではあまりに悔しい。U-16も今日U-17ワールドカップの出場権をかけて準々決勝を戦う。今度の対戦相手はイラクだそうで、この年代では、韓国は決勝トーナメントまで勝ち残っていないようだが、勝ち上がると準決勝で北朝鮮と当たる可能性がある。ぜひとも頑張ってほしい。