とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパス 若手の奮闘空しく敗戦 ACLは2位通過

 アルアインのホーム、UAEで行われたACLグループリーグの最終戦。グランパスを既に決勝トーナメント通過を決めており、先に行われたFCソウル杭州緑城が引き分けたため、引き分け以上で1位通過が決まる。決勝トーナメントベスト16の相手は一発勝負で1位通過チームのホームで行われる。相手も既に決まっており、1位通過ならアントラーズ、2位通過なら韓国の水原三星アントラーズも嫌だが、アウェイで強豪の水原三星というのもきつい。日本のチーム同士でつぶしあうことを考えれば、2位通過でもいいじゃないかと思う。
 ピッチのコンディションは気温38度、湿度11%。相当に暑い。ケガ人もあり、帯同してきたメンバーは若く少ない。先発は永井、橋本の2トップに吉田、小川が攻撃的MF。ボランチは藤本に磯村。右SBに松尾が入り、GKは高木という布陣だ。
 立ち上がりはグランパスが積極的に攻めていく。2分、小川のクロスを吉田がシュート。9分には小川が永井とのワンツーからゴール前に迫るが、シュートは大きく浮かしてしまう。序盤のアルアインはプレーが雑でミスも多い。16分には小川が奪ったボールを右前線に出して松尾を走らせシュート性のクロス。
 しかしこの辺りから次第にグランパスもミスが多くなり、パスがつなげなくなってくる。アルアインのプレスが効くようになってきたか、グランパスの動きが落ちたか。そして21分、アルアインの攻守の要であるボランチ、ブラヒマ・ケイタから右に出されたボールをアルアバビがクロス。これに中盤から上がってきたもう一人のボランチ、アルメリがミドルシュートを放つと、DFの間を通ってゴールに吸い込まれた。
 グランパスにとっては予定外の失点。その後、24分、永井のポストプレーから橋本。30分、同じく永井がポストになって小川がシュート。35分にも阿部のクロスに小川がヘディングシュートを放つが、どうしても枠に飛んでいかない。いずれも個人能力からの突破で、全体としては組織立った連携が見られない。
 すると、逆にアルアインが見事な連係プレーから追加点を挙げる。39分、エリアスから始まったパスは、ハダフ、エリアスとつなぎ、バデアが戻したボールをもう一度エリアスが受けてシュート。この間、グランパスの選手はボールに触ることができず翻弄された。
 前半の序盤こそ積極的な動きを見せていた吉田だが、その後はボールを触ることさえできない。そこで後半初めから久場に交代。するとさっそく久場が真価を発揮する。4分、相手CKを防いだGK高木が前線に大きくフィード。相手選手が触って大きく弾んだボールに久場が追いつき、最後は藤本に渡してシュート。追撃の1点を入れる。
 ところが追撃の火は1分ともたなかった。5分、ロングボールに小柄で俊敏な19歳のFWハダフが追いつくと、そのままPA内へ。これを松尾が肩に手をかけて倒し、PKを献上してしまう。エリアスが落ち着いて決めてアルアインが3点目。グランパスを突き放す。
 ハダフは8分にもドリブルで中に切れ込みシュート。アルアバビとともに幅広く動く両サイドの動きにグランパスの守備陣もけっこう気を使わざるを得ない。グランパスは10分、磯村に代えて花井を投入。久場が大きく動き回り、花井も藤本と並んで中盤の起点となり、グランパスが積極的にゴールに迫るようになってくる。
 21分には阿部のアーリークロスに永井が飛び込むが、うまく合わず。23分、小川に代えて新人の田中輝希を投入。田中も左サイドから積極的に仕掛けていくが、中まで入っていけない。34分、藤本から田中を経由して橋本のクロスに久場が飛び込むが届かない。
 グランパスは積極的に攻撃を続けたが、最後は息切れ。アルアインにうまく時間を使われゲームセット。結局、若手主体で臨んだアウェイ戦は1-3で敗戦し、グループリーグ2位通過が決まった。最初に書いたように、どちらがよかったかはわからない。が、若手たちにとってはいいチャンスとなり、いいパフォーマンスを見せた。ACLの大きな効果の一つだ。