前節で優勝を決めたユベントス。ホームでの最終戦はキックオフ前から祝勝ムード満載。ユベントス・スタジアムをぎっしり埋めたサポーターの大歓声の中でゲームが始まった。
相手はアタランタ。八百長疑惑で勝ち点6を減らされ、それでも12位とよくがんばった。このゲームでも序盤から積極的に攻めてくる。3分、スケロットの戻しからクロスにCFデニスがヘディングシュート。GKストラーリがナイスセーブ。ユベントスはブッフォンがベンチに入らず、ビダルも出場停止。左SBにエスティガリビアが入る4バック。中盤ピルロの左右は若いマローネとパドイン。3トップの一角にはこのゲームでユベントスを退団するデルピエロが先発した。
6分、ピルロのCKにデルピエロがシュートするも空振り。だが8分、デルピエロがボールを持つと、ボリエッロにきれいなスルーパス。シュートは枠を外す。そして10分、ボリエッロがドリブルでDFを引きつけて、ヒールパスにマローネがシュート。これがきれいに決まり、ユベントスが先制する。マローネはこれがセリエA初ゴール。コンテ監督と抱き合って喜ぶ。
16分にはパドインがドリブルで抜け出し、GKと一対一となるも、デルピエロにパス。みんなでデルピエロにゴールをプレゼントしようとする。すると28分、ゴール前でデルピエロが持つと、左に流し、ジャッケリーニの戻しのパスをDFの間を抜くミドルシュート。リーグ戦ラストゲームできっちりゴールを決める。
アタランタは29分、トップ下、ボナベントゥーラがミドルシュート。30分にはカルモナのクロスをデニスがシュート。だがまたも枠を外す。ユベントスも35分、デルピエロのスルーパスにボリエッロがシュート。アタランタはよく攻め、よく戦うが、ユベントスの守備のバランスがよく、なかなかチャンスが作れない。44分、後方からのフィードを受けてパドインがシュート。GKフレッツォリーニがナイスセーブ。
後半は立ち上がりユベントス・ペース。2分、ボリエッロがCBマンフレディーニをかわしてシュート。GKフレッツォリーニがセーブ。ユベントスのボールがよく回る。11分、CMカッツォーラのクロスにデニスがシュート。DFがブロック。
すると12分、デルピエロに代えてぺぺを投入。デルピエロを選手が囲んで一人一人と抱擁。ゆっくりと退場していく。場内大歓声。ゲームはスローインで再開されるが、いったん席に着いたデルピエロが立ち上がり、ピッチの周りを一周し始める。サポーターはゲームそっちのけで大歓声。涙を流す人。多くのカメラがデルピエロに向けられる。
そんな落ち着かない中の20分、ボナベントゥーラがCKから戻ってきたボールをシュート。DFストラーリがわずかに触ってポストを叩く。ユベントスは20分、エスティガリビアに代えてクラリアレッラを投入。3バックにして守備を固める。30分、ぺぺのクロスにボリエッロのシュートはDFに当たり、GKフレッツォリーニが抑える。
すると30分前後から攻勢を続けたアタランタが37分、ついに1点を返す。右SBベッリーニのクロスにリヒトシュタイナーがオウンゴール。41分にはキエッリーニが足を滑らせ、ボールを奪ったボナベントゥーラがドリブル。だがボヌッチが追い付き、リヒトシュタイナーがクリア。やはりユベントスの守備は鉄壁だ。
そして45分、スローインにPA内で待ち構えたボリエッロをCBマンフレディーニが引き倒しPKをゲット。これをキエッリーニに代わって入ったバルザーリが決めて、ユベントスが3-1と突き放した。
これでゲームは終了。サポーターの大歓声の中、ユベントスの11-12シーズンは23勝15分け、無敗のまま見事優勝を飾った。その後の優勝セレモニーがまたすごい。選手を一人一人、ファーストネームを呼んではサポーターがセカンドネームで応えて選手が壇上に上がる。最後にデルピエロが登場。場内「デルピエロ!」の大歓声。まさにデルピエロのための優勝。デルピエロのためのゲーム。そんなユベントスのホーム最終戦だった。