とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ、最後は総力戦でフランスを撃破。決勝進出を決める。福元、好セーブ連発!

 日本対フランスの準決勝は序盤から激しい中盤の攻防。フランスが前線からのプレスで日本のミスを誘い、ボールを奪っては速い攻撃を見せる。11分、右SHトミのクロスが司令塔ネシブの前にこぼれる。しかし日本の守備も高い集中力で囲み、クリア。
 日本はDFラインから中盤でじっくりボールを回し、隙を窺うが、守備の局面ではフランスも低いブロックをつくり、決定的なチャンスを作らせない。勝負の縦パスは直前に撒いた水のせいか、ワンバウンド目が伸びて、前線の大儀見や大野・川澄に収まらない。
 日本の先制弾は32分、セットプレーから。大儀見のポストプレーに対してCBルナールがファール。宮間のFKはGKブアディが弾き損ねて大儀見の前にこぼれ、DFともつれながらのシュート。ゴール内に転がり込んだ。
 45分、トミのクロスにFWデリが走り込むが、DFがクリア。前半はフランスに1本のシュートも打たせなかった。日本のポゼッション率は約6割。日本がゲームをコントロールしていた。
 後半も序盤は日本ペース。2分、後方からのフィードを大野が受けて、宮間がミドルシュート。そして4分、右中盤からの宮間のFKに阪口が合わせてヘディングシュート。日本が2点をリードする。澤がファーへDFを引き連れて逃げたところに坂口が入っていった。
 しかしそこからフランスが反撃する。6分、CKをGK福元がパンチング。これをCMビュサグリエがシュート。DFがブロック。こぼれ球を右SBフランコがシュート。これもDFが止める。8分、CMスベランのスルーパスにデリが反応してシュート。GK福元がナイスセーブ。
 11分、スベランに代えてアビリ、デリに代えてルソメを入れると、さらにフランスが攻撃的になる。15分、ネシブのCKからフランコがシュート。DFがブロック。18分、トミのドリブルからネシブがシュート。しかしうまく当たらない。22分、デリがミドルシュート。23分、ネシブがドリブルからミドルシュート。またも福元がナイスセーブ。さらに26分、フランコのクロスにネシブがシュート。福元ファインセーブ。
 日本の中盤の動きが落ちて、クリアボールがことごこくフランスに拾われる。堪らず29分、大野に代えて安藤を投入。しかし31分、デリが阪口にプレッシャーをかけてボールを奪い、鮫島も抜いてスルーパス。トミが上げたクロスにルソメがドンピシャボレー。きれいな高速プレーでフランスが反撃のゴールを挙げる。
 さらに33分、左サイドからPA内に進入したルソメの切り返しに阪口が付いていけず、思わずファール。PKを献上。しかし、福元が逆方向に飛んだにも関わらず、ビュサグリアの蹴ったPKは枠を外してしまう。まだ日本にツキがある。
 35分、FKをGK福元がパンチング。CBルナールが落としたところをルソメがつなぎ、デリがシュート。GK福元ナイスセーブ。日本もカウンター。36分、川澄がドリブルで前進。クロスは安藤に渡らず、GKブアディがクリア。しかしこれを澤が拾いループシュート。GKブアディ、ファインセーブで弾き出す。37分、アビリのシュートはCB岩清水が身体を投げ出してクリア。
 まさに死闘。フランスは187cmの長身CBルナールを前線に上げて猛攻。45分、フランスのCKからシュートを熊谷がブロック。ハンドのアピールも主審はノーファールの判定。そのまま熊谷が大きくフィード。これを大儀見が受けてドリブルからシュート。しかしポストに当たる。日本のカウンターも決まらない。
 ロスタイム2分、ネシブのミドルシュート。4分過ぎにはルナールがシュート。しかしGK福元がまたもファインセーブ。そしてタイムアップ。最後まで守りきった日本が決勝進出、初めてのメダル獲得を決めた。
 後半15分以降は守備に追われ、ゴールも許したが、最後まで全員守備で身体を張った。気が付けば、ボールポゼッション率もフランスが上回っていた。うなだれるビュサグリア。宮間が涙を流す。ピッチに座り込んで、アビリと会話。何語で何を話していたのか。好敵手同士の会話。その後は再びみんなと喜びを分かち合う。
 決勝の相手アメリカもカナダと延長戦の末の激闘で4-3と勝利。お互い死力を尽くしたゲームの後で疲労も五分五分。アメリカは必ずW杯の雪辱を果たそうと必死で向かってくるはず。今五輪での日本はシルバー・コレクターと化しているが、なでしこはメダル獲得に安心せず、W杯王者の誇りを胸に金メダルをねらってほしい。がんばれ!なでしこ!