とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

香川が悪かったわけではなく、マンUに中盤を作れる人材がいなかった。むしろ香川の重要性がわかったのではないか。

 1-2とリードされた後半16分、ナニと交代して、その後、逆転勝利を挙げたことから香川危うしと書く記事もあったが、香川自身は初戦、第2戦とゲームを重ねる中で次第に進化しているように見えた。問題は香川を生かしきれない周りの選手たち。特にウェルベックとは全く合っていない。
 6分、CMに入ったキャリックのスルーパスファンペルシーがシュートを見舞う。しかし10分を過ぎる頃からホームのサウサンプトン・ペースとなってくる。13分、CKから左SHララーナがシュート。そして16分、クレバリーから香川へのパスをCMシュネイダルランがカット。MFスティーブン・デービスから右SHパンチョンのクロスにCFランバートがヘディングシュート。サウサンプトンが先制した。
 しかしマンUもすぐに押し返す。21分、香川のミドルシュートはGKケルビン・デービスがセーブ。
そして23分。右SHバレンシアからのクロスをファンペルシーが胸トラップからシュート。ファンペルシーらしいテクニックで鮮やかに同点弾をゴールに突き刺した。
 だが、ゲームはサウサンプトン・ペース。25分、ランバートのミドルシュート。32分、MFウォードプラウスが香川をかわしてミドルシュート。さらに34分、CFランバートのパスを受けてララーナがミドルシュートマンUはプレスも弱く、守備に追われる。
 それでも40分、香川が右に流し、バレンシアのクロスに左SBエブラがヘディングシュート。GK・K.デービスのナイスセーブに防がれる。マンUは香川を中心にパスをつなぐサッカーに変えてきた印象。香川も初戦ほどパスを受けに寄せることはなくなり、自然体でパスが回ってくるようになった。が、サウサンプトンの寄せが早く、マンUはうまくパスがつながらない。
 後半4分、ラファエルの縦パスをファンペルシーが落とし、香川がミドルシュート。わずかにポストの右。ファンペルシーとは初戦からよく合っている。9分にはバレンシアのクロスにファンペルシーがシュート。
 しかし10分、パンチョンが左に流すとランバートがクロス。右サイドでエブラが足を滑らせ、シュナイダルランがフリーでヘディングシュート。サウサンプトンが勝ち越し点を挙げた。さらに13分にはパンチョンが切り返しからシュート。GKリンデゴーアが好セーブを見せる。
 中盤を支配できないマンUは16分、クレバリーに代えてスコールズ。さらに香川に代えてナニを投入。さっそく17分、スコールズの長いスルーパスファンペルシーが抜け出し、シュートを放ったが、その後はまたサウサンプトンが押し込んでくる。香川が抜けて中盤でボールが収まらず、個人突破しか攻め手がない状態。
 それでも23分、ナニの縦パスをファンペルシーがゴール前で受けると、CBホーイフェルドがPA内で倒してPKを献上。これをファンペルシーが蹴るが、逆を取ったはずの緩いシュートはGK・K.デービスがセーブした。ファンペルシーはさらに26分、キープからシュートを放つが、孤軍奮闘。27分、ウェルベックエルナンデスに交代。エルナンデスのワントップにファンペルシーがトップ下に下がるが、マンUの攻撃は停滞したまま。
 守り切りたいサウサンプトンだったが、なぜか29分から34分にかけて、攻撃的な選手を3人投入。受けに回るなというメッセージだったのかもしれないが、中盤から後ろの選手に疲れが目立つ。それでもマンUの攻撃も全くキレがなく、何とかこのまま逃げ切れるかなと思った42分、ラファエルのクロスにCBファーディナンドが上がってヘディングシュート。ポストに当たったはね返りをファンペルシーが反応してシュート。ついにマンUが同点に追い付く。ファーディナンドが全員を鼓舞。そしてロスタイム2分、ナニのCKにファンペルシーがヘディングシュート。これが決まり、何とマンUが劇的な逆転勝利を挙げた。
 香川を交代してさらにパスが回らず停滞していったマンU。中でもウェルベックと香川のコンビは最悪。それでもこうして様々に試しながら、チーム全体の熟成を図っていくのだろう。けっして香川が悪いわけではなく、むしろ香川の重要性がわかったゲームではなかったか。