とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

日本代表は10年後、ブラジルに勝利することができるのだろうか?

 欧州親善試合第2戦。ブラジルとの対戦は現在の力の差を見せつけられる0-4で完敗。10年前、0-5で敗れたフランスに第1戦で勝利できたように、10年後にはブラジルに勝利できる日が来るのだろうか。それでも10年前のフランス戦も前半はいい勝負をしていたように、この日のブラジル戦も前半は互角に攻めていた。もっともそれもブラジルが日本の実力を見極めるまでの間だったが・・・。
 ハーフナー・マイクに代えて本田を1トップにしたが、トップ下は中村憲剛。香川はいつものとおり左SH。だが、左SB長友に加え、前試合はベンチスタートだった右SB内田が序盤から積極的な動きを見せる。2分、内田のクロスが入るが、中村に届かない。9分には清武の縦パスを香川が落とし、本田がシュート。GKジエゴ・アウベスがナイスセーブで弾き出す。
 ここまで日本はプレスも早くパスがよく回る。守備の集中力も高くブラジルの攻撃をよく抑えていた。と思ったのは12分まで。オスカーの落としをパウリーニョミドルシュートを放つと、ワンチャンスでブラジルがあっさりと先制した。
 それでも日本の気持ちは途切れない。15分、本田の縦パスから中村のスルーパスに香川が抜け出しシュート。オフサイドの判定だったが、3人の連携はよく取れている。ほぼ互角の展開に日本の反撃を期待したが、24分、カカが右SBアドリアーノとのワンツーでPA内に侵入すると、今野がよくカバー。だが倒れたときにボールが手に触りハンド。PKを宣告される。さすがにそれはないよという判定。このPKをネイマールが落ち着いてゴール中央に突き刺し、ブラジルが差を広げる。
 29分には内田のドリブル・トラップが長くなったところを左SBカスタンがカットしてそのまま縦に。ネイマールが落として、カカのスルーパスネイマールが走り込む。シュートは枠を外した。日本も31分、遠藤の縦パスを香川が落とし、長谷部がミドルシュート。GKジエゴ・アウベスの好セーブで弾き出された。
 逆に34分、カスタンの縦パスをネイマールが落とし、カカがミドルシュート。今度はポストを叩く。ブラジルはネイマールとカカが変幻自在。オスカーがうまくつないで、カスタンとアドリアーノの両SBにCHパウリーニョが攻撃に絡んでくる。しかも速い。中盤から後ろでがっしりと守ってボールを奪うと、あっという間に日本のゴール前まで殺到する。それでも前半のうちは何とか日本も互角に抵抗し、0-2で終えた。
 後半頭から右SB内田に代えて酒井、中村憲剛に代えて乾を左SHに入れ、香川をトップ下に移す。だが3分、オスカーのCKをファーサイドネイマールが受けると、長友をかわしてのシュートが吉田に当たってゴール内に転がり込んだ。後半開始早々の痛恨の追加点。0-3。
 それでも序盤は日本も反撃する。5分、香川の落としを本田がシュート。DFがクリア。さらにCKから本田の縦パスを受けて香川がシュート。だがわずかにポストの右に外す。
 日本は香川と本田の関係はよかったが、3点差となって守備を固めたブラジルに乾のドリブルが通用しない。そしてカウンター。11分、右SBアドリアーノのクロスを左SBカスタンが落とし、ネイマールがシュート。吉田がブロック。13分、フッキのFKは壁を抜けてポストを叩く。16分、日本も遠藤を起点に香川のスルーパスに本田がPA内に走り込む。アドリアーノが足を引っ掛けたように見えたが、PKを取ってくれない。17分、長谷川に代えて細貝を投入。
 PKなら1点詰め寄れると思ったが、21分、カウンターからフッキのドリブル。ネイマールが受けてゴール右深くまで進入してクロスにラミレスがゴールへ押し込んだ。すぐに追加点。と思ったら、ブラジルもラインを割ったとゴールが認められない。ま、おあいこか。しょうがない。
 22分、26分と本田がシュートを放つが、うまく当たらずGK正面。ブラジルが守備を固めて日本はパスを回してもチャンスが作れない。集中力が途切れる。そして31分、吉田の縦パスをパウリーニョにカットされ、そのままネイマールへ。左へ展開し、カカがシュート。吉田が詰めたが、きれいに抜かれた。4点目を献上。
 45分には宮市を投入したが、遅すぎる。見せ場を作ることなくそのままゲームセット。0-4で完敗した。
 それでもフランス戦とは違い、攻めていっての4失点。それもPKや吉田に当たってのゴールなど、不運な失点もあって、点差ほどのぼろ負けというわけではない。だが実力差を実感したのも事実。いつの日かこの差を詰める日が来るのだろうか。未来に希望を託すゲームだった。