とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

レイソル37年振りの天皇杯優勝。監督の差が出た決勝戦だった。

 今野と遠藤を1列ずつ上げて、決勝まで進んできたガンバ。今シーズンJ2で戦うチームにとってどうしてもACLに行きたいところだったが、レイソルも最終戦まで3位の可能性があった中での6位。置き忘れたACL出場権を天皇杯決勝に賭けてきた。
 そんな両チームの思いが伝わるゲーム。中でも序盤はガンバが攻勢。10分、遠藤のCKをニアでCB岩下が逸らし、CFレアンドロがヘディングシュートを叩き込む。だがオフサイドレイソルはきちっと守ってカウンター。17分、ルーズボールを左SB藤春と競ったOHレアンドロ・ドミンゲスがうまく拾って抜け出すとシュート。CB岩下がブロックに入る。手に当たったが、PKは取らない。
 次第にガンバ・ペースでパスを廻り出す。23分、右サイドにうまくボールを運んで、今野のクロスに遠藤が待ち構えるが、DFがクリア。26分、左SB藤春から二川のクロスに遠藤が走り込むが、これもDFがブロック。さらに27分、藤春から倉田のクロスに二川がドリブルでゴールに向かうが、DFがブロック。ゴール前でレイソルが厳しく守り、ガンバ・ペースのようでなかなかシュートまでいけない。
 もっともレイソルも澤を1トップで起用したが、ほとんどボールに触る場面がない。すると32分、ネルシーニョ監督が右SHに起用していた水野に代えて田中順也を投入。澤をトップ下に下げて、レアンドロ・ドミンゲスを右SHに回す。すると34分、レアンドロ・ドミンゲスの縦パスを澤が受けてミドルシュート。GK武田がナイスセーブ。しかし直後のワグネルのCKにCB渡部がヘディングシュート。レイソルが先制した。渡部は近藤の代役のCB。同じくケガの中澤に代わり先発したCB丹羽がついていけなかった。
 圧しながら先制されたガンバは37分、遠藤のCKにCB丹羽がボレーシュート。しかし外してしまう。対照的。前半はレイソル・リードで終了した。
 後半に入ってもなかなかガンバがチャンスを作れない。逆に6分、レアンドロ・ドミンゲスのFKに田中順也がヘディングシュート。だがこれはオフサイドの判定。8分には左SB橋本のクロスに澤が飛び込む。
 ガンバは10分、右SH倉田に代えて家長を投入。14分、レアンドロが中にドリブルで切れ込みシュート。GK菅野の正面。19分、遠藤のFKに岩下がヘディングシュート。だが枠を外す。レイソルのプレスがきつい。中盤から前に有効なパスが入らない。20分、競り合いで肩を痛めたCH大谷に代わり栗澤。ますます中盤が引き締まる。ガンバは23分、OH二川に代えて佐々木。だが全く効果なし。24分にはFKから持ち込んでレアンドロ・ドミンゲスミドルシュート。GK武田がナイスセーブ。直後のレアンドロのCKにワグネルが低いヘディングシュート。わずかにポストの左。惜しかった。
 ガンバは40分、丹羽に代えて武井を入れ、今野をCBに下げて藤春を前に上げる。さらに岩下をトップに入れてのパワープレー。アディショナルタイム2分、藤春のクロスの落としを家長がシュートするが、空振り。最後までレイソルの運動量とプレスに攻撃を抑えられて得点ならず。レイソルが37年振り、日立製作所以来の天皇杯優勝を飾った。
 考えてみれば、レイソルも昨シーズン6位。惜しくも3位を逃したとはいえ、プレスと運動量が戻れば十分怖いチーム。しかも率いるのは策士ネルシーニョ。前半の選手交代など、監督の差が生んだ結果と言えなくもない。一方ガンバは、今野のCHも明神が戻って遠藤を上げれば、中盤から前が渋滞気味。レアンドロともうまく噛み合っておらず、新シーズンに向けて熟成には今しばらく時間がかかりそう。これでJ2に専念するしかなくなったが、油断をすればJ2も厳しいリーグだ。当然のように1シーズンでJ1に戻れるなんて思わない方がいい。長谷川新監督の下で一からやり直す覚悟があるだろうか?