とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「静」対「動」。桐光学園、京都橘の鋭い出足に屈す。

 準々決勝で桐光学園の端正なサッカーに魅力を感じて、当然応援モードで観始めた準決勝。開始2分、さっそく右SH橋本がドリブルからクロス。さらにCH松井のダイレクト・スルーパスが飛ぶが、京都橘のDFの集合が速くクリアする。すると3分、京都橘はFW仙頭のスルーパスにもう一人のFW小屋松が抜け出す。GK長津の飛び出しでシュートはブロックしたが、京都橘の2トップの動き出しの良さに驚いた。
 その後も京都橘の出足が鋭い。9分にも小屋松が落としたボールを仙頭がドリブルで前に運び、小屋松にスルーパス。これはうまくつながらなかったが、小屋松の一瞬の速さ、そして仙頭はよく動き、小気味よくパスを出していく。桐光学園は京都橘の素早い動きにうまく攻撃がつながらない。司令塔・松井へも宮吉、釋の両ボランチがしっかりマークして、自由にパスを出させない。さらに効いていたのが左SB吉中。桐光学園の右SH橋本を完全に封じ、桐光学園は攻撃が思うように展開しない。
 23分、橋本から右SB大田が上がり、クロスを入れるが、FW野路にうまく合わない。26分、松井が下がり、代わりにCH多田が上がって橋本のクロスを受けるが、これもわずかに逸れて、うまく合わせられない。
 39分、FW市森から野路、さらに松井とつなぎ、DFのチャックのこぼれ球を橋本がシュート。さらに押し込んでいくが、42分、CKからのクリアを小屋松がポストで落とし、仙頭がドリブルからスルーパス。小屋松がうまく受けて落とすと、左SH中野がミドルシュート。これはバーに当たるが、こぼれ球を仙頭が押し込んで京都橘が先制した。
 これで勢いに乗ったか、後半も京都橘が押し込んでいく。桐光学園も反撃。7分、左SB中島のクロスに市森がヘディングシュート。だが体勢が崩れ、GK永井の正面。京都橘は10分、仙頭の長いスルーパスに小屋松が追い付いて、クロスに釋がシュート。前掛かりの桐光学園に対して、効果的なカウンター。小屋松が速い。14分、CB諸石がたまらずファール。イエローカードを受ける。
 21分、松井から左に流し、左SH菅本がミドルシュート。24分、松井のスルーパスを野路が受けてシュート。だがCB橋本がブロック。こぼれ球を市森がシュート。今度はCB林がブロック。26分には多田に代えてキャプテン佐藤を投入。さらに29分、イエローカードを受けた菅本に代わり有田を投入。
だがこの選手交代が効果を表す前の31分、右サイドから右SH伊藤がドリブルで突っかけると、DFに当たったこぼれ球を小屋松がシュート。追加点が京都橘に入る。
 反撃する桐光学園は33分、大田のロングスローから左SB中島がヘディングシュート。だがGK永井の正面。34分には中島のクロスに大田がヘディングシュート。だがこれもGK永井がセーブ。そして39分、CKで桐光学園のDF陣が上がったところでカウンター。37分に交代出場の赤沢から小屋松が走り込み、DFの足に当たったこぼれ球に伊藤がシュート。京都橘が決定的な3点目を挙げた。
 アディショナルタイムに大田のスルーインからCB小松がゴール正面でシュートを放つがこれも決まらず万事休す。京都橘が最後まで溌剌としたサッカーを披露。優勝候補の桐光学園を3-0の大差で快勝した。
 京都橘は仙頭と小屋松の素早い動き出しと息の合った連係プレーが抜群。諸石を中心とする高くて強い桐光学園の守備を翻弄した。また守っても攻撃の中心、松井を徹底マーク。右SH橋本も抑え切って、強力2トップが孤立。集中した守備で最後まで桐光学園に気持ちよく攻撃をさせることがなかった。集中力と運動量の勝利。さてこの運動量が中1日の決勝戦でも発揮できるか。鵬翔との対戦が楽しみだ。