とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

前半は香川のいるパスサッカーで先制。香川が交代した後半は守りに入って逃げ切れず。

 第23節マンUトットナムとのアウェイゲーム。香川は前節に続いて先発したが、今度はウェルベックが右SHに入り、香川はトップ下。左SHはクレバリー。CHにキャリックフィル・ジョーンズが並ぶ。
 トットナムはデフォーのワントップにレノンとベイルが左右に開き、トップ下はデンプシー。CHにパーカーとデンベレが並ぶ。このCHが強力。早いチェックでボールを奪い、序盤トットナムが攻勢に出る。だが、マンUウェルベックが珍しく中に入り過ぎず、右SHのポジションを守り、バランスのいい守備でトットナムに決定的なチャンスを作らせない。
 13分、ジョーンズのクロスにファンペルシーがヘディングシュート。香川の頭の上を越えていく。序盤はなかなか香川がボールを触れない。トットナムも14分、レノンがドリブルで中に切れ込みシュート。GKデヘアがナイスセーブ。弾いたところをデフォーが詰めてシュートを放つが、GKデヘアがセーブした。
 20分過ぎ位からウェルベックが次第に中に入ってきて、香川が右サイドに押し出され始める。またいつものウェルベックかと思ったが、25分、右サイドでジョーンズの縦パスを香川がDFに囲まれながらワンタッチでキャリックに落とすと、キャリックがさらに左へ展開。ウェルベックがドリブルで中に持ち込み、今度は右サイドに展開。そしてウェルベックとポジションチェンジしたクレバリーのクロスをファンペルシーが下がりながらヘディングシュート。きれいにゴールに流し込み、マンUが先制する。
 トットナムは27分、レノンのスルーパスからデフォーがシュート。だがGKデヘアがナイスセーブ。29分にはジョーンズからの縦パスを再び香川が落とし、キャリックから縦パスをファンペルシーが香川に落とす。左SHにポジションを移したウェルベックからまた右に展開。その後、チャンスをつぶしたが、マンUがパスを回してペースを掴み出す。このパスサッカーの中心に香川がいる。
 34分には香川からDFの裏、GKとの間にカーブをかけた見事なクロス。ファンペルシーが走り込むが、わずかに届かなかった。マンUの守備のバランスがよく、トットナムの攻撃を形にならない。40分、レノンのクロスのクリアをベイルがミドルシュート。だがまたもGKデヘアがスーパーセーブでクリアする。
 後半に入るとトットナムが勢いよく攻めてくる。1分、レノンのスルーパスにデフォーが抜け出しシュート。マンUも2分、ファンペルシーのスルーパスからエブラが抜け出し、クロスを香川が落とすと、ウェルベックがシュート。だがCHデンベレがブロックした。
 トットナムはこのところ6ゲーム負けなし。特にデフォーとレノンがいい。デンベレもよく効いている。6分にはデンベレのドリブルからデンプシーがシュート。またもGKデヘアがスーパーセーブを見せる。マンUも7分、ウェルベックが左サイドを抜け出し、クロスに香川がシュート。だが枠を外す。
 そして17分、ついにファーガソン監督が香川に代えてルーニーを投入する。ルーニーは大きな動きでサイドに流れ、後方からのボールを引き出していく。香川がボール保持者に正対してボールを左右に捌いていくのに対して、明らかにゲームが違う。香川の方が相手は対処がしにくく、うまくボールがつながれば決定的なチャンスになるが、途中でミスをしてしまうことも多い。一方、ルーニーのやり方は何と言ってもマンUのメンバーが慣れていてやりやすそう。ただし、相手も慣れていて、一旦ボールを奪われると逆に大きく弾き返され、一気にピンチを迎える。大きな展開と素早いパスワーク。どちらも有効だが、短所もあるという感じ。
 それで後半は次第にトットナム・ペースになってくる。21分、デンベレの縦パスをデンプシーが落とし、デフォーがシュート。DFのブロックをデンプシーがシュート。33分、パーカーの縦パスからレノンがうまく反転してDFを置き去りにしそのままドリブル。最後はデフォーがシュートするが、CBファーディナンドがナイススライディング。36分、またもレノンからデフォーがミドルシュート。GKデヘアの正面。さらに41分、ベイルが中にドリブルで切れ込みシュート。
 そしてアディショナルタイム3分、左SBで途中出場のアスエコトからのクロスをGKデヘアが飛び出しパンチング。だがこれがレノンに渡り、クロスをデンプシーがゴールに叩きこむ。ゴール。土壇場でトットナムが追い付いて、ゲームは引分けに終わった。
 香川がいた前半はマンUペース。ルーニーに代わった後半はトットナム・ペースで得点もそのとおりの結果だが、後半の方が明らかに伸び伸びとやりやすそうだった。この状況をファーガソン監督はどう判断し、香川とルーニーをどう使っていくのか。うまく共存できるのか。香川とルーニーのコンビネーションは必ずしも悪くなさそうだが、他の選手との連携が課題。これからまだまだマンUの変化が楽しみだ。