とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

今年のレッズは前評判どおりの明るい伸び伸びサッカー。サンフレッチェは高萩の不在が響く。

 昨シーズン王者サンフレッチェの開幕戦は森脇、興梠が加わり、優勝候補の声も高いレッズ。その前評判どおり、レッズが伸び伸びとしたサッカーを見せてくれた。
 昨シーズンの開幕戦も同じ対戦だったが、昨シーズンは両チームの3バックの成熟度の差をまざまざと感じるゲームで、レッズはほとんど何もさせてもらえなかった。今シーズンは梅崎と宇賀神の両WBも生き生き、序盤からサンフレッチェを圧倒して攻め込んでいった。
 17分には柏木のスルーパスに宇賀神が走り込む。GK西川がうまい飛び出しでボールを抑えたが、高いライン、早いプレスに大胆なポジションチェンジ。実に楽しそうにゲームを展開する。サンフレッチェは高萩の欠場が痛い。代わりに入った石原はセカンドストライカータイプで、ボールを収める人がいない。佐藤がいつもよりも下がってボールを受けにくるが、森崎浩司も含めて3トップへのマークが厳しい。
 サンフレッチェらしい攻撃が見えたのはようやく34分。青山のボールカットから森崎和幸が縦パス。佐藤が受けて石原に渡し、ドリブルから右に展開。森崎浩司がシュートするが枠を外す。すると37分、サンフレッチェの攻撃から右に展開したところを原口がよくボールを追ってパスカット。宇賀神に落とすと縦パスを興梠が落とし、柏木が左に展開。原口が抜け出してドリブルで持ち込むと、CB塩谷を引き連れ後ろに落とす。これを左に回った柏木が受けてシュート。レッズが鮮やかに先制点を挙げた。
 レッズは興梠もいい。ポストプレーだけでなく消える動き、抜ける動き。よくレッズの攻撃を引き出していく。原口の活躍も興梠が引き出した面が大きい。
 後半になっても序盤からレッズが攻勢をかけていく。そして6分、中盤の攻防からFKを得ると、柏木が早いリスタート。原口が抜けてシュートはGK西川が楽々キャッチと思ったらファンブル。コロコロとゴールラインを割ってしまう。レッズ追加点。
 しかしサンフレッチェもすぐに反撃する。10分、PA正面近くのFKを森崎浩司が蹴ると、壁の上からゴールマウスに飛び込んでいった。見事なFK。サンフレッチェが1点を返した。その後はサンフレッチェの動きがよくなって、サンフレッチェ・ペースでゲームが進む。17分山岸、32分には高卒ルーキー野津田を投入。レッズも22分、原口に代えてマルシオ、28分には大卒ルーキー阪野を投入。野津田は高萩の代役としてよく役割を果たす。阪田もワントップでポスト役をこなす。二人とも即戦力として期待できる。
 43分、サンフレッチェ森崎和幸から青山、佐藤とワンタッチでつなぎ、森崎浩司から左に展開。清水のシュートはGK加藤があわやファンブルと思ったが、何とかゴール前で抑える。前半はレッズの圧勝かと思ったが、後半はサンフレッチェもペースを取り戻し、攻め返していく。しかし1点及ばず。レッズが6年振り開幕戦を勝利で飾った。
 両チームとも実力を発揮。特にレッズはかなり完成形に近い。サンフレッチェも高萩が復活すれば十分連覇できるだけの実力がある。今シーズンのJリーグはこの二つのチームを中心に展開していくのだろう。今後に期待の持てるゲームだった。