とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リーグ21年目にふさわしいゲームだった? レッズにかき回されたアントラーズ。

 今シーズンはJリーグ21回目のシーズンのはずだけど、なぜか20周年メモリアルマッチと銘打って実施されたレッズ対アントラーズ。丸20年ということだが、ひょっとしてこれ、NHKだけのイベント戦略だったんだろうか。いずれにせよ、20周年、21年目のリーグにふさわしい内容のゲームだったと言えるのかもしれない。面白さ、落ち着きのなさ、審判の判定・・・。
 序盤はホーム、レッズの攻勢で始まった。左FW原口、左CB槙野、左WB宇賀神と積極的にシュートを放っていく。一方、アントラーズは小笠原と柴崎のCHで落ち着いてボールをさばき展開する。7分、柴崎のフィードの流れから小笠原がミドルシュート。こぼれ球を右SH野澤がシュート。GKが弾いたボールにFW大迫が詰めるが合わせられない。18分には野澤のFKにCB岩政がヘディングシュート。
 レッズがバタバタと仕掛けるが、ゲームはアントラーズ・ペースで進む。23分、柴崎の縦パスを大迫が収めて、落としを小笠原がミドルシュート。32分には小笠原のFKをCB青木がフリック、岩政が足を伸ばしてシュートを放つが、枠を外す。
 しかしその後レッズが勢いを取り戻してくる。35分、CH鈴木から左に展開、槙野が収めて、宇賀神が追い越し、クロスを入れるがDFに競り合いながら走り込む興梠に合わない。42分には原口がドリブルでDFに仕掛けて抜け出すと、倒れながら戻したボールに宇賀神がシュート。わずかに外す。
 アントラーズも43分、柴崎のパスカットからFWダヴィがドリブルで仕掛けてシュート。さらに45分、柴崎から右SB西のスルーパスに大迫が走り込んでシュート。お互い攻め合ってはチャンスを作りだす面白い展開で前半を終えた。
 アディショナルタイムに宇賀神が膝を痛め、梅崎に交代。後半序盤から前半同様攻勢に出たレッズだったが、中でも左WB梅崎の積極的な姿勢が目立つ。7分には梅崎のミドルシュートをGK曽ヶ端が弾くと、右WB平川のクロスを梅崎が前に落とし、興梠がシュート。だがうまく当たらない。
 不満は柏木。前半からボールを触る場面がほとんど見られず、レッズの攻撃は原口のドリブルか、ミドルレンジからのシュートや放り込みなどの単調なものになっている。そして後半もまた次第にアントラーズ・ペースになっていく。12分、小笠原の縦パスから野澤のスルーパスに大迫がシュート。14分、16分と中盤やや深い位置でファールを受けると、野澤のFKに左SB中田がヘディングシュート。そして18分、柴崎から右に展開、野澤が中に切れ込んでミドルシュートを放つと、きれいにゴールに飛び込んだ。アントラーズが先制。
 ところが直後の21分、柏木のCKにCB那須がニアに飛び込んでヘディングシュート。あっという間にレッズが同点に追い付いた。23分、平川に代えてマルシオ・リシャルデスを投入。柏木をCHに下げ、阿部を右WBに回す。するとようやく柏木がゲームに参加し、レッズがペースを取り戻していく。
 26分、槙野のドリブルから原口がミドルシュート。28分、柏木から右に展開、マルシオがクロスを入れるが、CB青木がクリア。アントラーズも30分、野澤のパスがDFに当たってSHジュニーニョの前にこぼれ、そのままドリブルで突破。シュートを打つかと思ったが、クロス。ダヴィが合わせられない。31分には野澤のFKがあわや直接ゴールに飛び込みそうだったが、GK加藤がナイスセーブで弾き出す。
 このままドローで終わるかなと思った33分、梅崎のクロスに興梠がヘディングシュート。これが決まり、レッズが勝ち越した。その前、レッズが波状攻撃でアントラーズの守備が崩され、左サイドで梅崎がフリーになっていた。ただし、CB青木は確信したオフサイド・トラップ。これを審判に取ってもらえない。アントラーズにとっては痛恨のミスジャッジだ。
 それでも43分、後半だけで4本目の野澤のFKに大迫がヘディングシュートを放つが、GK加藤がファインセーブ。アントラーズにツキがない。そして直後の44分、岩政も上げて攻めた後のクリアボールを拾った青木に興梠がチェックをかけ、うまく蹴り出すと、原口がそのままドリブル。ミドルシュートを一旦はGK曽ヶ端が弾いたが、梅崎が詰めてシュート。レッズが決定的な3点目を挙げた。
 ゲームはこのまま終了。レッズがアントラーズに入れ替わって3位に進出した。お互い攻め合う面白いゲーム。だが審判の判定といい、攻守の軽さといい、ようやく21年目のリーグのゲームという感じかもしれない。レッズは後半、柏木をCHに下げてからよくなった。守備時に阿部や鈴木が担っている役割との関係もあるのだろうが、まだまだ工夫の余地があるようだ。もっと変化に富んだレッズが見てみたい。