とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アルディージャは組織力をベースに自信を持って17戦無敗のタイ記録を達成。

 昨シーズンの降格危うしという状況からズラタンノヴァコヴィッチを補強して勝ち点を積み重ね、降格圏内を脱出。そのまま前節まで16戦負けなし。ここ数年では考えられなかった3位につける絶好調のアルディージャと、若き司令塔、柿谷率いる4位セレッソの対戦。アルディージャがどんなゲームを見せるのか興味があった。
 ところが何と開始28秒、中盤で前が空いたCH金澤が思い切ったロングシュート。これがそのままゴールに飛び込み、アルディージャが先制した。まさにチーム状態の良さと積極性を見せつけるゴールシーン。しかしセレッソも伊達に4位につけているわけではない。4分、CHシンプリシオの縦パスを柿谷が右に流し、山口のクロスにFWエジノが走り込む。だがCH青木がクリア。金澤と青木のダブルボランチの動きがアルディージャの好調を支えている。
 DFラインを高く保ち、素早いプレスでボールを奪うと、積極的に前に仕掛けていく。セレッソも7分、CH扇原のフィードに柿谷が高いラインの裏を取って抜け出しシュート。GK北野がナイスセーブで弾き出したが、柿谷のトラップ、切り返し、そしてシュートは見事。これだけでセレッソを観る価値がある。
 14分、左SHチョ・ヨンチョルの縦パスをFW富山が受けて、中に切り込んでシュート。GKキム・ジンヒョンがナイスセーブ。シンプルに前に仕掛けて積極的にシュートする姿勢はアルディージャの好調さを示している。セレッソも16分、シンプリシオのスルーパスに右SB新井場が抜け出し、クロスを柿谷がゴールに突き刺すが、その前でエジノオフサイドセレッソは柿谷がチームを引っ張るが、新外国人エジノは連携ミスが目立ち、まだ十分チームになじんでいない。
 それでも22分、スローインからシンプリシオのスルーパスに山口が切れ込んでシュート。28分にはシンプリシオの縦パスをエジノが落とし、山口のスルーパスに柿谷が抜け出してシュート。次第にセレッソのパスが回り始める。そして前半終了間際の45分、左SB丸橋のフィードにDFライン上から飛び出した柿谷が後ろ向きでうまくトラップ。そのまま前を向いてシュート。柿谷らしい個人技でセレッソが追い付いた。
 後半に入るとセレッソが積極的に攻めてくる。3分、山口が枝村とのワンツーからミドルシュート。GK北野がナイスセーブ。セレッソのパスが回り、アルディージャが守備に回る。そして20分、CB高橋がシンプリシオへのファールでイエローカードをもらうと、異議を唱えて2枚目のイエロー。何とレッドカードで退場となってしまう。何を言ったかわからないが、あのプレーでイエローは可哀想。酷い判定でアルディージャが窮地に追い込まれる。
 26分、丸橋に代わって途中交代で入った楠神が柿谷とのワンツーで抜け出し、クロスに枝村がダイレクトシュート。だがGK北野の正面。27分には枝村のクロスに新井場が走り込み、戻すがDFがクリアする。一人多いセレッソが一方的に攻め込むが、もう一つ連携が合わない。アルディージャは、33分渡部、39分村上を投入し、運動量を確保して必死に守る。
 するとその思いが結果につながる。40分、中盤から前に放り込まれたルーズボールに渡部が絡み、バウンドしたボールにズラタンがうまく身体を入れるとすぐにシュート。何と一人少ないアルディージャが勝ち越しゴールを挙げた。セレッソは楽に攻勢が取れる状況に気持ちがふわふわと浮いてしまった印象。必死に戦ったアルディージャが勝利を引き寄せた。
 これまでズラタンノヴァコヴィッチの個人技で勝ち進んでいたのかと思っていたが、組織力と気持ちの噛み合ったアルディージャのサッカーは17戦負けなしもよくわかる。必死さに自信が加わって、その強さはけっしてフロックではない。この無敗がどこまで続くか。これを止めるのはけっして容易ではない。次はさいたまダービー、レッズが相手だ。面白いゲームになりそうだ。