降格圏の18位ウィガンから勝点差6をつけて11位まで上がってきたサウサンプトン。対するウェストハムも同じ勝点37で並ぶ。両チームとも何とか勝ち点を拾って残留を確実にしたいところ。そんなチームの思いが如実に現われた激しいゲームだった。
前半2分、左SHスティーブン・デービスのスルーパスにOHララーナが抜け出すがDFが止める。ウェストハムはCHノーランがミドルシュート。さらに9分、CKからの流れの中から右SHファズテがミドルシュート。サウサンプトンは高いプレスで奪っては細かいパスをつないで相手陣地に攻め込んでいく。CHコークのスルーパスにララーナが抜け出し、クロスを入れるも、コークに届かない。
一方のウェストハムは前線にキャロルを置いて長いボールで競ってはセットプレー。またこぼれ球からミドルシュートを放っていく。30分、右SBデメルのスルーパスにファズテが抜け出し、クロスにノーランがシュート。こちらもCBホーイフェルトがシュートブロック。
だがボールポゼッションはサウサンプトン。37分にはラミレスのFKにCFランバートが足を伸ばしてシュート。ゴールに入りかけたが、GKヤースケライネンがナイスセーブ。アディショナルタイム、コークのクロスにランバートがヘディングシュート。前半は両チームとも特徴を出し合ったゲームだった。
後半に入っても同じような展開。吉田はキャロルとよく競り合い、また抑える。だが10分、ファズテのクロスに吉田がかぶって、こぼれたボールをキャロルがシュート。わずかにポストの右に外れる。ウェストハムがやや攻勢をかけた時間が続く。そして14分、GKボルツからのゴールキックをDFがはね返すと、ラミレスが拾ってドリブルからシュート。ブロックに入ったCB二人の間からボールがこぼれると、ラミレスがまた拾って抜け出しシュート。サウサンプトンがようやく先制ゴールを挙げた。
だが負けられないウェストハムも反撃。16分、CHオニールのCKにニアでファズテがヘディングシュート。さらにウェストハムが押し込んでいく。そして21分、PA手前右からのFKに、キャロルが壁の下を抜くグラウンダーのシュートを蹴ると、そのままゴール右隅に飛び込んでいった。ウェストハムが同点に追い付く。
その後、サウサンプトンはロドリゲスとパンチョンを投入。パスを回して攻勢をかけると、ウェストハムもロングボールから押し返す。32分、カウンターからキャロルが抜け出しシュートを放つもGKボルツが抑える。サウサンプトンもアディショナルタイムにランバートのポストプレーからロドリゲスがミドルシュート。GKヤースケライネンがナイスセーブ。お互い気持ちのこもった攻防が続くが、得点を決め切るだけの決定力もなく、そのままタイムアップ。1-1のドローで終わった。
プレミアリーグの中位チームらしい、身体と気持ちをぶつけ合う好ゲーム。吉田もこのゲームでは何とかキャロルを抑えきった。残り5ゲーム。トットナム以外は中位・下位のチーム相手だが、残留を賭けて却って厳しい戦いが続くことになる。吉田にとってはいい経験だ。