とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

お試しジャパン、中流実力国ブルガリアに屈す。日本もまだまだ中流国ということ。

 何か勘違いしているようだけど、日本はドイツやスペイン、ブラジルなどの一流国とはまだまだ実力差がある中流国。イタリアやチェコのいるW杯ヨーロッパ予選グループBで2位につけるブルガリアもまさにヨーロッパの中流国。日本と同レベルの実力国だ。そのブルガリアに対して前半はまだ全く連携のできていない3バックを試してうまくいかず、選手を代えた後半も機能した選手もいれば、機能しない選手も。だが、とりあえず雰囲気に慣れさせ、連携を確認した。W杯本番を睨んだゲームだったと言える。
 前半3分、マノレフのFKは大きく左右に揺れて、GK川島の手を弾いてゴールに吸い込まれた。すごい選手がいたものだ。さらに6分にはCFデレフがミドルシュート。積極的にゴールを狙う。日本は3バックがやりにくそう。吉田が中に寄ってしまい、内田が上がると、裏のスペースを使われる。CHが下がってCBの位置を埋めれば吉田も安心して開けるのだろうが、残念ながら日本のCHに阿部がいない。
 前線では前田と乾の連携がイマイチ。乾はいつものように直線的なドリブルからシュートを狙うが、前田がうまく絡めない。香川が中に入ってボールを引き出すが、前田は組み立てに中盤に下がって、前線にいない。21分、左SBミネフがミドルシュート。GK川島がナイスセーブ。ブルガリアは遠目からのシュートが的確に枠内を狙ってくる。24分、香川の落としから遠藤のスルーパスに乾が飛び出すが、オフサイド。この後も再三日本はオフサイドを繰り返す。ブルガリアのDFが組織立ってうまくラインをコントロールする。
 それでも次第に日本のパスが回り出す。27分、吉田が楔のパスを入れると、乾が香川との縦のワンツーで抜け出しシュート。さらにDFがブロックしたこぼれ球を左WB駒野がシュート。GKストヤノフがセーブする。
 30分には香川からCBミラノフがボールを奪いミドルシュート。GK川島がナイスセーブ。どこからでもシュートが正確に枠を捉える。31分、香川が左に流し、駒野のクロスを乾が落として香川がシュート。しかしGKストヤノフがファインセーブを見せる。33分には遠藤のスルーパスに香川が抜け出すが、右SBディミトロフがクリア。やはり守備が的確。確実に締めるところは締めてくる。
 後半に入り、日本は駒野、内田の両WBに代えて、長友と酒井宏樹。CFをハーフナー・マイクに代えて、さらに吉田に代えて清武。4-2-3-1のいつものフォーメーションに戻す。トップ下は香川。7分、清武の縦パスをハーフナーがスルーして香川が受けるが、DFの寄せが速い。10分、清武の縦パスを香川が落とし、清武がミドルシュート。清武の動きがいい。12分には乾の戻しから清武がシュート。DFがブロックする。
 すると13分、CFデレフがミドルシュート。GK川島がファインセーブ。守りながらもブルガリアの攻撃は怖い。逆に14分、ハーフナーの落としから乾のスルーパスに香川が抜け出すが、DFがしっかりマーク。17分、清武のスルーパスに香川がシュートを放つも、DFがブロック。やはり守備がしっかりしている。23分、清武のCKに栗原がヘディングシュート。だが、これも入らない。
 すると25分、中盤遠目からスラティンスキの蹴ったFKを長谷部が触って、ゴールに蹴り込んでしまう。オウンゴール。GK川島へのパスだったか、それとも密集を越えてきたボールが見えなかったか。ブルガリアが2-0と突き放した。
 日本は24分、中村憲剛を入れるが、他の選手の動きが重い。練習疲れなのか、蒸し暑さのせいか。動きに精彩のない日本に対してブルガリアの守備は組織的で、かつ速いプレス。そして巧い。高さもある。31分、清武のクロスにハーフナーがヘディングシュート。だがバーの上。33分、遠藤のFKも枠を外す。アディショナルタイム中村憲剛のCKにハーフナーのヘディングシュートはやはり決まらない。3分、憲剛のミドルシュートもポストの左。
 ハーフナーの高さはCBを惹き付けたが、チャンスにテクニックが足りない。憲剛が出場した時には香川の動きもキレがなくなっていた。酒井宏樹はほとんど攻撃的な動きが見られない。結局このままタイムアップ。いろいろ試したが、結局これぞという連携は見られなかった。
 たぶんオーストラリア戦になれば、もっと緊張感も生まれ、動きにキレが戻るだろうと思う。何より連敗してもイラクが3連勝しない限りW杯出場は可能だから、99%出場は決まっている。だが、このサッカーではW杯本番ではグループリーグ突破もおぼつかない。ヨーロッパにいればグループリーグ2位でプレーオフを戦うことができるかどうかというまさにブルガリアと同レベルだ。日本の実力を認識し、慢心を戒めるいい練習試合になった。ブルガリアにありがとうと言いたい。