とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

メキシコに完敗。日本の実力を思い知る。CHが最大の課題。

 どうしても勝って帰りたい、というのは両チームとも同じ思い。だがW杯予選で苦戦するメキシコの方が思いが強かった? いや、実力差と理解した方がいいだろう。技術。速さ、強さ、精神力。全ての面でメキシコの方が上だった。
 前半序盤はメキシコがペースを握って始まった。だが5分、左SHグアルダードから右SH岡崎がボールを奪い、クロスをCF前田がスルー。左SH香川の落としを前田が左に展開。左SB長友の上がりから中へのパス。CH遠藤がDFに詰め寄られ逡巡するも、何とかスルーパス。香川が走り込んでシュート。しかしGKオチョアがセーブした。9分にも右SB酒井宏樹のクロスをOH本田がポストに入り、岡崎の落としを遠藤がミドルシュート。岡崎が起き上がってコースを変えてゴールに飛び込むが、岡崎の倒れていた位置がオフサイド。日本は惜しいチャンスを逃した。
 しかし香川と本田にしっかりマークがついて、特に本田が自由になれない。メキシコは攻守の転換が速く、日本の攻撃を封じる。17分、岡崎がドリブルで抜け出し、CBモレノと競り合いつつシュート。岡崎がよく動いて起点となるが、他の選手が使いきれない。25分、香川とのパス交換から本田が右にパス。遠藤が逡巡。戻して本田がシュート。GKオチョアがセーブ。メキシコのチェックが速く、パスが縦に入らない。中でも遠藤が疲れ気味。本田もミスが多い。
 メキシコは33分、右SHドスサントスからFWエルナンデスがシュート。CH細貝がブロック。37分にはCB今野のフィードを香川が落とし、長友のクロスに本田がボレーシュートを狙うが、うまく当たらない。40分、左SBトーレスのクロスにグアルダードがゴール正面でフリー。ヘディングシュートはポストに救われた。今野がエルナンデスをマークし、栗原との間がぽっかり空いた。アディショナルタイムにもCHサバラがミドルシュート。メキシコが押し気味に前半を終える。
 後半の入りもメキシコが積極的。3分エルナンデス、5分ドスサントスとシュートを放つ。右SB酒井宏樹、CB栗原、CH細貝が身体を張る。7分、ドスサントスのCKがDFに当たってファーサイドに、FWヒメネスのヘディングシュートはGK川島がナイスセーブ。日本がバタバタと受け身に回る。メキシコの方が運動量も多いし、切り替えも速い。日本は疲れのせいか、連戦を続けてきた選手の動きが重く、ミスも多い。遠藤、本田、香川・・・。
 そして9分、グアルダードが右サイドのスペースを突き、酒井宏樹がいったんははね返したが、2度目のクロスにエルナンデスが飛び込んでヘディングシュート。今野と栗原の間を一瞬のスピードで切り裂いた。さすがのゴール。メキシコが先制した。
 日本は13分、右SB酒井宏樹に代えて内田を投入。グアルダードへの守備を強化。16分には香川のドリブルから前田がミドルシュートを放つが、サイドネット。すると17分、ドスサントスのCKに右SBミエルがニアでフリック。内田と競り合いつつ、エルナンデスがヘディングシュート。さすがの強さで追加点を挙げた。
 20分、前田に代えてCB吉田を投入。3バックにして反撃。だがなかなか形にならない。26分にはグアルダードに代えてサルシドを投入し、守備を強化する。28分、ドスサントスが切り返しからシュート。川島がナイスセーブ。メキシコの右サイド、ドスサントスと右SBミエルがいい。香川と長友が押し込まれ、日本のストロングポイント、左サイドからの攻撃が封じ込められた。
 さらに長友が膝の不調を訴える。32分、無念の交代。中村憲剛がトップ下に入り、左SBに今野が回る。再び4バック。メキシコも32分、ドスサントスに代えてバレラを投入。その後、日本が必死の反撃。本田のCF、中村のトップ下が機能。こんなことなら遠藤に代えて中村を先発させておけばよかった。CHが日本の課題ということを改めて思い知らされる。
 41分、香川を起点に遠藤の落としから岡崎がシュート。ようやく1点を返す。アディショナルタイム。後方からのフィードにエルナンデスと内田が競り合ってPA内に。エルナンデスがうまく足を絡めて倒れる。PK献上。だがエルナンデスのPKはGK川島がスーパーセーブ。はね返りのシュートもバーに当たった。しかしゲームはここまで。1-2。メキシコの強さを実感しての完敗だった。
 日本はコンディションが不十分なまま、個の力の差を見せ付けられて、ブラジルに完敗。イタリアには内容で上回りつつも勝負に負けて、メキシコには日本の長所と思っていた組織力や運動量、アジリティで実力不足を露呈した。課題山積。中でも最大の課題はCH。遠藤、長谷部を越えるCHが欲しい。ザッケローニには思い切った選手の起用が求められる。1年間でやるべきことは多い。今日からすぐに改善に取りかからねば。それでも遅いくらいだ。