とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

細貝がよくチームにマッチしている。内田もバランスの取れたプレー振りでシャルケの勝利を下支え。

 ヘルタ・ベルリンに移籍した細貝のプレーを初めて観た。ほぼアンカーのポジションで全体をよく見渡し、しかし下がり過ぎずマッチアップし、広い視野でボールをさばく。このチームで細貝は非常によくマッチし、機能していた。
 8分、11分と細貝がシャルケの司令塔ボアテングに絡んで攻撃の芽を摘んだ。ボアテングをマークする役かと思ったが、その後はこうした場面は少ない。逆にボアテングが活躍するシーンも少なくなり、細貝が序盤の役割を果たしたことがよくわかる。逆に内田は12分、ヘルタの左SHショルツに裏を取られ、クロスから右SHベンハティラにシュートを打たれる。GKヒルデブラントがナイスセーブ。序盤はヘルタがやや優勢でゲームは進む。17分にも左SHショルツの仕掛けに内田が付いていけず、クロスから右SHベンハティラにシュートを打たれるが、今度はサイドネットに外れた。
 シャルケがようやくチャンスをつかんだのは23分。ピッチ中央で左SHドラクスラーが、マークのCHジエルジの距離がちょっと空いたところを見計らって仕掛けて抜き去りシュートを放つ。細貝が「もっと詰めろ」と指示を出していたのだが・・・。25分にもドラクスラーがミドルシュート。さらにGKクラフトがナイスセーブで弾き出したCKから右SHボアテングのクロスにCFサライがシュート。これもGKクラフトが踏ん張るが、26分、アオゴのCKにCFサライが飛び込み、ヘディングシュート。強烈にネットに突き刺さり、シャルケが先制点を挙げた。
 しかしシャルケの攻勢はこの時間帯のみ。先制点を挙げると、シャルケは全体的に引き気味で守り、ヘルタも序盤ほどの勢いがなくなり、前半はこのまま互角の展開で終えた。
 後半に入り、またヘルタが攻勢を強める。6分、CHジエルジのFKをGKヒルデブラントが弾き出すと、ショルツのCKにCFラモスが強烈なヘディングシュート。だが、GKヒルデブラントがスーパーセーブを見せる。さらにOHシェルブレッドのCKをニアでフリック、CFラモスがヘディングで合わせるが、今度は枠を外した。結局、CKのチャンスを決めたチームと決められなかったチームの差が結果につながってしまった。
 その後もヘルタが攻め込む。10分にはCH細貝がシャルケのCFサライと競って、肘打ちでイエローカードを受けたが、長身のCF相手にも怯まずよく戦った。一方このゲーム、内田はゲームを通してバランスを取ることに専念していたように思える。押されてカウンター狙いの中で、攻撃を自重し、守備に奔走した。14分、CFラモスの仕掛けにいったんはかわされたが、パスを受けた左SHショルツの前に立ちはだかり、シュートは顔面でブロック。19分にはCBヘベデスのナイスプレーの後、OHマイアーのミドルシュートがバーを叩く。
 ヘルタは18分ショルツに代わりロニー。さらに28分OHシェルブレッドに代えてアルラグイを投入。攻撃陣を補強する。20分、左SBファンデンベルフのクロスにFWロニーがシュート。またもGKヒルデブラントがファインセーブを見せる。
 その後、33分マイアーに代えてクレメンス、35分ノイシュテッターに代えてジョーンズ、42分ボアテングに代えてサンタナと守備を固めるシャルケに対して、ヘルタは攻めてはいくもののなかなか攻め切れない。42分には細貝もFWニーマイアーと交代した。アディショナルタイム3分、ロニーのFKはGKヒルデブラントが弾き出す。さらに4分、ロニーがシュート。しかしこれをキャッチしたGKヒルデブラントから大きくゴールキック。CFサライが落として左サイド、ジョーンズが駆け上がると、クロスにドラクスラーがシュート。ダメ押し点を挙げてこれで終了。シャルケがヘルタ相手に2-0と勝利して順位もヘルタ・ベルリンを逆転して6位に上げた。
 敗れはしたが、細貝はよく落ち着いてプレーし、チームの中心として機能していた。落ち着きと言えば内田も同様。速さや俊敏性で勝負できる派手なゴールシーンだけでなく、当たりが厳しい中盤や守備で身体の大きいドイツ選手らに対して臆することなく対等にプレーし、かつクレバーなプレーを見せている。実に頼もしい。いい経験を積んでいる。