とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

マンUは前半、面白いようにパスを回したが、ゴールはエバートンに2得点。後半はさらにエバートンが圧倒して、あえなく惨敗。そしてこれがモイーズ監督のラストゲームとなった。あまりに遅すぎる決断だった。

 モイーズ監督が古巣エバートンのホームで戦う第35節。香川は6試合連続で先発出場した。他に攻撃陣はルーニー、マタ、ナニ。香川を含めた4人が流動的に動き回り、面白いようにパスをつないで攻めていく。一方、エバートンもプレスが積極的。香川が中に絞った右サイドを右SBコールマンが再三上がっていってはチャンスをつかむ。パスを回して攻める遅攻のマンUについて、エバートンは縦に速く真っ直ぐゴールに向っていく。
 22分、CBディスタンのFKが最前線のCFルカクへ。DFと競り合って落としたボールにOHネイスミスがシュートを放つ。そして28分、OHマタから香川、戻してマタからCFルーニーへ。香川がゴール前に走り込むが、ルーニーのパスがわずかにずれる。するとこのボールをカットした左SHバークリーが前線へ長いフィード。CFルカクがCBと競り合ってこぼれたボールをOHネイスミスが右に走り込んだルカクにパス。ルカクの強烈なシュートにCBジョーンズが思わず手を伸ばしてしまう。ハンド。PK。これをベインズがゴールど真ん中に突き刺してエバートンが先制点を挙げた。
 その後もマンUがパスを回して攻めていく。ボール保持率は圧倒的にマンUが上回るが、エバートンが速いプレス、そして人数をかけた守りでゴールを守る。パスは回れど、なかなかシュートが打てないマンU。すると43分、またも右SBコールマンが右サイドを破る。コールマンからのスルーパスに右SHミララスが抜け出しシュート。オフサイドかと思ったが、左SBビュットナーが下がっている。エバートンが前半のうちに追加点を挙げた。
 後半3分、ルーニーのFKのクリアを左SH香川がミドルシュート。だが、GKハワードの正面。逆に6分にはまたも右SBコールマンに右サイドを破られシュートを打たれる。エバートンはコールマンが大活躍だ。そして攻守の切り替えが速く、よくプレスをかける。堪らずマンUは16分、右SHナニとCBエバンスに代えて、右SBエルナンデス、FWにエルナンデスを投入する。
 しかしエバートンの攻勢は変わらない。17分、右SBコールマンのグラウンダーのクロスがGKとCBの間を通る。CFルカクがシュート。エバートンは25分、オズマンを投入し守備を固める。マンUも30分、ついに香川に代えてウェルベックを投入。しかしこれでますますマンUのパスが前線に入らなくなる。
 32分、右SHミララスのドリブルからクロスにOHネイスミスがシュート。35分にはOHルーニーがパスの出しどころを探してボールをキープしたところにエバートンのプレスが襲いかかり、右SBコールマンが奪うとそのままドリブル。左に流し、OHネイスミスがシュート。GKデヘアがファインセーブでかろうじて追加点は防いだ。
 マンUは42分、FWエルナンデスのスルーパスにOHルーニーが抜け出しシュートを放つが、GKハワードがファインセーブ。アディショナルタイムにはルーニーのクロスにCBスモーリングがヘディングシュート。だが枠を外す。結局このままタイムアップ。序盤、圧倒的にパスを回して、これはマンUペースかと思ったが、エバートンの厳しい守備にシュートさえなかなか打てずにいたら、逆にカウンターから2得点。結果的には内容も含めてエバートンの快勝だった。
 そしてこれがモイーズ監督のマンUラストマッチとなった。最近になってようやく香川やルーニー、マタを中心とするパスサッカーに切り替えたが、攻撃の形を作るまでには至らなかった。結局残り4ゲームを残しての監督更迭。しかしあまりに遅すぎた。ラスト4ゲーム、少しはふっきれたサッカーを見せてくれるだろうか。マンUサポーターにとって、そして香川にとっても、あまりに遅すぎる決断だった。