とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ、120分の激闘。気持ちで掴んだ決勝進出。

 中国との準決勝は延長後半ロスタイム5分で劇的な決勝ゴール。まさに気持ちで掴んだ決勝進出だった。
 前半5分、中国のCB李佳悦のミスをついてFW高瀬がシュート。12分にも左SB宇津木のクロスに左SH宮間が競って、こぼれ球をFW川澄がオーバーヘッドキック。序盤から積極的にゴールを狙う。序盤は前のゲームから多くの選手を変えてきた日本の動きがよく、ボールをキープしてゲームを支配する。CB岩清水が積極的なフォアチェックでパスをカットし、FWに入った川澄もよく下がってはポストをこなす。
 中国は23分、FW李影がキープから戻すと、右SH許燕露のクロスにCH任桂辛がシュート。26分にもFW楊麗の落としから右SH許燕露のクロスにFW李影がシュート。GK福元がナイスセーブ。中国は右SH許燕露が左サイドに大きく開き、そこから勢いよくドリブル突破を図り、クロスを入れる。日本の左サイドは左SH宮間と左SB宇津木。だが宮間が攻撃的にスペースを空けると、宇津木一人では止め切れない。39分には日本のCKから右SH許燕露がボールを奪って長駆ドリブル。CB川村と右SB有吉を抜いてシュートを放つ。直後のCKにはCH張睿がフリック。詰める選手がいなくて助かったが、日本のゴール前をボールがよぎる。43分にも右SH許燕露のドリブルを左SB宇津木が倒して与えたFKをCB李冬娜が蹴ると、あわやバーの上。中国のプレスが上回り、日本が後手に回ったまま前半を終えた。
 後半に入り、川澄を左SHに、宮間をOHに置く4-2-3-1にフォーメーションを変更。すると再び日本がボールを回せるようになってくる。そして6分、右SH中島からのサイドチェンジを受けた左SH川澄が仕掛けてCKを獲得する。これを宮間が蹴ると、ニアにCH澤が走り込みヘディングシュート。GKも一歩も動けずゴールに飛び込む。W杯決勝アメリカ戦の同点ゴールを思い出すゴールで日本が先制点を挙げた。
 その後は日本がペースをつかんで攻めていく。12分、宮間がFKから直接ゴールを狙う。16分、CB岩清水のフィードにCF高瀬がシュートを放つ。32分、CH澤のプレスから左SH川澄がボールを奪うと、右に流して右SH中島がミドルシュート。このまま勝利するかと思った後半34分、選手交代で左SHに回った許燕露がボールを持つと、クロスがPA内で中島の手に当たる。ハンド。PK。これをCB李冬娜が落ち着いて決めて、中国が同点に追い付いた。
 日本はその後、39分CH澤に代えてFW吉良、43分、右SH中島に代えて木龍を投入。宮間をCHに下げる。すると木龍の積極的な仕掛けから再び攻撃のリズムをつかむが、ゴールはならず、1-1のまま延長戦に突入した。
 延長戦前半1分、宮間のFKから左SH川澄がシュート。3分、FW吉良もシュート。日本が積極的に勝ち越しゴールを狙う。だが6分、CB川村がライン際で途中交代FW王珊珊に抜かれシュートを打たれる。GK福元がナイスセーブで救ったが、その後は日本の選手たちにミスが増えていく。15分には左SB宇津木のクリアを右SB呉海燕アーリークロス。FW馬暁旭のオーバーヘッドは当たらなかったが、有吉の体に当たってあわやオウンゴール。GK福元が横っ飛び弾き出した。
 延長後半5分、木龍に代えてFW菅澤を投入。高さのある選手を投入してゴールを狙う。5分、FW高瀬がミドルシュート。8分、FW菅澤の落としをCH阪口が縦パス。FW高瀬が落とし、菅澤がミドルシュート。12分、CH宮間がミドルシュート。中国の選手が足を攣り出す。16分には中国のCKから右SH川澄が長駆ドリブル。FW菅澤がシュート。中国の選手は露骨に時間稼ぎ。逆に日本の選手は川澄にしろ、阪口にしろ、この時間帯でも無理が効く。アディショナルタイム18分、CH阪口の縦パスをFW菅澤が胸で受けて、反転からシュート。GK張越がファインセーブ。だがそのまま倒れて起きてこない。CKの前にCB李佳悦が時間稼ぎで2枚目のイエローカードをもらったことを冷静に宮間がアピール。中国はCBが一人少なくなる。そしてラストチャンスのCK。宮間が蹴ると、CB岩清水がヘディングシュート。劇的ゴールがネットを揺すった。延長戦の末の2-1。日本が劇的な勝利で決勝進出を決め、アジア杯初制覇に王手をかけた。
 時間を稼いでPK戦を狙う中国に対して日本は最後までゴールを狙い、そして決勝点を挙げた。あくまで勝利を目指した日本の気持ちが呼び寄せたゴールだった。決勝の相手はオーストラリア。今大会初戦での対戦は2-2のドローだったが、大儀見に助けられたドローだった。大儀見が帰った今、残ったFW陣であの時の雪辱を果たしてほしい。成長した姿を見せてほしい。きっと勝てると信じている。