とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯決勝トーナメント1回戦、ドイツ対アルジェリア戦は、アルジェリアの大健闘で感動の好ゲーム。

 W杯中は基本1日1ゲームを選択して録画しては観てきたが、ダイジェストで振り返ると観ておきたかったというゲームがいくつかある。その中でもこのドイツ対アルジェリア戦は見逃したことを悔やんでいた。NHKの再放送でようやく観ることができた。いや、本当にいいゲームだった。今大会のベストゲームのうちの一つと言っても過言ではない。GKノイアーのフィールド・プレーヤーのようなプレーもこのアルジェリア戦のシーンが何度も使われたが、やはりそれ以上にアルジェリアの奮闘が感動的。優勝したドイツを苦しめたのは、決勝のアルジェリアを除くと、このアルジェリアに違いない。
 序盤はドイツがパスを回して攻めていくが、アルジェリアは前線からのプレスも厳しく、早い攻守の切り替えからしっかりブロックを作って守っていく。9分、ドイツはこのゲーム、右SBに入ったムスタフィが積極的に上がってクロスを入れる。しかしそのクリアをムスタフィが拾うと、アルジェリアの左SHスダニが厳しいプレスから前線にフィード。CFスリマニが走り込んだところに、飛び出したGKノイアーがクリア。ダイジェストで何度も観たシーン。DFのような守備範囲の広さを見せる。
 アルジェリアは11分にも右SHフェグリの縦パスからCFスリマニがCBボアテングを抜いて攻め込むが、CBメルテザッカーがブロック。CFスリマニの速さは脅威だ。ドイツも14分、CHシュバインシュタインのミドルシュートをGKムボリが片手一本でクリア。直後には右SHフェグリがドリブルで左SBヘベテス、左SBボアテングと抜いてシュート。ゴール前にCFスリマニが待っていただけに残念。
 アルジェリアのプレスがよく、ドイツのパスがなかなか前に収まらない。17分には左SBグラムのクロスをCFスリマニがヘディングシュート。ゴールネットを揺らすが、わずかにオフサイド。18分、CHモステファのサイドチェンジから左SHスダニのスルーパスに左SBグラムが走り込んでシュートを放つ。
 その後もアルジェリアが高いプレスからボールを奪い、ゴール前に迫るが、GKノイアーが再三の好プレー。28分、CBメルテザッカーにCFスリマニがプレスをかけて、こぼれ球を右SHフェグリが狙う。GKノイアーがセーブ。ドイツが23分、エジルのクロスにCFミュラーがヘディングシュート。35分、右SBムスタフィのクロスにミュラーがヘディングシュートとサイドからクロスを入れるが、ピンポイントではなかなか合わない。39分、左SBグラムのスローインからCHモステファがミドルシュート。ドイツも41分、CHクロースがミドルシュート。GKムボリが弾いたところに左SHゲッツェが走り込んでシュート放つが、GKムボリが身体を張った。前半はアルジェリア・ペース。ドイツはなかなか攻めることができなかった。
 そこで後半頭にゲッツェに代えて右SHシュルレを投入する。すると4分、CHクロースのクロスにCBメルテザッカーがヘディングシュート。GKムボリがセーブ。10分、CHクロースの縦パスをCHシュバインシュタイガーが落とし、CHラームがミドルシュート。だがGKムボリがファインセーブ。その後、右ムスタフィが足を痛め、25分、CHケディラに交代。ラームを右SBに移す。
 26分、左SBグラムのフィードにCFスリマニが走り込むが、GKノイアーが飛び出して、ヘディングでクリア。GKノイアーの好守備が目立つ。28分、ドイツは右SHシュルレがミドルシュートを放てば、29分にはアルジェリアも右SHフェグリがミドルシュート。さらに30分、CHクロースの縦パスを右SHフェグリがカット。縦パスにCFスリマニが走り込みシュート。だがGKノイアーが正面でキャッチする。アルジェリアの厳しいチェックから縦に速い攻撃は本当に怖い。
 後半33分、90分で勝負をつけようと考えたか、それまで右CHで守備にも貢献してきたテデールに代えてOHブライミを投入する。するとドイツが右SHシュルレのサイドから次第に攻勢をかける。34分、CFミュラーがドリブルでDF二人を抜くと、クロスにCHシュバインシュタイガーがヘディングシュート。35分、右SHシュルレの縦パスをCHケディラが落とし、右SBラームの縦パスにケディラが抜けてクロスにCFミュラーがドンピシャ・ヘディングシュート。しかしGKムボリがスーパーセーブ。37分、CHケディラアーリークロスにCFミュラーが切り返してシュート。
 アルジェリアも44分、CHシュバインシュタイガーにプレスをかけてボールを奪ったCHラセンから長い縦パス。右SHフェグリが走り込むが、またもGKノイアーが飛び出してクリア。やはりGKノイアーはすごい。45分、右SNラームのクロスにCHシュバインシュタイガーがヘディングシュートするも、GKムボリがファインセーブ。お互いGKが好プレー。ゴールを許さない。そしてそのままホイッスル。勝負は延長戦にもつれ込んだ。
 先制点は延長前半、これまでの熱戦を考えると意外にあっさりと入った。2分、CFミュラーが左サイドを突破すると、3人のDFの間を抜けてクロスがゴール前に入る。走り込んだシュルレは行き過ぎたが、後ろ足でヒールに引っかけてシュート。これが決まり、ついにドイツが先制する。アルジェリアは7分、CBハリシュが足の痙攣でブガラに交代。前半から走り続けた選手たちもさすがに疲労感がのしかかる。8分、右SHフェグリがクロスを入れるが、左SHスダニが走れない。10分、スダニをジャブに交代する。それでも11分、ブライミのCKのクリアをCHモステファがミドルシュート。何とか追い付こうと踏ん張る。
 延長も後半に入ると、さらに右SBマンディ、CFスリマニも足を攣り始める。ドイツも4分、CHシュバインシュタイガーに代えてクラマーを投入。シュバインシュタイガーも足を攣った。12分、CFミュラーのスルーパスにCHクラマーが走り込んでシュート。13分、CFミュラーがシュート。DFが必死に守る。直後には右SBマンディのフィードにCFスリマニが走り込むが、CBボアテングが競り合ってクリア。スリマニもキレがなくなった。
 そして15分、右SBラームの縦パスを右SHシュルレが受けてクロス。左SHエジルが戻してシュルレがシュート。DFのクリアを拾ったエジルがシュート。ついにドイツが追加点。これでゲームが決まった。と思ったらアディショナルタイム1分、アルジェリアも右SHフェグリのクロスに左SHジャブが飛び込んでシュート。何と1点を返す。AT2分にはGKムボリからのフィードをCBブゲラがヘディングシュート。GKノイアーがセーブ。さすがに反撃もここまで。タイムアップの笛が鳴って2-1とドイツが勝利した。
 しかしその後も両チームの選手がお互いを称え合う抱擁。アルジェリアの健闘に場内も感動に包まれた。いや、いいゲームだった。このゲームがあってこそ、ドイツの優勝もあった。アルジェリアの気持ちも一緒に決勝で戦ったのではないか。そう思わせる感動のゲームだった。