とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子W杯 準決勝 日本対イングランド

 劇的な結果となった。あそこまで苦しむとは思わなかった。いや、一時は敗戦も覚悟したが、最後は延長戦を予想し、延長戦になれば日本優位だろうと余裕をもって後半終了のホイッスルを待っていたアディショナルタイム。川澄のクロスからオウンゴールで劇的な勝利。なでしこたちの粘りと強い気持ちが引き寄せたゴールだと本当に思う。おめでとうなでしこたち。
 キックオフ直後の1分、イングランドのCFテイラーが思い切ったミドルシュートを狙う。わずかにポストの右。だがイングランドの強い気持ちが伝わってくる。このゲームも容易ではないと思わせる。その後もイングランドが長いボールを日本のDFラインに放り込み、思い切ったミドルシュートを狙ってくる。日本はイングランドの様子を見ながらじっくりと構えて守る展開。しっかりとパスをつないでいく。21分、左SH宮間が中にドリブルをして、戻しのパスを左SB鮫島がミドルシュートイングランドも23分、右SBブロンズのロングスローからこぼれ球を左SHダガンがミドルシュート
 そして33分、CH坂口からのフィードに右SB有吉が駆け上がると、そのままPA内に侵入。後を追った左SBラファティーが後ろから倒し、日本がPKを獲得した。ドイツ対アメリカ船のドイツPK失敗を思い出す。宮間も緊張の表情。だがさすが宮間、落ち着いてGKバーズリーの動きを最後まで見極めて逆方向に決めて見せる。日本先制。
 しかしその後、イングランドが反撃。前掛かりになって攻めてくる相手に日本が受け身に回る。38分、右SHジル・スコットの落としから左SBラファティーがミドルシュート。そして40分、ウィリアムズのCKからPA内で混戦となる中、大儀見の足がわずかにかかったか、CBホートンが倒れる。PK。これをCHウィリアムズが落ち着いて決めてイングランドが同点に追い付いた。
 その後は43分、宮間のFKのこぼれ球をCH宇津木がミドルシュート。前半、先制後の押し込まれた時間帯が惜しかった。前半は1-1で終えた。
 後半に入ってもイングランドは長いボールに積極的なシュートで攻めてくる。イングランドの攻撃を受けて、何とかはね返しパスをつなごうとするが、イングランドのCBが強く厳しい。なかなかFWでボールが収まらない。9分にはCBホートンのFKから右SBブロンズがヘディングシュート。
 15分、イングランドはCFテイラーをホワイトに交代。前線に元気な選手を入れてさらに圧力をかけてくる。17分、左SHダガンのミドルシュートはバーを叩く。19分には左SB鮫島とDFが交錯しこぼれたボールを拾った右MFムーアが素早くつないで、CFホワイトがミドルシュート。GK海堀がファインセーブを見せる。さらにCKで攻め込むイングランド。21分にはウィリアムズのCKから右SHジル・スコットがドンピシャのヘディングシュート。しかしわずかにポストの右。枠を外す。
 日本は25分、FW大野に代えて岩渕を投入。すると岩渕がすぐに積極的な仕掛けを見せる。26分のドリブルからクロスはDFにはね返されたが、28分にはFW岩渕が自ら運んでPA内からミドルシュート。しかしわずかに枠を外す。30分、ここでイングランドは右SBブロンズが足の故障でアレックス・スコットに交代する。ロングスローに悩まされていたので、日本にとってはよい兆候。
 31分、FW岩渕の仕掛けから戻しを左SH宮間がクロス。CH坂口がヘディングシュートを放つが枠を外した。イングランドは40分、CHウィリアムズに右SHカーニーを投入。得点力のあるMFの投入で嫌な感じが。だがその後も何とか守り切る日本。そしてアディショナルに突入。延長戦を予想した。
 ところがアディショナルタイム2分、中盤で行ったり来たりする展開からCB熊谷が右サイドに大きくフィード。右SH川澄がドリブルを開始すると、中央でも大儀見と岩渕が走り込む。川澄が大儀見めがけてクロスを入れると、その手前でCBバセットがクリア。しかしこのボールが自陣のゴールに向かい、バーに当たってゴール内の地面を叩く。ゴール。ついに日本が先制。そしてタイムアップ。最後まで粘った日本がイングランドオウンゴールで劇的な勝利。決勝進出を決めた。
 一瞬、唖然としたが、これもここまでがんばってきた選手たちへのご褒美。何とか90分でゲームを終え、決勝アメリカ戦につなぐことができた。よかった。だがイングランドよりもアメリカの方がやりやすいのではないか。残るは1試合。思い切ってやるしかない。がんばれ、なでしこ。