とんま天狗は雲の上

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高校サッカー 準決勝 静岡学園 対 矢板中央

 高校サッカー、もう一つの準決勝は静岡学園矢板中央。このところ優勝から遠ざかっている静岡勢から久しぶりの準決勝進出。ここまで無失点で圧倒的な勝利を重ねてきた。準決勝でもゴールショーが見られるかと思ったが、矢板中央の守備は堅かった。最後までどうなるかわからない好ゲームとなった。

 静岡学園の布陣は4-3-3。FWは岩本をトップに、松村と小山が左右に開く。中盤はアンカーに藤田が入り、右IH浅倉、左IH井堀。DFは右SB田邉、左SB西谷。CBは阿部と中谷。GKは野知。対する矢板中央は4-4-2の布陣。西村と多田の2トップに、中盤は右から右SH柿崎、CH靍見、CH在間、左SH左合。右SB坂本、左SB加藤。CBはキャプテンの長江と矢野。GKは1年生の藤井が守る。

 序盤から静岡学園が圧倒する。3分、右WG松村がドリブルで仕掛けてミドルシュート矢板中央はきれいな3ラインを形成して守る。パスを回して攻める静岡学園だが、なかなか矢板中央の守備を崩すことができない。22分、右IH浅倉がドリブルでDF3人をかわしてシュート。だがGK藤井がファインセーブ。はね返りを左WG小山がボレーで狙うが、これもGK藤井がナイスセーブした。

 24分には右SB田邉のクロスのクリアを左WG小山がボレーシュート。30分、右IH浅倉の仕掛けから切り返してミドルシュート。だがこれもCB長江がはね返す。矢板中央は中央で人数をかけて、壁となって守る。38分には左SH左合を宮野に交代。松村のサイドの守備をさらに強固にする。42分、ショートCKから左IH井堀のクロスにCB阿部がヘディングシュート。45+1分、左WG小山がミドルシュートを放つも、ポストの右。どうしてもゴールが遠い。前半はスコアレスで折り返した。

 後半も序盤から静岡学園が攻める。1分、右SB田邉がDFをかわして切り込み、クロス。だがGK藤井がキャッチする。4分には右WG松村がドリブルからミドルシュート。ひたすら守るばかりの矢板中央だったが、8分、FW西村に代えて久永を投入。するとその直後、GK藤井からのゴールキックに対するDFの処理がやや甘くなったところで右SH柿崎がボールを奪いヘディング。FW多田が落として、左SH宮野がシュート。しかしGK野知がファインセーブ。矢板中央の唯一のシュートはGK野知のファインセーブで防がれた。

 その後はまた静岡学園ペース。14分、右WG松村がミドルシュート。16分、左WG小山のミドルシュートはDFに当たり、ゴール右上隅に飛ぶが、枠を外れる。22分、静岡学園はCF岩本に代えて長身FW加納を投入する。すると24分、右WG松村のクロスにCF加納がダイレクトシュート。しかし当たりが弱く、GK藤井が正面でキャッチする。27分、右WG松村のカットインからのミドルシュートも枠を外す。

 すると静岡学園は29分、アンカーの藤田を下げて、左SH草柳を投入。布陣も小山をトップ下に置く4-2-3-1に変更した。さらに33分には西谷を下げて右SB岩野を投入。田邉を左SBに回す。35分、CH井堀のクロスのこぼれからCH浅倉がミドルシュート。40分、矢板中央はCH在間に代えて新倉を投入。

 攻め続けるが、どうしてもゴールが挙げられない静岡学園。ついに後半45分も経過し、アディショナルタイムに入ってしまう。残り3分。45+2分、左SB田邉のクロスは右ポストに当たる。そして47分が少し過ぎたあたりで右SH松村が仕掛ける。OH小山からの落としを受けてそのままPA内に侵入。立ちはだかるCH靍見を左にかわして進もうとするが、靍見の足にかかって倒される。PK。これを松村が自ら決めてついにゴールを挙げた。そしてタイムアップ。静岡学園が劇的な勝利を挙げた。

 圧倒的に攻め続けたが、このまま行けばPK戦。そうなれば勝敗はわからない。「何としても90分で決める」。そんな気持ちがこもった迫力のある仕掛けだった。これで決勝戦青森山田静岡学園。期待どおりの組合せになった。攻撃力が目立つ静岡学園だが、守備もここまで無失点で勝ち上がり、CB阿部やCH藤田を中心とした守りはしっかりしている。一方、青森山田も攻守のバランスで勝ち上がってきた。どちらが勝つにせよ、面白く見逃せない試合になりそうだ。明日の決勝が楽しみだ。