エスパルス戦を3-0で勝利し、これでようやく負のスパイラルから抜け出たかと思ったが、その後は3試合連続ドロー。いずれも前半から攻め込むもゴールが遠く、サンガ戦では先制され、前節のアビスパ戦は勝利目前、アディショナルタイムに同点に追いつかれた。順位も降格圏内の18位に後退し、ショックの残るドローだったが、考えてみれば4戦負けなし。今節はホームに4位レッズを迎える。ケガ人が続出する中で松尾をトップに置いてから5連勝。最近3戦も負けなしと好調をキープしている。しかし前節は水曜日にフロンターレと戦ったばかり。グランパスは中6日。コンディションの差を勝負に結び付けられるか。ある意味、正念場とも言えるゲームではないか。
グランパスの布陣はいつもの3-4-3。昨季の10月以来、久しぶりにユンカーがワントップで先発。シャドーに、マテウス・カストロと和泉が控える。中盤は椎橋と稲垣のダブルボランチに、WBは右に中山、左に徳元。CBは右から原、三國、佐藤。GKはピサノ。佐藤は古巣との初対戦だ。一方、レッズの布陣は4-2-3-1・松尾をトップに、トップ下にマテウス・サヴィオ。SHは右に大久保、左に原口。グスタフソンと松本泰志のダブルボランチ。DFは右SB長沼、左SB荻原。ホイブラーテンと井上のCBに、GKは西川。前節からは7人先発を代えてきた。
それでも序盤からレッズが攻め込む。3分、左サイド深い位置で得たFKをOHマテウス・サビオがゴール前に蹴り込むと、飛び込んだCB井上がボールに触ったかどうか。そのままネットを揺する。だが線審がオフサイドの旗を揚げていた。助かった。しかしその後はグランパスが前からプレスをかけて攻め込んでいく。6分、右WB中山のクロスがファーに流れると、左WB徳元からの折り返しをCH稲垣がシュート。CBホイブラーテンがブロックする。
12分には、右WB中山のパスからCFユンカーがミドルシュート。CB井上が触ってCKを得ると、ショートCKを蹴ったマテウスが折り返しをミドルシュート。さらに左サイドからのCKにはCH稲垣がミドルシュート。攻め込むが、ゴールは遠い。21分、右FWマテウスのミドルシュートがポスト右に外れる。24分にはCH椎橋の縦パスを左FW和泉がヘディングで落とし、CH稲垣がミドルシュート。しかしCHグスタフソンがブロックする。27分、右FWマテウスの強烈なミドルシュートはGK西川がパンチングではね返す。そこに右WB中山が詰めてヘディングシュート。だがGK西川がキャッチした。レッズもようやく28分、左サイドからCF松尾がカットインしてシュート。GKピサノが横っ飛びナイスキャッチする。
その後も攻めるグランパス。35分、左WB徳元のクロスを右FWマテウスが落とし、CFユンカーがシュート。しかしポストの左に外す。41分には、右FWマテウスのCKのクリアをCH稲垣がボレーシュート。得意な形だったが、シュートはうまく当たらなかった。前半終了間際の45+1分には、CFユンカーの縦パスに左FW和泉がうまく抜け出し、シュートを決めたが、わずかにオフサイド。このゲームも前半はよく攻め立てたが、結局ゴールは一つも決まらず。イヤな予感のまま、前半を終えた。
後半立ち上がり、中2日のレッズは3人の選手交代。前半、ほとんど名前を聞かなかった大久保と松本、それに原口を下げて、トップ下に渡邊凌磨。金子を右SHに入れて、マテウス・サヴィオは左SHに回す。ボランチには安居。だが後半も序盤はグランパスが攻める。3分、左WB徳元のクロスにファーでFW和泉がボレーシュートを放つが、わずかにポスト左に外す。するとレッズも4分、左SHマテウス・サヴィオがミドルシュート。その後も、サヴィオがトップ下の位置に入り込んでは、攻め込む。
そして6分、右SB長沼から右サイドに展開すると、右SH金子がクロス。左サイドにいたOH渡邊が走り込んで、ヘディングシュート。これが決まる。レッズが先制点を挙げた。ここまで攻め続けても得点が挙げられないグランパスに対して、レッズはほとんど最初のチャンスで先制点。これまでも何度も見てきた展開だ。グランパスよ、またもこのパターンか。それでも10分には、左WB徳元のCKの流れから、CFユンカーのクロスに左FW和泉がシュート。しかし枠は捉えられない。
必死に反撃するグランパスは16分にも、左WB徳元のクロスを左FW和泉がニアでヘディングシュート。バーに当たってはね返ったところにCFユンカーが飛び込むが、GK西川の方が一瞬早い。17分、左WB徳元が左FW和泉とのワンツーで抜け出し、クロスに右WB中山がヘディングシュート。しかし枠を外す。さらに20分、今度は左FW和泉のクロスに、右WB中山がフリー。胸トラップからシュート放つが、これも枠を捉えられない。
22分、レッズはマテウス・サヴィオに代えて左SH関根を投入。グランパスも和泉とユンカーを下げて、永井と山岸の2トップ。マテウスがトップ下に入った。その後も必死に攻めるグランパスだが、パスミスが多く、なかなか決定機を迎えられない。逆に29分にはOH渡邊に運ばれ、シュートを打たれるが、枠は外した。32分、右WB中山のクロスをFW山岸がヘディングシュート。だが焦りからか、うまく当たらず、左に逸れると、FW永井が詰めてシュート。枠に入れるが、これはオフサイド。33分には、椎橋と佐藤を下げて、CH森島と左CB河面を投入した。
35分、CBホイブラーテンのバックパスをFW永井が狙って奪い取ると、戻しのパスを右WB中山がシュート。しかしこれもミス。おーい、中山、いい加減にしてくれ。それでも36分、レッズのゴール前に攻め込むと、こぼれ球を右CB原が右に展開のパス。これを追いかけてきた左SB荻原が原のつま先を踏んで、原が倒れる。故意ではないし、わずかに踏んだだけではあるが、主審はVARの末、PKを認定。これを38分、CH稲垣がゴールど真ん中に蹴り込んで、ようやく同点に追い付いた。
さらに攻め込むグランパスは40分、左WB徳元からの縦パスを左FW永井がうまくスルーして右CB井上をかわし、自ら走り込んで、そのままゴール前へ。しかしGK西川の股下を狙ったシュートはしっかりセーブされた。42分には、FW永井のスルーパスからFW山岸がシュート。続くOHマテウスのCKにCB河面がヘディングシュートするも、またもバーにはね返された。やはり勝ち越すことは無理か。43分、レッズは松尾を長倉に交代する。ゲームはアディショナルタイムに突入。45+2分、OHマテウスのミドルシュートは右サイドネット。
そして45+3分、右CB原のフィードを右SB長沼がヘディングで返すと、これをFW永井が拾って縦パス。FW山岸がDFを背負ってしっかり収めると、落としをFW永井がシュート。これが決まった。なんとアディショナルタイムにグランパスが逆転ゴールを挙げた。45+5分には、マテウスに代えて菊地を投入。そしてタイムアップ。2-1。グランパスが劇的な逆転ゴールで勝利した。
こういう勝ち方を待っていた。いや本当は前半からゴールを重ねて突き放すエスパルス戦のような勝利が理想だが、アディショナルタイムでの逆転勝利はみんなを元気づける。今後に繋がる勝利だ。しかも逆転ゴールを決めたのがベテラン永井というのも嬉しい。これで暫定ながら15位まで順位を上げた。もっとも今日の結果によっては結局18位のままということもあり得るが、それでも中位までの勝ち点差は少ない。次は19位アルビレックス。しかもホーム。しっかり勝利して、順位をさらに上げていきたい。それにしてもよくシュートを外した。特に中山。もう少しシュート練習をしたらどうか。もっと気楽なゲームも見てみたい。