とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

いろいろあった2月でした。

 愛知・名古屋での大村・河村連合の勝利、大相撲の八百長問題、チュニジアに始まる中東の政変、混迷する国会と管内閣、ニュージーランド地震、入試カンニング事件の発覚・・・。
 この1ヶ月いろいろな事件があったが、季節は着実に過ぎて、今日から3月が始まった。今週末の日曜日3月6日は「啓蟄」。虫が地中からモゾモゾと動き出す時だそうだが、まさにそんな雰囲気。いったい世の中はどうなっていくのだろう。日本国債や銀行格付けの低下、小麦や原油価格の上昇など、まだまだ小さな虫たちの気になる動きが続いている。モスラじゃなければいいのだけど。そんな不安を抱く今日この頃。3月6日は私の誕生日でした。
 一昨日から騒ぎになっている入試カンニング事件は確かに好奇心をくすぐる事件なだけに、ネットでも多くの人がどうやってカンニングしたかその手口をいろいろ推理している。昨日の各社のテレビニュースでもあれこれ推理をしてみせていたが、そんなことは犯人が捕まればすぐわかること。時間の無駄。意味がわからない。
 と言いつつ、私の推理を述べれば、最初は「試験監督員や関係者が入試の最中にお試し半分で試験を解いて、わからない回答をYahoo質問箱に投稿したのではないか」と思った。が、早稲田や立教でも同様の事件が発覚したことからこの推理は崩壊。それじゃ、予備校関係者か、それとも単なる愉快犯かと推理は発展するが、先にも書いたとおり、犯人が捕まれば全てわかること。仮に犯人が見つからずどこかの大学に合格してしまっても、その後の人生に困るのは本人。あの程度の問題がわからないようでは、京都大学の授業についていくのも困るだろうし、当然、同時に入学した学生は全員カンニング可能性を疑われるだろうから、定期試験の監督も厳しくなるだろう。こうした生き方はいつか破綻するもの。学歴だけで人生は決まらない。
 そんな気楽で反面愉快な事件よりも私が気になっているのはニュージーランド地震。日本のマスコミは今のところ被災した日本人を追うことに熱心で、それが批判されてもいるが、一部で流される「最新の耐震基準に適合していない古い建物が崩壊した」という報道がどこまで科学的で真実なのか、気になって仕方がない。
 日本人が多く被害にあったカンタベリー・テレビジョン(CTV)ビル以外はほとんど損傷を受けていないようにも報じられるが、詳しい情報がわからない。一方で、「ウォールストリートジャーナル:建築査定に疑問の声も−NZ地震で専門家」のように、1970年代半ば以前に建築された建造物は耐震強化が急務だという報道もなされている。しかし、これらの報告をしているのは建築構造の専門家であり、耐震改修が彼らの業務量の拡大につながる可能性が高いことを割り引いて読む必要がある。
 日本の新耐震基準は1978年(昭和53年)の宮城沖地震を契機に基準の見直しが図られたが、それ以前にもそもそも関東大震災を受けて1924年大正13年)に水平震度0.1以上を規定、1950年(昭和25年)には0.2に引き上げ、さらに1971年(昭和46年)には帯筋・腹筋の基準強化がされるなど、かなり早い時期から日本独自の耐震基準が適用されていたことを忘れてはならない。
 つまり日本とニュージーランドでは建築物に係る耐震基準とその適用の経緯は全く異なるのだ。それがまるでごっちゃになって、新耐震以前の建築物はまるであのビルのように全て崩壊するというイメージになるのが怖い。
 それよりも「ウォールストリートジャーナル」の報道でも話題となっている被災後建築物の震後対策のあり方が問題だ。日本でも「財団法人日本建築防災協会:震後対策」で見るように、既にさまざまな検討がされているが、法的な規制や行政活動には全く反映していないのが現状である。マスコミによる扇動的な報道に躍らされるのではなく、今後、この分野について現実的な対応を図っていくことが望まれる。
 いかん! つい専門的話題になってしまった。いろいろあった2月。起き出した虫たちがどう動いていくのか、十分注視が必要な3月がやってきた。