とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

地面に立ってできるだけ遠くの先を見て歩く。

 先日、ある同僚から「ところで例の方から『雰囲気悪い』みたいな口撃を受けた場合、『いや〜そんなことないっスよ〜〜誰がそんなこと言ってたんスかぁ〜〜?』みたいに軽く受け流すという手法は有効でしょうか」とおふざけ半分のメールが届いた。
 例の方とは、一昨年、私が退職寸前に追い込まれた「ある日突然、躁状態がやってきた」のH氏のこと。
 そこで次のように回答。「それは実話ですか? 『雰囲気』などというあいまいな言葉はあまり使わないような気がしますが。私の場合はずばり『J課はおかしい』と言われました。ただし、何がおかしいか指示語がないのがミソです。まあ、事例の件では、自分では軽いつもりでも、H氏の周辺では重力分布が異なるので、効果ないでしょうね。」
 これに対する彼の返しが、前半の「何がおかしいか指示語がないのがミソです。」に対して、「世間ではそういうのを『言いがかり』と言いますけど。ホント何がおかしかったのでしょうか? 推測で補足すると「J課は(おかしいと思いたいけど何がおかしいか指摘できないところが)おかしい」という感じですか。」
 そして後段の「H氏の周辺では重力分布が異なるので、効果ないでしょうね。」に対しては、「なるほど。卒業されたNさんもそんなところがありました」。
 思わず、「でしょ、でしょ。もっとも、Nさんの方がより宇宙に近い、無重力状態だったと思います。だからどこまでも未知の世界へ飛んでいく。H氏の方がより地球に近く、月や他の惑星の影響を受けて、重力場が乱れているという感じでしょうか。」と即刻返信をしてしまった。
 ま、H氏やNさんを知らない人には何を書いて楽しんでいるか、という話だろうが、ホント、Nさんは思考が理想の世界にあって、下々の一般人とは話が噛み合わないこと甚だしい。Nさんを上司と仰いだ1年間は私にとって第2のストレス環境の時代だった(第1は20代後半のK氏の下にいた時代)。Nさんの理想は理解できても、そこに至る筋道が全く示されず苦労した。1年後に「何とかここまでやりましたよ」と言ったら「まだまだだな」と言われた
 Nさんに較べれば、H氏はまだ地表面に近いものの、地上ではいずり回る我々とは見えている世界が違うようだ。やはり少し高い位置から見れば、我々が見えないものが見える一方、我々が何を気にして、何に苦労しているか理解できないのだろう。だが反面、H氏の意見は局所的には正しいが、将来的な展望がどこまで見えているかわからないことがある。何しろ口数が少ないのでよくわからないが、案外地上からの視野は限られているのかもしれない。
 それで私が心掛けているのは、地上にあっても常に前方に目を凝らして先を見通すようにすること。そのために多くの本を読み、みんなの声を聴き、地表に流れる風を感じて行く先を見定める。もちろん多くの識者のようには見えないことも多く、教えてもらうことの方が多いが、少しでも自分の目で耳で鼻で、先の世界まで、次の時代の空気の匂い、微かな音を聴き取ろうと。できればH氏の視野の先までも。もっともそうして足元がおろそかになって躓くことも多い。いや最近ようやく生傷が少なくなってきたかなあ。