とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ストイコビッチ監督ホーム最終戦は、まさにストイコビッチらしい采配でドロー。だから退任になったんだよね。

 第33節ヴァンフォーレ戦は今シーズンのグランパス、ホーム最終戦。今シーズンで退任が決まっているストイコビッチ監督のホームでの最後の采配ということで、豊田スタジアムは大観衆で埋まった。だが、いかにもストイコビッチらしい采配でドロー。今シーズンで退任という理由が凝縮したようなゲームだった。
 3分、やはり今シーズンでの退団が決まっている右SB田中隼磨が右SH小川とのワンツーで抜け出しクロス。FW永井のシュートは枠を外す。前節で残留を決めたヴァンフォーレは序盤から厳しいプレスでグランパスの攻撃を自由にさせない。逆にヴァンフォーレの方がパスを回して攻めていく。13分、CHマルキーニョス・パラナの縦パスから右SH河本のスルーパスにCFパトリックが抜け出す。GK楢崎がセーブ。
 それでも15分を過ぎてようやくヴァンフォーレのプレスに慣れたグランパスが次第に攻勢になってくる。18分、左SB阿部のフィードをFW永井が落とし、右SH小川のクロスからFWケネディがヘディングシュート。19分、右SH小川の縦パスからFW永井がドリブル。クロスに左SH藤本がヘディングシュート。20分、藤本のCKにFWケネディがヘディングシュート。さらに22分、ゴールキックをFWケネディがフリック。左SH藤本のスルーパスにFW永井が抜け出すが、やや早い。オフサイド。23分には左SH藤本のサイドチェンジから右SH小川がシュート。GK岡が正面でキャッチする。どうしてもゴールが遠いグランパス。36分にはヴァンフォーレのCB青山のフィードを右SH河本が落とし、CH新井がつないで、左SHジウシーニョミドルシュート
 ヴァンフォーレは両WBが下がって5-4-1の守りでがっちりとゴール前を固め、グランパスが攻めあぐねる。44分にはCHマルキーニョス・パラナの縦パスを左SHジウシーニョが右に流し、右WB柏がグラウンダーのシュート。わずかにポストの左に外れる。グランパスアディショナルタイム1分、右SB田中隼磨のクロスをFWケネディが落とし、FW永井がシュートを放つもまたもバーの上。両チーム、スコアレスのまま前半を終えた。
 後半に入ってもお互い堅い守りを破れず、攻めあぐねる。グランパスも一人・二人の連携は見られるものの局地的な突破。全体的な意図や連携が見られない。そして17分、両CHのダニルソンと中村に代えて、CBダニエルとCH田口を投入。藤本をCHに下げ、闘莉王をFWに上げる。攻撃的な布陣。19分、右SB田中隼磨のクロスから右SH小川の縦パス。左SH永井が落とし、FW闘莉王のスルーパスに永井が走り込むが、わずかに届かず、GK岡が抑えた。
 ヴァンフォーレは23分、右SH河本に代えて右WB橋爪を投入。24分、CHマルキーニョス・パラナがドリブルで上がり、ジウシーニョが左に展開。左SHに回った柏が切り返してシュートを放つも、CBダニエルがブロック。ヴァンフォーレもなかなかチャンスが作れない。ほぼ互角の展開。29分には田中隼磨に代えて右SH矢野を投入。小川を右SBに下げる。ピッチを下がる田中隼磨に会場から盛大な「隼磨コール」。
 39分、右WB橋爪のスルーパスからFWパトリックがシュート。ヴァンフォーレの方がチャンスは多い。アディショナルタイム5分のCKはCB青山がヘディングシュート。かろうじてGK楢崎とケネディが反応しクリア。結局このままタイムアップ。ストイコビッチ監督ホーム最終戦はスコアレスドローで終わった。
 途中からフォーメーションを崩して闘莉王をFWに上げるも、ゴールが生まれないままピンチを迎える。今シーズン何度見た光景か。ストイコビッチ監督退任論は昨シーズンのうちからサポーターの間では囁かれていたが、結局、個人能力の高い選手に頼った戦術で、最後まで連携したサッカーは見られなかった。同時に一方で、こんなに愛された選手・監督もいない。ストイコビッチだけでなく、田中隼磨や阿部、増川、ダニエルも来シーズンにはいなくなる。ストイコビッチの退団セレモニーの後、田中隼磨が長くピッチに立ってサポーターから「隼磨コール」を受け、深くお辞儀をしていた。グランパス・サポーターは本当に選手たちを愛している。