とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第7節 セレッソ大阪対ガンバ大阪

 3連勝で6位まで順位を上げてきたセレッソに対して、ガンバは前節サンフレッチェに負けて3勝2敗1分。勝ち点は同じ11だが、得失点差で4位。だが、今野が代表戦で負傷したのに続いて、アデミウソンも練習中の肉離れで欠場。代わりにFW赤崎が先発した。一方のセレッソは清武をベンチに置いて右SH関口が先発。山村をトップ下に置いた4-2-3-1の布陣が功を奏している。スタジアムがピンクとブルーに染まる大阪ダービーだ。

 開始1分、左SH柿谷がミドルシュートを放つと、5分にはCHソウザがミドルシュート。さらに10分にはFKのチャンスに左SB丸橋がミドルシュートを放つ。序盤からセレッソが高いプレスをかけていく。ガンバも13分、左WB藤春のクロスを左SB丸橋がクリアしたこぼれ球を右WB初瀬がミドルシュート。しかしCB山下が身体を張ってブロックした。

 ガンバは25分にも右IH倉田のドリブルからFW長沢の落としにCH井手口がミドルシュート。しかしこれもCH山口がブロックした。ゲームはセレッソ・ペース。ガンバはアデミウソン不在の影響が大きい。前線での仕掛けがなく、攻撃がうまく回らない。40分にはOH山村がポストプレーから右に展開。右SB松田のクロスにCF杉本がヘディングシュートを放つ。セレッソが優勢なもののガンバも最終ラインはしっかりと守り、ダービーらしい緊張感あふれる展開。前半はスコアレスで折り返した。

 後半になってもセレッソの攻めの姿勢は変わらない。5分、CHソウザのCHにCF杉本がニアに飛び込むが、当たりが薄く、シュートはファーに外れた。7分には左SH柿谷がゴール前へドリブル。CH井手口に倒されるが、ファールは取ってもらえない。9分、右SH関口のクロスにCHソウザがヘディングシュートを放つ。

 攻めの形が作れないガンバは10分、右WB初瀬を堂安に交代する。すると12分、右サイドからのスローインをFW長沢がフリック。FW赤崎が落とすと、右IH倉田が左に展開。左WB藤春が走り込んでシュート。セレッソ守備陣の集中力が一瞬途切れた。ガンバは先制点を挙げた。17分、CBファビオから丹羽への交代は足の故障によるもの。同点に追い付きたいセレッソも23分、右SH関口に代えて清原を投入した。

 すると27分、左SB丸橋からの縦パスを受けたCF杉本が反転すると、詰めてきたCB三浦をうまくかわして、タイミングのずらしたミドルシュート。これが見事に決まり、セレッソが同点に追い付いた。その後も勢いに乗って攻めるセレッソ。28分、CH山口から左に展開。左SB丸橋が右WB堂安をかわしてドリブルで駆け上がると、クロスにCF杉本がヘディングシュート。しかしGK東口がファインセーブ。弾き返す。

 ガンバも31分、右IH倉田の縦パスをFW赤崎が落とし、倉田のクロスに左WB藤春がヘディングシュート。GKキムジンヒョンがセーブ。32分、左IH遠藤の縦パスをFW長沢が落とし、左CB金正也、左WB藤春、金正也とつないで、FW赤崎の縦パスから右IH倉田がシュート。しかしCB山下がブロックする。ようやくガンバらしいつなぎが見えてきた。セレッソは35分、右SB松田に代えて田中裕介を投入。ガンバも40分、左IH遠藤を泉澤に交代する。

 お互い次第にヒートアップしてくる。41分、CHソウザの左サイドからのクロスにCF杉本がヘディングシュート。これがコースに決まり、セレッソが勝ち越し点を挙げた。そのままアディショナルタイムに突入。時間稼ぎを狙うセレッソ。しかし48分、CH井手口のCKにニアで長沢がフリック。ファーに流れたボールを右CB三浦がヘディングで折り返すと、左WB藤春がボレーシュート。しかし当たり損ね。左CB金正也とCB山下が競ってこぼれたボールを右IH倉田がうまくボレーシュートを決めて、土壇場でガンバが同点に追い付いた。そしてタイムアップ。2-2。大阪ダービーはドローで終わった。

 挑戦魂でぶつかっていったセレッソ。がっちりと受け止めたガンバ。ガンバが一瞬の隙を突いて先制点を挙げれば、セレッソが若武者、杉本の2発で逆転する。そしてアディショナルタイムにまたガンバらしい勝負強さで同点に追い付く。セレッソには山口蛍や清武といった代表選手に、杉本、柿谷といった若いテクニシャンがいて、若さをぶつければ、ガンバには遠藤や倉田、藤春といった成熟した選手たちが老獪に勝負にこだわる。単に「大阪」同士というにとどまらないダービーにふさわしい相反するチームカラーがある。3年ぶりにこの戦いが観られるのは本当にうれしい。ああ、面白かった。