とんま天狗は雲の上

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ハリルホジッチ監督解任って、協会は脳梗塞でも起こしたのか!?

 日曜日深夜の「やべっちFC」で、「渋谷界隈の若者はW杯のことを知らない。代表監督が誰かもわからない」なんてやっていたけど、一夜明けて、録画を見た私も「代表監督は誰か」わからない状態になっていた。ハリルホジッチ監督解任って、どういうこと??

 確かにW杯出場を決めた後の国際親善試合やE-1選手権での結果は振るわなかったが、相手はブラジルやベルギーといった強豪だし、先日のマリやウクライナもけっして簡単に勝てる相手ではなかった。岡崎や香川らを先日の代表戦に召集しなかったのはケガが原因だし、井手口を呼ばないのは大丈夫かな、という気もするが、代わりになる選手、三竿などを確認したかったのだと理解していた。

 一部の選手から不満も出ていたというが、それならきちんと監督と会話をすればいいし、「縦に速く」しかないという戦術面の不満も、選手がそれを覆せばいい。そもそもそんな不満はこれまでのチーム、たとえばトルシエ監督やジーコ監督の時などにも聞こえてきた話。結局、日本人監督でないとうまくコミュニケーションが取れないということか。そして、その不満が協会幹部に伝わって、協会側が過剰に反応する。それが今回の結果につながったのだろう。

 しかし大丈夫かな。あまりに時間がなさ過ぎる。しかも後任は西野さんだという。西野さんと言えば、ガンバを強豪チームに育てたが、マンネリ化して退任。その後、グランパスの監督を務めたが、結果を出すことはできなかった。技術委員長として代表チームの動向は観ていたはずだが、ウクライナ戦後には「ハリルホジッチ監督はもちろん継続」と答えており、たぶんその時点ではそう考えていたはず。

 勝手に邪推すると、田嶋会長が勝手に走って解任を決め、ハリルホジッチ監督の下でコーチを務めていた手倉森さんに監督就任を打診したが、手倉森さんにしても突然の話でびっくりということで断られ、その後で西野さんに監督就任を懇願したという流れではなかったか。このあたりの顛末は今後、少しずつわかってくると思うけど、それにしても唐突。

 西野さんにしても、ここまでハリルホジッチがチームを作ってきた後で監督を任せられてもできることは限られている。唯一救いなのは、W杯グループリーグの対戦相手が、コロンビア、セネガルポーランドと、普通に戦えば3連敗してもおかしくない相手だということ。たとえ結果が出なくとも、相手が強かったと言える。そして万一グループリーグを突破できれば、やはり日本人監督でなければ、ということになる。

 南アフリカ大会での岡田監督は確かによくやったが、あの時はもっと時間があった。今回はわずか2ヶ月、しかも代表候補を集めたゲームはほぼできない。こうした中で結果を期待される西野監督もかわいそうだが、今回の決断は、きっと裏目に出る。いや、そもそもグループリーグ突破の可能性が低い中で、ますます可能性を低くする決断のような気がする。オシム監督ならこう言うのではないか。「日本サッカー協会脳梗塞でも起こしたのか。ならば血栓は早急に取り除かねばならない」。ついてはW杯終了後、田嶋会長の解任をこそ求めよう。どんな結果になるにせよ、ハリルホジッチのW杯をこそ観たかった。