とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯 グループH セネガル対コロンビア

 グループリーグも第3戦となると、既に決勝トーナメントを決めたチームはメンバーを変えて、また敗退が決まったチームもあって、ゲームの面白さは対戦チーム名だけではわからない。グループHはポーランドが敗退を決めたが、セネガル、日本、コロンビアは第3戦の結果次第でどう転ぶかわからない。日本が終了間際、時間稼ぎをして決勝トーナメント進出を決めたポーランド戦を先に観たが、裏で行われたセネガル対コロンビアの様子も観てみたかった。

 セネガルはバルデを左SHに入れて、ニアンとマネを2トップ。右SBにはガサマ。引き分けで決勝トーナメント進出となるセネガルは守備を固めてきた。対するコロンビアは4-3-3。日本戦でレッドカード退場となったカルロス・サンチェスをアンカーに右IHキンテロ、左IHウリベ。FWはファルカオ、クアルダード、ハメス・ロドリゲス。強力3トップだ。

 序盤はコロンビアが攻める。12分、CFファルカオが倒されて得たFKを右IHキンテロが狙うが、GKカディム・ヌディアイェがナイスセーブ。16分には左SHバルデがドリブルで仕掛け、中へ送ったパスをFWマネが受けて走る。これをコロンビアのCBダビンソン・サンチェスがPA内で倒して、主審はPKを宣告。だが、VARからの連絡があったのか、ビデオを確認して、PK取り消し。スローで見ると、CBダビンソン・サンチェスの伸ばした足が、ボールとマネの足を同時に刈っているように見えるが、マネもボールがやや詰まって、うまくコントロールしきれていない。微妙な判定だが、理解はできる。

 しかし前半、動きがいいのはセネガル。特に守りがいい。初戦ポーランド戦でもセネガルの中央の守備の堅さに驚いたんだっけ。そのことを思い出した。21分、左SHバルデのFKはGKカディム・ヌディアイェがキャッチ。25分、右IHキンテロのFKにCFファルカオがヘディングシュートを放つが、オフサイドの判定。セネガルも27分、CHゲイェのスルーパスにFWマネが走り込み、クロスのこぼれを左SHバルデがミドルシュート。しかしGKオスピナがキャッチした。28分にはFWニアンのサイドチェンジから、右SHサールがカットインしてミドルシュート。しかしこれもGKオスピナが抑えた。

 なかなかペースが上がらないコロンビア。その元凶は左WGハメス・ロドリゲス。運動量も少なく、ほとんどボールに絡むことができない。見かねて31分、ペケルマン監督はハメス・ロドリゲスを下げて、ムリエルを投入した。38分、セネガルのCBサネのミドルシュートは枠を外す。前半はスコアレスのまま終了した。

 後半に入ると、コロンビアはムリエルを左SHに出して、キンテロがトップ下。4-2-3-1の布陣にして攻めてくる。一方、セネガルは守りが強い。そしてカウンター。互角の戦いが続く。このままでは決勝トーナメント敗退となってしまうコロンビアだったが、後半14分、ポーランドが先制点を挙げたことが場内に伝わると、コロンビア・サポーターから大きな歓声が響き、その後も場内を包む。サポーターの歓声は、このままでも決勝トーナメント進出できるということを喜ぶものだったが、それが選手に伝わると、彼らにとって大きな支援となった。

 20分、左SHムニエルのミドルシュートがブロックされ、これで得たCKをキンテロが蹴ると、CFファルカオがヘディングシュート。そして25分位にゲームとは関係ない位置で、セネガルの左SBサバリが足を抑えて倒れてしまう。ピッチ外へ出され、しばらくセネガルが一人少ない状況から、ようやく29分、ワゲが代わって出場する。しかし直後のCK、OHキンテロのCKにCBミナが叩き付けるヘディングシュート。これが決まり、ついにコロンビアが先制点を挙げた。セネガルは選手交代の直後で、マークの確認が不十分だったかもしれない。

 これで一転、決勝トーナメント敗退の可能性が出てきたセネガルが必死に攻める。32分、FWマネのスルーパスにFWニアンが抜け出しシュート。だがGKオスピナがナイスセーブ。続く左SHバルデのCKにFWマネがヘディングシュート。これがCBミナに当たってあわやオウンゴール。だがGKオスピナが抑えた。ファインセーブ。34分、CBクリバリーがドリブルで持ち上がり、FWマネのクロスに右SHサールがシュート。だが枠を捉えられない。36分、右SHサールの突破からクロスにFWマネが走り込むが、右SBアリアスがブロックした。その後、38分にはCHレルマ、44分にはFWファルカオに代えてボルハを投入。守備を固めるコロンビアに対して、セネガルは35分コナテ、41分サコを投入して反撃を期す。だが結局、最後までコロンビアの守備を崩せず。1-0。コロンビアが勝利。決勝トーナメント進出を決めた。

 お互いほぼ互角のいいゲームだった。セネガルも十分、決勝トーナメントに値する強さだった。いや、日本人の立場を離れ、一サッカーファンとしてみれば、決勝トーナメントには日本ではなくセネガルに進出してほしかった。そしてベルギー相手にどんな勝負を見せるか、観てみたかった。セネガルの方が日本よりもはるかに強い。そしてコロンビアには次はイングランドが待っている。ハメス・ロドリゲスが不調なのが心配。サポーターの熱い声援が大きな支えになるだろう。