とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会女子準決勝 韓国対日本

 女子U-20で日本が初優勝した。残念ながらTV放送はなかったが、GKスタンボー華やCB南らの守備陣が高く評価されたという。アジア大会に出場しているフル代表には、熊谷も阪口も宇津木も永里も川澄もいないが、鮫島と有吉がよく若手を引っ張っている。準決勝の相手は韓国。日本は本来CBの國武を左SBに起用。ボランチには有吉と並んで中里が入り、FWは菅澤と岩淵が先発した。対する韓国はINACでの現・元所属選手である3人、チョソヒョンをアンカーに、イミナとチソヨンをIHで並べ、イグンミンとチョンガウルが左右のSHに開く4-1-4-1の布陣。ワントップにはイヒョニョンが入った。

 前半序盤、お互いまだゲームが落ち着かない中で、5分、CH有吉のスルーパスにFW菅澤がきれいに抜け出して、右足でGKユンヨングルの左を抜いてゴールに流し込む。日本が早い時間帯に先制点を挙げた。6分にもCH有吉のパスカットからFW岩淵がドリブル。最後はスルーパスにFW菅澤が抜け出してシュートを放ったが、これが枠を外す。絶好の追加点のチャンスを逃すと、その後は韓国が攻勢をかけてきた。

 13分、ゴール前のこぼれ球を右SBキムヘリがミドルシュート。わずかにバーの上。20分、右IHチソヨンの縦パスを左IHイミナが落とし、チソヨンがミドルシュート。これは右SB清水がスーパークリア。ライン上からヘディングでクリアする。17分、CFイヒョニョンが痛めて、右SHムンミラが交代出場。CFにはイグンミンが挙がる。22分、右SBキムヘリがミドルシュート。日本はFWにボールが収まらず、押し込まれた状態が続く。33分、左SB国武のパスをCFイグンミンがカットしてドリブル。右に流してIHイミナがシュート。GK山下がセーブする。44分にも右IHチソヨンの縦パスを左IHイミナが落とし、左SBチャンスルギの縦パスからチソヨンがシュート。CB三宅がブロック。前半は日本がリードのまま折り返した。

 後半になっても韓国の攻勢が続く。日本は8分、左SH長谷川のパスからFW岩淵がドリブル。FW菅澤がポストに入って右に流すと、右SH中島のマイナスの戻しに左SH長谷川がミドルシュート。しかしふかしてしまった。逆に9分、韓国は左SBチャンスルギのフィードをCHチョソヒョンがヘディングで落とし、CFイグンミンとのパス交換の後、落としを右IHイミナがミドルシュート。しかしこれも枠を外す。

 押し込まれた展開が続く日本は10分、左SB國武に代えて阪口萌乃。CH中里に代えて隅田を投入。攻撃的な選手を投入し、打開を図る。13分、FW岩淵のクロスからFW菅澤がDFをかわしてシュート。しかしGKユンヨングルにセーブされる。15分、右IHイミナの落としから、右SHムンミラがミドルシュートを放つが、これもGK山下が落ち着いてキャッチ。このゲーム、GK山下に安定感があった。韓国は16分、左SHチョンガウルに代えてソンハヨンを右SHに投入。ムンミラが左サイドに移る。さらに21分、CBシンダミョンに代えてイウンミを左SBに投入。チャンスルギをアンカーに移し、チョソヒョンをCBに下げる。そして23分、CFイグンミンがポストになって左に展開。左SHムンミラのクロスに右IHイミナがヘディングシュート。左SB阪口が中央をカバーする中、左SH長谷川の戻りが遅かった。フリーでヘディングシュートを打たれ、ついに韓国が同点に追い付いた。

 その後は日本も攻め込み始めるが、韓国のプレスの前になかなかペースがつかめない。26分、左SHムンミラがミドルシュート。27分にはCB三宅からの縦パスをCHチャンスルギにカットされ、スルーパスに右SHソンハヨンがシュート。28分には左IHチソヨンのパスからCFイグンミンがシュートを放つ。必死に攻める日本は32分、右SH中島に代えてトップ下に椛木を投入。岩淵を右SHに回し、DFやCHから前線への攻撃のつなぎを強化する。

 すると41分、CB三宅のフィードをCF菅澤が落とし、右SH岩淵がシュート。DFのブロックを拾った左SH長谷川が右に流すと、右SB清水のクロスにCF菅澤が折り返しのヘディング。走り込んだ椛木の前でクリアしようとしたCBイムスンジュが痛恨のオウンゴール。日本が待望の追加点を挙げた。その後は韓国も必死に反撃。43分、IHチソヨンのFKを右SHソンハヨンがヘディング落とすが、GK山下がパンチングでクリア。45分、IHイミナのドリブルからのシュートはCH隅田がブロックした。そしてタイムアップ。2-1。攻勢にさらされたゲームだったが、粘り強く守り抜き、日本が決勝進出を決めた。

 決勝の相手は台湾を1-0で破った中国。FIFAランキングは17位と低いが、グループリーグでは北朝鮮に2-0で勝利して勝ち上がってきた。侮れない相手。日本も先のアメリカ遠征を経験して、特に守備面での連携はだいぶ取れてきた。あとは攻撃陣。中国相手に大爆発して、圧勝の決勝戦、そして2大会ぶりの優勝を見せてほしい。