お互い連勝してグループリーグ突破を決めた2チームだが、2位通過だと準々決勝はオーストラリアとの対戦が待っている。得失点差では日本が上回っているため、負けなければグループ首位通過が決まる。日本の布陣は4-2-3-1。植木をトップに、トップ下は長谷川。右SH成宮、左SHに宮澤。ボランチは猶本と長野。DFは右SB清水、左SB三宅、CBに熊谷と南を並べ、GKは山下。ベトナム戦観戦記の末尾に挙げた選手のうち、田中美南以外は全員先発で起用した。
対する韓国は5-4-1と守備的な布陣を採る。ワントップにチェユリ。右SHイグンミン、左SHソンファヨン。ボランチはチョソヒョンとチソヨン。右WBにキムヒェリ、左WBはチョウヒョジュ、3バックは右からイヨンジュ、イムソンジュ、シムソヨン。GKはキムジョンミ。
開始32秒、左SB三宅からのフィードにCF植木がCBイムソンジュの前に走り込み、ボールを奪ってそのまま前進。GKの左を抜くシュートをネットに突き刺した。日本が幸先よく先制点を挙げた。韓国も4分、CHチソヨンのCKにCBイヨンジュがヘディングシュート。だがポストの右に外れる。その後も日本がボールをキープして攻め続ける。14分にはCH長野の縦パスを受けたOH長谷川がうまくターンをしてシュートするもGKキムジュンミがセーブ。26分、CH猶本のCKをCB熊谷がヘディングで落とし、OH長谷川がシュート。だがGKキムジョンミがナイスセーブ。31分にはCH長野の縦パスにOH長谷川が走り込み、クロス。GKキムジョンミが弾いたボールにCF植木が詰めてシュートするが、DFがブロックする。
攻撃がうまく機能しない韓国は40分過ぎ辺りからソンファヨンをトップに上げて、チェユリを左SHに下げた。45分、CH猶本のドリブルからCFウエイが右に流して、右SH成宮がシュート。GKキムジョンミのナイスセーブにOH長谷川が詰めてシュートするも、DFがブロックした。韓国も45+3分、右WBキムヒェリのクロスにCHチョソヒョンがヘディングシュートするも、枠には飛ばず。前半はこのまま日本1点のリードで折り返した。
しかし後半に入ると一転、韓国が積極的に攻め始める。日本はCF植木にボールが入らず、ボールを前に運べない。それでも11分、GK山下のフィードを左SH宮澤が落とし、OH長谷川がミドルシュート。15分にはCH猶本のCKをCF植木がフリックし、DFのクリアをCB南がシュート。しかし枠は捉えられなかった。すると17分、日本はCF植木を田中美南に交代。植木は先制点こそ良かったが、その後はサイドに流れることも多く、ボールに触る回数が少なかった。
韓国は20分、CHチソヨンのFKをCBイムソンジュがヘディングシュート。日本はCF田中が下がってポストになるが、トップ下の長谷川が流動的に動く一方、SHやCHの寄せが遅く、次の攻撃につながっていかない。すると27分、韓国は左SHチェユリを下げて、イミナを投入。28分、GKキムジョンミからのフィードをDFがはね返すが、CHチョソヒョンがヘディングで前に送ると、CFソンファヨンが前方でフリック。右SHイグンミンが抜け出してGKと一対一。シュートはGK山下がファインセーブで弾き出す。結果的にイグンミンのポジションがオフサイドだったが、危ない場面だった。
その後も韓国のプレスがいよいよ強くなり、日本はパス出しに苦慮する。32分にはCHチソヨンがシュート。日本も35分、右SH成宮のパスからCH長野がミドルシュートを放つが、ポストの左。直後にはCH猶本を下げて、隅田を投入。37分、左SH宮澤のミドルシュートも枠を捉えられない。韓国はその直後、ワントップのソンファヨンを下げて、ソジヨンを投入する。そして40分、右WBキムヒェリのCKに飛び出したGK山下が触れず、ゴール前の混戦を代わったばかりのCFソジヨンが押し込んだ。韓国が同点に追い付いた。しかしその後は何とか日本が守り切り、1-1。引き分けて、グループリーグ首位通過を決めた。
前半のうちに追加点が欲しかったが、結局。開始1分のゴールの後は93分間ゴールなし。CF田中が孤立する場面も多く、決勝トーナメント以降に課題を残したゲームだった。準々決勝の相手はグループBを3位通過のタイ。その後はたぶん中国が勝ち上がってくるはず。さらに決勝の相手はオーストラリアか。次のタイ戦で余力を残し、準決勝以降がいよいよ本番。解説の大野や岩清水らの話も面白いが、そろそろサッカー自体で楽しませてほしい。