とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会準決勝 日本対UAE

 韓国相手に厳しいゲームを勝ち上がってアジア大会決勝に進んだなでしこジャパン。対してU-21で参加した男子は、グループリーグでネパール、パキスタンに辛勝、ベトナムには敗戦してグループ2位での決勝トーナメント進出。ベスト16でもマレーシアに辛勝。準々決勝のサウジアラビア戦は観ていないが、2-1で勝ち上がり準決勝に進出した。相手のUAEはグループリーグで2敗してグループ3位通過。決勝トーナメントもインドネシア北朝鮮といずれもPK戦の末、勝ち上がってきた相手。さすがにそろそろ快勝するゲームを観てみたい。と思ったが、またもかなえられなかった。毎回のようにイライラするゲームを夜遅くまで観戦して睡眠不足。腰痛もそのせいではないかと八つ当たりする。

 先発は前田をワントップに岩崎と旗手のシャドー。3人とも精力的によく動くことは評価できる。板倉が累積の出場停止で、CB中央は立田。杉岡が左CBに下がる。そして左WBには遠藤。右WB初瀬。長沼を温存した。ボランチは神谷と渡辺。これまで先発出場を続けた松本をベンチに置いたのも決勝を見据えての采配か。対するUAEは4-4-2の布陣。ちなみに名前の日本読みはNHKの放送では文字で紹介されないので、聞き取った結果と英語表示を書き起こしたもの。聞き取り苦手ですが。

 前半6分、左WB遠藤のクロスをCF前田が落として左FW岩崎がシュート。岩崎の動きがいい。11分には左SBアルアリからボールを奪い取った右FW旗手がドリブルからミドルシュートを放つ。わずかにポスト右に外すが、FW3人はよく動いてチャンスをつかんでいく。14分のCH神谷のCKのこぼれをCH渡辺がミドルシュート。21分にも渡辺が積極的にシュートを放つ。小柄ながら献身的な動き。UAEも23分、左SBアルアリのフィードのクリアをCHサリムが拾って、クロスがDFに当たって、そこにUAEの選手が走り込む。間一髪、GK小島が落ち着いてセーブした。

 UAEは守備を固めてカウンターの構え。それを日本は何とか攻め崩そうとするが、なかなか決定機を作れない。24分、CF前田の縦パスに左FW岩崎が走り込んで、クロスに右FW旗手がヘディングシュート。しかしポスト右に外す。30分、右WB初瀬のFKを左CB杉岡がフリック。しかしファーに走り込んだCB立田の頭に合わない。37分、左WB遠藤が仕掛けてクロスにCF前田がダイビングヘッド。しかしGKアルシャムシがセーブする。43分にも右FW旗手の縦パスに走り込んだ左WB遠藤のクロスを左FW岩崎がシュート。GKアルシャムシがナイスセーブ。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 それにしても前半、解説の早野氏が再三指摘していたのが、右WB初瀬の動きのなさ。常に足下へのパスを要求して、再度高い位置への放り込みには走り込みもしない。ボールが渡ってもほとんど勝負することなく、後ろや横へ安全にはたく。結果、日本の攻撃は左サイドに偏り、UAEの対応も簡単になっていたかもしれない。後半も日本が攻めて、UAEが守る展開が続く。

 2分、左FW岩崎のパスを受けた左WB遠藤がカットインから中に切り込んでミドルシュート。わずかにポスト左に外れる。UAEは4分、CHアルアタスがカウンターで運び、左SHムサバーハが仕掛けてシュート。GK小島が落ち着いてセーブする。14分には左WB遠藤の縦パスを右FW旗手が落とし、CH渡辺のキープから横パスを旗手がシュート。しかし枠を捉えられない。すると次第にUAEルーズボールを拾うようになり、押し込んでくる。なかなか押し返せない日本。17分にはCHアルアタスがミドルシュートを放つ。

 すると19分、日本は右FW旗手に代えてCF上田を投入。前田を右FWに下げる。20分、CF上田のスルーパスに右FW前田が抜け出してシュート。しかしこれもわずかに左へ外す。24分には右WB初瀬のCKからCB原がヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。勝機が見えてきたと感じたか、UAEは26分、右SHアルメスマリに代えてIHアルダルムクを投入。アルアタスをアンカーに下げて、サリムと逆三角形をつくる4-3-3-に布陣を変更。FWもアルヤフヤリをワントップにして、アルアーメルが左WGに下がり、これまで左サイドにいたムサバーハを右WGに回す。すると右IHアルダルムクのパスからチャンスを作ってくる。右IHアルダルムクの縦パスに走り込んだ右WGムサバーハのクロスにCFアルヤフヤリがシュート。

 日本は37分、CH神谷に代えて松本を投入。すると38分、左FW岩崎の縦パスに左WB遠藤が走り込んで、クロスはいったんDFにクリアされるが、IHアルダルムクに渡ったところでCH遠藤が身体を入れて奪い返し、スルーパスにCF上田が抜け出してシュート。高くバーに当たってヒヤッとしたが、下に落ちてラインの内側に落ちた。ゴール。ようやく日本が先制点を挙げた。42分にも左FW岩崎のクロスに左WB遠藤がヘディングシュートを放つが、これはGKアルシャムシがセーブ。その後はUAEの反撃をしっかりと守り切って、1-0。辛勝ながらかろうじて、決勝進出を決めた。

 またも辛勝。決勝の相手はファンウィジョやソンフンミンもいるU-23の韓国。これまでのゲーム内容をみてもとても勝てる相手ではないように思うが、それでも決勝戦を戦えることは彼らにとって大きな財産になるはず。このゲームでも岩崎や渡辺、旗手、前田など、多くの選手が気持ちのこもったプレーを見せてくれた。ただし初瀬は除く。あのプレーは他の選手のやりがいを削ぐ。実質日本は10人で戦っていたような感じだ。それともチーム内でなにかトラブルでも抱えているのだろうか。今大会、三好も三苫も体調不良でほとんど出場していない。初瀬も同様の課題を持っていたのかもしれない。一方で、FW上田など、先発から外されても再び立ち上がって、途中出場からゲームを決めるゴールを重ねる選手もいる。そんな一生懸命な選手が成長するということだろうか。次もそんなプレーを多く見てみたい。