とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第32節 町田ゼルビア対水戸ホーリーホック

 週末のサッカー観戦J2リーグ2試合目は山雅を抑えて首位を走る町田ゼルビアのゲームを観戦した。相馬監督はどんなサッカーを展開しているのか。「Jリーグタイム」で平畠啓史が平戸選手を推奨しており、そのプレーぶりも見てみたかった。ゼルビアのゲームを観るのは初めて。ゼルビアは中島裕希鈴木孝司の2トップで平戸は右SH。土岐田がボランチに入り、昨季までグランパスにいた酒井がCBの一角を務めていた。対するホーリーホックも4-4-2。GK松井以外は初めて見る選手ばかりだが、前線のFWジェフェルソン・バイアーノが得点源らしい。

 密集してパスをつなぐゼルビアに対して、ホーリーホックは前線にロングボールを蹴り込んでバイアーノに競らせる作戦。お互い手の内がわかった同士、攻撃も自由にならない。ゼルビアはようやく17分、左SB奥山の落としからCH土岐田がミドルシュート。しかしDFに当たりGK松井が抑えた。23分にもホーリーホックの右SB田向の縦パスをカットした左SB奥山がドリブル。縦パスをFW鈴木が落とし、こぼれ球を左SH土居がミドルシュート。これもGK松井がキャッチした。その後もお互いの良さを消し合うようなゲームが続く。ホーリーホックは44分、右SB田向のクロスがゴール間に入るが、FWバイアーノに届かず。アディショナルタイム47分にも左SH木村のCKにCB伊藤槙人がヘディングシュートを放つが、GK高原がキャッチした。前半は見所の少ないゲームで終始した。

 後半に入るとホーリーホックが左SBジエゴを積極的に前に出し、攻めていく。9分、CH小島のクロスのこぼれをFW伊藤涼太郎がミドルシュート。12分にはCH前の縦パスに走り込んだ左SBジエゴがFW伊藤涼太郎とのワンツーでゴール前に入っていく。だがシュートは当たり損ね。GK高原が処理した。

 序盤のホーリーホックの攻勢をしのぐと、15分以降は次第にゼルビアが押し戻していく。18分、右SH平戸のCKにCB深津がヘディングシュート。24分、CH土岐田の縦パスをFW中島が落として、右SH平戸がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。ホーリーホックは28分、FW伊藤涼太郎に代えてバティスタ、右SH茂木に代えて船谷を投入する。すると30分、CH小島のドリブルから右SH船谷が落として小島がシュート。しかしDFがブロックする。ゼルビアも35分、CH森村に代えて右SH吉濱を投入。平戸をCHに下げる。36分、CH平戸のCKに左SH土居がヘディングシュート。しかしGK松井がナイスセーブ。

 ここからゼルビアの攻勢が続く。連続してCKを得るが、毎回違った布陣で多彩なバリエーションを見せてくる。また、はね返りのルーズボールもゼルビアが回収。何度も攻め上がるが、ゴールが遠い。アディショナルタイム46分にはCH平戸のCKから右SH吉濱のミドルシュートがDFに当たってゴール前にこぼれる。CB酒井が詰めるが、シュートは枠を外した。その後はカウンターの応酬。最後はホーリーホックの右SB田向のクロスをFWバティスタがヘディングシュートしたが、枠に入らず。そしてタイムアップ。結局ゲームはスコアレスで終わった。

 ゼルビアの圧倒するゲームを観たかったが、ホーリーホックも強力外国人FWとそれを生かすロングボール主体の攻めでゼルビアのパスサッカーを分断。後半はややその片鱗も見えたが、首位を走るだけの内容には見えなかった。優勝してもJ1昇格のための基準を満たしていないゼルビア。町田市はスタジアムの改修に着手したが、完成までには時間がかかる。このゲームを観た限りでは、たとえJ1に昇格しても残留には相当に苦労するような気がする。それでも多彩なセットプレーや極端なまでの密集サッカーなど、興味深い部分もある。今度は気持ちよく快勝するゲームでゼルビアのサッカーを観てみたい。