とんま天狗は雲の上

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J1参入プレーオフ ジュビロ磐田対東京ヴェルディ

 J1最終節の劇的な幕切れにより、J1参入プレーオフへの出場を余儀なくされたジュビログランパスにとってはジュビロの終了間際の失点でJ1残留という奇跡を手に入れたわけだが、あの戦い方でジュビロプレーオフに追いやったというのは申し訳ない気持ちで一杯だ。ジュビロにはすんなりとヴェルディに勝ってJ1とJ2の差を見せ付けてほしい。ジュビロは川又と中村俊輔をベンチに置いて、小川航基のワントップ。左SHにはアダイウトンが9ヶ月ぶりに先発した。ボランチは田口と上原。前節ゴールを挙げた大久保がトップ下に入る4-2-3-1の布陣。対するヴェルディは3-4-3。プレーオフ準決勝の横浜FC戦でアディショナルタイムに劇的なゴールを挙げたドウグラスヴィエイラのワントップに、シャドーで林陵平佐藤優平。中盤は梶川と若い井上潮音。両WBには奈良輪と香川が入った。

 心ならずもプレーオフに回ることになったジュビロだが、ここで負ける訳にはいかないと序盤から高い位置でのプレスをかけてヴェルディにサッカーをさせない。押し込んで猛然と攻めていった。10分、CH田口のミドルシュートが初シュート。15分には左SHアダイウトンが右WB奈良輪と競り合ってボールを奪い、戻しのパスをOH大久保がミドルシュート。わずかにポストの左に外した。

 その後も圧倒的に攻めるジュビロ。21分、OH大久保のループパスに右SH山田大記が抜け出してGKと一対一。だがGK上福元が飛び出し、シュートは体に当てた。押し込まれて防戦一方のヴェルディは、何とか最前線のドウグラスヴィエイラに当てて攻撃の形を作ろうとするが、CB大南の対応もよく、なかなかヴィエイラにボールが収まらない。31分にはCH梶川に右SH山田がプレスをかけてボールを奪い、CF小川航基が右に流して、OH大久保がミドルシュートを放つ。戻ったCH梶川が頭に当てて、GK上福元がキャッチした。

 寄せが速く球際も厳しいジュビロだが、ヴェルディも必死で守る。だが41分、CB大南からのパスを右SB小川大貴がダイレクトで縦に送ると、OH大久保が落として、右SH山田大記がスルーパス。長いレンジのパスがダイレクトでポンポンとつながり、最後はCF小川航基が抜け出す。PAに入り、飛び出したGK上福元の手先で小川がボールに触る。そしてGK上福元の体に当たって倒れた。家本主審はPKを宣告。これを小川航基が自ら決めて、ついにジュビロが先制点を挙げた。44分にはCH田口の仕掛けをCH梶川が止めてFKを献上。田口が直接狙ったが、わずかにポスト右に外れた。その後もジュビロが攻め続け、1-0で前半を折り返した。

 後半に入ると、ヴェルディは頭からCH梶川に代えて渡辺皓太、さらにキックオフ直後の1分にはCFヴィエイラに代えてレアンドロを投入する。するとレアンドロが積極的に動いてシュートを放つ。5分、CH井上の縦パスからCFレアンドロミドルシュート。19分には右WB奈良輪に代えてリヨンジを投入。すると直後の20分、左FW佐藤優平のFKを右FW林がヘディングで折り返し、CFレアンドロミドルシュート。だがGKカミンスキーがナイスパンチングではね返した。

 その後、ヴェルディは香川を左SBに下げて4-4-2に布陣を変更。中盤は井上をアンカーに渡辺が高い位置を取る。動き回るレアンドロに対して林陵平がポスト役を務める2トップ。25分にはセットプレーの流れから左SB香川のクロスにFW林陵平が走り込む。が、その手前にGKカミンスキーが飛び込んでクリア。ナイスプレーだった。その後はまたジュビロがゲームを握る。27分にはCH渡辺から右SH山田がボールを奪い取り、ミドルシュート。31分、右SH山田のクロスをCF小川航基が胸でトラップして、反転からシュートを狙う。さらに32分、CF小川航基のスルーパスに抜け出したOH大久保がミドルシュート。GK上福元がわずかに触り、バーにはね返された。GK上福元はナイスプレー。

 ジュビロは35分、疲れが見えた左SHアダイウトンに代えて荒木を投入する。その直後、CF小川がPA手前でシュートを打つが、CH渡辺がファール。このFKをCH田口が壁の間を通して直接ゴールにねじ込んだ。ジュビロが追加点を挙げた。43分にはCH田口を起点に、CH上原の縦パスをCF小川航基が落とし、右SH山田が左に流して、左SH荒木がシュート。これはポスト左に外した。勝利を確信したジュビロは43分、OH大久保に代えて松本。アディショナルタイムには右SH山田大記に代えて中村俊輔を投入。そしてタイムアップ。2-0。ジュビロがJ1との違いを見せ付けて勝利。見事J2残留を勝ち取った。

 ああよかった。気持ちが入っていたこともあるだろうが、とにかく寄せが速く、こぼれ球への反応、攻守の切り替えなど全てにおいてジュビロが勝っていた。内容通りの快勝だった。このサッカーをさらに詰めることで、来季はさらなる結果を掴んでいきたい。これでJリーグはJ1からJ3まで全ての日程を終了。既にグランパスや降格したレイソルを中心にいくつかの移籍話も出ている。ヴィッセルにはビジャも加入するようだ。来シーズンまでしばらくはそんな移籍話を追いかけて想像しつつ、楽しみたい。その前に今日はまた天皇杯決勝がある。こちらも観なくては。