とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第23節 松本山雅 対 名古屋グランパス

 前節、ようやく11試合ぶりに勝利を挙げたグランパス。今節は17位山雅相手に確実に連勝しておきたいところ。一方、山雅は5月26日のグランパス戦に勝利して以来、9試合勝利から見放されている。相性のいいグランパスをホームに迎えて、久しぶりの勝利がほしい。そんな気持ちが伝わってくるような頑張りだった。山雅の布陣はいつもの3-4-3。阪野を中央に右WG永井龍、左WGセルジーニョ。右WG田中隼磨と左WG高橋諒が左右に開き、中盤は藤田息吹パウリーニョが固める。CBは右から橋内、飯田、そしてこの夏にサンフレッチェから移籍加入した水本。GKは守田。守備は堅い。対するグランパスは前節と同じ先発、同じ布陣。18歳藤井陽也が前節に引き続きCBで先発した。

 序盤は互角の展開。グランパスが攻めようとするが、山雅のプレスが早く、なかなか形が作れない。5分には左SB吉田がクリアしたボールをCHパウリーニョに拾われ、ダイレクトで縦パス。CF阪野が受けてシュートを放つ。GKランゲラックがナイスセーブ。CF阪野は8分にもミドルシュート。山雅がプレスから積極的に攻めていく。グランパスのチャンスは10分、中盤に下がったFWシャビエルのクロスをFWジョーがDFと競り合って、こぼれ球を右SH前田がミドルシュート。しかし山雅のGK守田がナイスセーブする。

 その後はグランパスがパスを回して攻めるが、山雅の守備を崩せない。逆に17分、CHシミッチのトラップミスをCHパウリーニョに奪われ、縦パスに走り込んだCF阪野のクロスを右WB田中隼磨がシュート。DFに当たったこぼれ球を右WG永井龍がシュート。ネットを揺する。山雅の先制点かと思ったが、田中隼磨のシュート時に永井がオフサイド・ポジション。ゴールは取り消された。

 それでも前半は山雅が攻め込む場面が続く。35分、CHエドゥアルド・ネットからCHシミッチへのパスを左WGセルジーニョにカットされ、CF阪野が左に流すと、左WB高橋のクロスのこぼれをCF阪野がシュート。わずかにポスト左に外れた。36分にはCHパウリーニョミドルシュートグランパスは45+2分に右SH前田が仕掛けてミドルシュートを放つが、これが前半2本目のシュート。連敗時のサッカーを再び見ているような気がした。

 後半に入るとグランパスもようやく積極性を出してくる。3分、左SB吉田がミドルシュート。5分には右SH前田のクロスがゴール前を横切る。FWジョー、左SH和泉と詰めるが、届かない。逆に9分、CHパウリーニョにCHシミッチが詰めていくが、ヒールでフリック。右WG永井がドリブルで駆け上がり、右に流して、右WG田中隼磨のクロスにCH藤田がミドルシュート。CHシミッチにミスが多く、ここから決定機に繋がっていく。グランパスは10分、CHエドゥアルド・ネットが強烈なミドルシュート。13分にはCHエドゥアルド・ネットの縦パスをFWジョーがトラップからヒールでシュートを狙う。しかしGK守田がキャッチ。お互いシュートは放つが、決定的なチャンスにはなっていかない。

 グランパスでは若いCB藤井がボールを触ることが多く、落ち着いてプレーをしていた。一方、シミッチのプレーは不安定。前に打ち込む縦パスをカットされたり、出し手を探しているうちに詰められてロストしたり。シミッチだけの問題ではないだろうが、中盤でのパス交換に不安を感じる。それでも後半35分までやってきた。スコアレスドローでもいいかと思った矢先、GK守田のフィードをDFがはね返すと、左WGセルジーニョが拾って縦パス。これに右WG永井がオフサイドラインぎりぎりで抜け出し、GKの横を抜くシュート。ついに山雅が先制点を挙げた。DFラインの責任もあるが、中盤に下がったセルジーニョを捕まえきれなかったMFの責任もある。いつも同じ形からの失点を繰り返している。

 直後、山雅はCF阪野に代えて右WG杉本太郎を投入。永井をCFに上げる。一方、グランパスも37分、右SH前田に代えてFW赤崎を投入。シャビエルを右SHに下げる。40分、CH藤田の縦パスを受けた右WG杉本が反転からミドルシュート。積極的にゴールを狙う。グランパスは43分、CB藤井に代えて長谷川、45+1分にはCHシミッチを下げて太田宏介を投入する。ポジションはどうなっていたか、よくわからない。それでもこのまま負けるんだろうなあという目で見ていたが、45+2分、DFラインに下がったエドゥアルド・ネットがDFラインの裏に大きくフィード。これにFW赤崎が走り込み、飛び出すGKの手前でヘディングシュート。同点ゴールを決めた。そしてタイムアップ。1-1。ゲームは引き分けに終わった。

 グランパスにとっては救いの、山雅にとっては痛恨の、劇的ゴールの結果のドロー。山雅は永井龍田中隼磨とかつてグランパスに在籍した選手が活躍したが、最後は「皮肉にもパワープレーでやられた」とは反町監督の弁。逆に言えば、そんな形でしかゴールが上げられないグランパス。依然、ジョーとシャビエルにゴールはなく、シミッチとエドゥアルド・ネットにも精彩はない。太田宏介も活かしきれず、18歳の藤井に頼るばかり。一方で、今節はアントラーズの相馬、サガンの金井と移籍していった選手が移籍先できちんと結果を出している。彼らのゴールがほしい。前節ようやく勝利を挙げたとはいうものの、全く安閑としていられない。いったいいつまでこんな状態が続くんだろう。