とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第34節 横浜F.マリノス対FC東京

 いよいよJリーグも最終節。首位マリノスが2位FC東京と戦う首位決戦。ただし、得失点差で7点の差を付けられたFC東京が優勝するには4点差で勝利するしかない。しかし6連勝で首位に躍り出たマリノスの勢いを止めるのは容易ではない。逆に0-4で負けるのではないか。そんな予想もしつつ、今季Jリーグ最後のゲームを観戦した。マリノスは扇原が累積出場停止で代わりに和田がボランチに入った他は、前節と同じ先発。GKはパクイルギュが先発した。一方、FC東京も室屋が出場停止。加えてディエゴ・オリベイラも前節のケガの影響で欠場。そこで布陣は4-2-3-1。永井のワントップに高萩をトップ下に上げ、ボランチは橋本とアルトゥール・シルバで組む。SHは右に東、左にはナサンホ。室屋がいない右SBにはオジェソクが入り、左SBは小川諒也。CBは森重と渡辺剛が並び、GKは元日本代表の林彰洋が守る。

 序盤からFC東京が積極的に攻めていく。しかしマリノスの守りも堅い。なかなかチャンスが作れない。すると15分過ぎあたりからマリノスが攻勢をかける。18分、OHマルコス・ジュニオールのショートCKをCFエリキがオーバーヘッドで落とすと、左SHマテウスが持ち込む。GK林が飛び出して、シュートは打てず、パスはゴール前を横切っていった。しかしその後は再びFC東京が攻める。23分、右SH東の縦パスにCF永井が走り込んでシュート。続くナサンホのCKをCH橋本がヘディングシュートするが、枠を外す。すると続くゴールキックから右SH仲川がドリブル。ミドルシュートを放っていく。

 そして26分、GK林からのフィードを右SB松原がカットすると、CFエリキが中へドリブル。CH和田から左につなぎ、左SBティーラトンがミドルシュートを放つと、右SH東の足に当たったシュートはGK林の上を越えてゴールに吸い込まれていった。マリノスが先制。このゲーム、サッカーの女神はマリノスを贔屓にしているようだ。FC東京も38分、CF永井のパスをOH東がスルーパス。CF永井が走り込んでシュートを放つが、枠は捉えられない。そして44分、CH和田の縦パスからOHマルコス・ジュニオールがドリブル。縦パスをCFエリキが受けると、左SB小川とCB森重をかわしてシュート。前半のうちに追加点を挙げた。2-0。マリノスの2点リードで折り返した。

 後半最初、FC東京は東とナサンホに代えて、左SHユインスとFW田川を投入。高萩を右SHに回して、4-4-2の布陣にする。4分にはCB森重のフィードのクリアを右SB松原がバックパス。しかしこれをFW田川がダイレクトでシュート。GKパクイルギュがブロックした。その後も攻めるFC東京。だがマリノスの守りもしっかりしている。逆に10分にはマリノスがカウンター。CHアルトゥール・シルバのところで左SHマテウスが奪うと、OHマルコス・ジュニオール、CFエリキとつなぎ、最後は左SBティーラトンが切り返しからミドルシュート。枠を捉えられなかったが、とにかく速い。

 14分、FC東京は早くも3人目の交代。CHアルトゥール・シルバに代えて右SH三田を投入。高萩をボランチに下げる。直後にはCF永井がドリブルで仕掛けるが、最後はCBチアゴ・マルチンスがクリア。マリノスも16分、左SHマテウスを下げて遠藤渓太を投入する。その直後、FW田川の縦パスをCBチアゴ・マルチンスがヘディング。これをFW永井が奪ってそのままドリブル。GKパクイルギュが飛び出して、かわそうとした永井の足を蹴ってしまう。一発退場のレッドカードが差し出された。マリノスはマルコス・ジュニオールを下げて、GK中林に交代する。PA手前のFKのチャンスはCB森重が直接狙うが、壁の上を越えていった。ゴールが遠い。

 その後もFC東京が攻め続けるが、10人となってもマリノスは前からのプレスと堅い守備は変わらない。そして32分、CH橋本からの縦パスを右サイドで受けたCH高萩の位置はオフサイド。FKを左SBティーラトンがすぐに縦に蹴り込むと、左SH遠藤がCB渡辺剛をかわしてドリブルで前に運ぶ。最後は追い付いた渡辺を切り返して外し、ミドルシュート。ダメ押しの3点目を挙げた。マリノスは35分にもスローインからCFエリキがシュートを放つ。GK林がファインセーブ。41分には右SH三田のCKにFW田川がシュートを放つが、GK中林がナイスシュート。6分という長いアディショナルタイムだったが、その後はマリノスにチャンスを作らせることなく、そのまま勝ち切った。3-0。マリノスが勝利。今季Jリーグの優勝を飾った。

 FC東京はディエゴ・オリベイラの不在が痛かった。前線でタメが作れず、永井の飛び出しだけではマリノスの守備は破ることができなかった。そして攻めるFC東京に対して一人少ないマリノスの前線が最後までプレスをさぼらない。堅い守備。変幻自在の攻撃。攻守にわたる速さと運動量。マリノスはシーズン途中での三好の移籍、エジガル・ジュニオのケガなどがあって、今季も夏以降、順位を下げていくかと思ったが、エリキとマテウスの加入がよかった。これによって仲川とマルコス・ジュニオールの役割も整理され、速い攻撃サッカーに拍車がかかった。グランパス・ファンとしては「これが攻撃サッカーと言うんだよ」と風間前監督に言いたい気分。まさに優勝にふさわしい実に面白いサッカーを見せてくれた。おめでとう、マリノス