とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第4節 横浜F.マリノスvs.FC東京

 前節のフロンターレ戦は不甲斐ない内容と結果に終わったFC東京。対するマリノスもここまで1勝1分1敗と今一つ乗り切れない状況だが、昨季の1位と2位の対戦でもある。好ゲームを期待した。マリノスの布陣は4-2-3-1。オナイウ阿道をトップに、マルコス・ジュニオールがトップ下。右SHに水沼、左SHに遠藤。仲川やエリキやエジカル・ジュニオはベンチに座る。ボランチは扇原と天野。右SBにレイソルからベルギーリーグを経て、中断明けにマリノスに加入した小池龍太が入る。左SBはティーラトン。CBは畠中とチアゴ・マルチンス。GKはケガのパクイルギュに代わって、梶川がゴールを守る。

 対するFC東京は前節から4人を入れ替えた。布陣は4-4-2。FWは永井が戻って、ディエゴ・オリベイラと2トップを組む。右SHに東が入り、左SHは田川。ボランチには次節レッズ戦後にロシアへ移籍する橋本が先発し、アルトゥール・シルバと組む。DFは右SBに室屋、中村帆高が左SBに回り、中央はCB森重、CB渡辺、GK林と不動の守備陣だ。

 序盤、マリノスがアグレッシブにプレー。速く、かつ運動量も多い。すると4分、ショートCKの流れからCH天野がスルーパス。右SH水沼が抜け出して、クロスをCFオナイウ阿道がフリック。走り込んだ左SH遠藤渓太が押し込んだ。幸先よく、マリノスが先制点を挙げた。序盤は押し込まれたFC東京だったが、じんわりと押し返すと、10分にはFWディエゴ・オリベイラミドルシュート。そして17分、右SH東の縦パスをFWディエゴ・オリベイラが右へ展開。右SB室屋のクロスに走り込んだ左SH田川を後ろから追いかけたCBチアゴ・マルチンスが倒してしまった。チアゴ自身も気を付けていたようだが、速すぎて追い付いてしまった感じ。このPKをディエゴ・オリベイラが決めて、FC東京が同点に追い付く。だが、このプレーで田川が左肩を負傷し、左SHレアンドロに交代した。

 20分、マリノスは右SH水沼のクロスに左SH遠藤がヘディングシュート。両SBがSHの内側から高い位置を取るマリノス独特の形で攻め続ける。一方、FC東京もFW永井やFWディエゴ・オリベイラを走らせる縦に速い攻撃は昨季と変わらない。29分、CBチアゴ・マルチンスにFW永井がプレスをかけて、こぼれ球を左SHレアンドロがドリブル。最後はFWディエゴ・オリベイラにパスをしてGKと一対一。だがシュートはGK梶川がナイスセーブした。

 35分過ぎ位からはマリノスFC東京をゴール前に押し込んで、攻めていく。40分、左SBティーラトンの中へのパスがファーサイドにいたCFオナイウ阿道に渡り、落としをCH天野がミドルシュート。だが枠を捉えられない。このまま前半を終えるかと思ったが、43分、右SB室屋のフィードにFWディエゴ・オリベイラが走り込むと、GK梶川がPAの外まで飛び出して、ディエゴを倒してしまう。一発レッドかと思ったが、カードはイエロー。しかしPA左角からのFKをレアンドロが直接決めて、FC東京が追加点を挙げる。FC東京の1点リードで前半を折り返した。

 ハーフタイムの選手交代はなし。キックオフ直後、GK林まで戻されたボールを大きく前線へフィードすると、FW永井がDFを振り切って走り込み、クロスを左SHレアンドロがハーフボレー。見事な速攻で後半わずか32秒、FC東京が3点目を挙げた。永井のクロスが絶妙だった。その後はマリノスも反撃をするが、肝心なところでパスがズレる。7分、CFオナイウ阿道の落としから右SH水沼がクロス。左SH遠藤がシュートを放つが、ポスト左に外す。

 すると14分、FC東京はFW永井に代えてアダイウトン。CHアルトゥール・シルバに代えて安部柊斗を投入する。一方、マリノスも18分、マルコス・ジュニオールに代えてFWエジガル・ジュニオ、右SH水沼に代えてエリキ、左SH遠藤に代えて仲川を投入。しかしこのメンバーになって却って攻撃が停滞する。31分、CH天野に代えて喜田。さらに、エリキと仲川のサイドを入れ替えるが、あまり効果はない。一方、FC東京は33分、FWディエゴ・オリベイラを下げて、CBにジョアン・オマリ。右SH東に代えて高萩を投入。3バックにして守備を固める。レアンドロアダイウトンがトップに入る3-5-2の形。右IHの橋本と左IH安部がよく効いている。

 34分、左SBティーラトンからのクロスのこぼれを右SH仲川がシュートするも枠の外。44分、右SB小池の縦パスから右SH仲川がシュートするもDFがブロック。はね返りをCH喜田がミドルシュート。だがブロックしたのは右IH橋本だ。結局、最後まで集中力の切れない守備を続けたFC東京が守り切って3-1。昨季のチャンピオン、マリノスに勝利した。

 これでFC東京は勝ち点9となり、4位に上がった。前節のフロンターレ戦で不甲斐なさばかりが目立ったFC東京だったが、橋本と永井、さらに室屋が先発して一転。序盤こそマリノスのパスサッカーに先制点を献上したが、その後は集中した守りから縦に速い昨季までのゲームを披露した。しかし橋本も次節のレッズ戦まで。アルトゥール・シルバが橋本の代役だろうが、守備面で橋本の貢献は大きい。今後の成績は橋本の穴を埋めるボランチの出来にかかっているかもしれない。

 一方、マリノスも後半15分位までは昨季のようなプレーを見せていた。特に正確なクロスやパスを入れることができる水沼や天野の存在は大きい。だが、仲川らを投入した以降はどうしたことか。FC東京の守備が機能して、封じ込められたということかもしれないが、もっと早く喜田を投入してもよかったかもしれない。これで順位は13位まで落ちてしまったが、次は4連敗中のアントラーズが相手。ここで勝利して、浮上のきっかけとしていきたい。マリノスの新たなブレイクスルーを期待したい。