とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジカップ 日本対エルサルバドル

 トリニダード・トバゴ戦を3-4-3の新布陣で戦った森保監督。このゲームも当然布陣は3-4-3。ただしGKとDFを除いて先発メンバーは大きく入れ替えてきた。前の試合に続いて先発したのは右FW堂安のみ。ワントップに永井を起用し、左FWには南野が先発から起用された。ボランチ小林祐希と橋本。そして左WBに原口、右WBには伊東純也が入った。原口はともかくとして、伊東純也とはなんて攻撃的な! 対するエルサルバドルは4-1-4-1の布陣。オレジャトをアンカーにワントップでボニージャが張る形。だがゲームは日本が一方的に攻めていった。

 4分、右FW堂安がシュートを放つと、6分にはCBドミンゲスのパスを右WB伊東がカットしてそのままドリブル。クロスは左FW南野に合わなかったが、ファーサイドから左WB原口がミドルシュートを放つ。右WB伊東は10分にも右サイドを突破。攻勢をかけていく。16分、左WB原口の縦パスに抜け出したCF永井がクロス。右WB伊東純也が切り返すが、やや大きすぎてDFにクリアされた。そして19分、右CB冨安の長いスルーパスにCF永井が快足を飛ばして走り込む。付いていった二人のDFを切り返してかわすと、中まで持ち込んでミドルシュート。日本が先制点を挙げた。CB冨安は21分にも左FW南野に向けて正確なフィードボール。南野はDFをかわそうとして足がかかり倒れたが、PKを取ってくれなかった。

 さらに35分、CH橋本の縦パスを左FW南野が落とし、CF永井がシュート。GKエルナンデスのファインセーブで弾かれたが、いい形。37分にはCH小林のクロスに左FW南野がヘディングシュート。少し合わず、弱くなったヘディングはGKにセーブされた。そして41分、今度は左CB畠中がスルーパス。左WB原口が走り込むと、エンドライン際から折り返したパスにCF永井がシュート。前半のうちに追加点を挙げた。44分には左WB原口のドリブルから左FW南野がシュート。枠を外したが、前半の日本はCBからのフィード、CFの抜け出し、両WBの積極的な走り込み、さらにはCH橋本の集中した守りと小林のパス。右FW堂安がやや消えていたことと左FW南野の決定力以外はほぼ満点の出来だった。

 後半も4分、右WB伊東純也のFKにCB昌子がヘディングシュートを放つと、日本が攻勢をかける。5分には右CB冨安のサイドチェンジのクリアをCH小林がヘディングでつなぎ、右FW堂安が落として、左FW南野がミドルシュート。わずかにポスト左に外れた。しかし10分過ぎ、CF永井が左サイドに走り込むと、DFと肩をぶつけて、そのままピッチの外で蹲る。脱臼か。そこで14分、CF永井に代えて大迫。さらに左CB畠中に代えて山中、右WB伊東に代えて室屋を投入する。布陣も4-2-3-1に変更。南野をトップ下に据え、原口が左SHに上がる。

 21分、エルサルバドルもようやくチャンス。左IHフロレスのスルーパスに左SBヒメネスが抜け出してシュートを放つが、枠をアH図須。後半になってようやくエルサルバドルもパスがつながるようになってきた。個々のテクニックは高い。パスをつなぎ始めれば、エルサルバドルが攻め込む場面も増えてきた。しかしその直後の22分、日本は左SH原口に代えて中島。そしてOH南野に代えて18歳、代表デビューの久保を投入する。場内の歓声がいっそう高まる。

 その声援を受けつつも、久保のプレーは常に冷静で的確。28分にはCF大迫が中盤で収めると、先を指差しつつ上がっていく。CF大迫のスルーパスに走り込むと、切り返しでDF二人をかわしてシュート。GKエルナンデスがナイスセーブしたが、代表デビュー早々に初シュートを放つのはさすが。29分にはOH久保から右に展開。右SB室屋のクロスにCF大迫が走り込み、GKと競り合いながらヘディングシュートを放つが、最後はGKエルナンデスにキャッチされた。

 さらに31分、OH久保が起点になって左SH中島がドリブル。DFブロックのこぼれをCH小林が右に展開。CF大迫が胸トラップからミドルシュート。だがGKエルナンデスの飛び出しが早い。足に当たって股下を抜けたシュートはライン上でDFにクリアされた。さらに34分にはCH小林の速いリスタートに抜け出したのはOH久保。クロスにCF大迫が走り込むが、GKがセーブした。

 日本は35分、CH小林に代えて柴崎を投入。その後、少し盛り返したエルサルバドルに攻め込まれる場面もあったが、久保のゴールを期待する声も高まる。すると45+1分、それまであまりボールを触ることのなかった左SH中島が前を向くと、OH久保、CF大迫とワンタッチでつないで中島が中央突破。たまらずPA手前で倒されると、中島がFKを直接狙う。だが大きく左に逸れた。結局、久保投入で盛り上がった後半だが、追加点はなし。2-0で日本が勝利した。

 3バックをかなり長い時間試すことができたこと。久保がプレーしたこと。強化試合2試合の成果はこの2点。それにしても久保はやはりただものではない。これまで代表の顔だった堂安や中島、南野も久保の前では色褪せて見えた。だが久保がマークされればまた、中島や堂安らの輝きも増すことだろう。また大迫だけでなく、永井が活躍したこともよかった。3バック、4バック、それぞれにより適性のある選手がいて、相手によって使い分けられるようになることはいいこと。特にアジア予選では守備を固めた相手が多いだけに、3バックは戦力になるはず。次はコパ・アメリカ。U-22仕様の代表だが、経験値を上げることが次につながる。どんどん競争相手は多くなる。多くの選手でせめぎ合う中でさらなる成長も見込めるはず。森保ジャパンのさらなる挑戦と成長を期待したい。

女子ワールドカップ グループA フランス対韓国

 トゥーロン国際がイマイチだったので、口直しに女子W杯の開幕戦を観戦した。開催国のフランスはFIFAランキング4位だが、昨年は男子W杯ロシア大会で優勝したこともあり、女子もダブル優勝をと会場は大いに盛り上がっている。韓国はFIFAランキング14位。チソヨンやカンユミなど日本にゆかりのある選手もいて応援したいが、開幕戦で開催国と当たるのはやはり厳しい。

 フランスの布陣は4-2-3-1。ディアニのワントップに右から右SHカスカリーニ、OHティネイ、左SHルソメと並ぶ。中盤はアンリとビュサクリア。DFは右SBトレント、CBバティ、CBルナール、左SBマイリ。GKはブアディが先発した。対する韓国も同じ4-2-3-1。チョンソルビンをトップに、右から右SHカンユミ、OHチソヨン、左SHイグンミン。中盤はチョソヒョンとイヨンジュ。DFは右から右SBキムヒェリ、CBファンボラム、CBキムドゥヨン、左SBチャンスルギ。GKは若いキムミンジョンが入った。

 序盤からフランスが全開。圧倒的な勢いを持って攻めていく。2分、CHアンリのクロスのクリアを拾って、もう一度アンリがミドルシュートを放つ。7分には左SHルソメの縦パスをCFディアニがポストになって、縦パスに走り込んだルソメがシュート。GKキムミンジョンがナイスセーブ。そして9分、中盤でCHイヨンジュをCHアンリとCFディアリで挟んでボールを奪うと、アンリが持ち上がって、クロスに左SHルソメがシュート。あっという間にフランスが先制点を挙げた。

 13分には左SBマイリのCKのクリアをCFディアリがミドルシュート。DFがブロックすると、こぼれ球を右SHカスカリーノがボレーシュート。フランスの勢いが止まらない。22分にはCKの流れからCBルナールのクロスをCBバティがオーバーヘッドキックでシュートを狙う。そして27分、ショートCKから左SHルソメのクロスをCBルナールがヘディングで折り返すと、CBバティがボレーシュート。CBらしからぬプレーで追加点を挙げた。と思いきや、VARでバティの位置がオフサイドの判定。わずか足の幅だけ出ていた感じ。

 これで命拾いしたかと思った韓国だが、まだフランスの勢いが収まらない。33分にはショートCKからCFディアニがミドルシュート。34分、左SBマイリのスルーパスに左SHルソメが抜け出してシュート。そして35分、CHティネイのCKにCBルナールがヘディングシュート。強い。今度こそフランスが追加点を挙げた。これでようやくフランスの勢いが落ちたかと思ったが、前半終了間際に左SBマイリのCKから再びCBルナールがヘディングシュート。3-0として前半を折り返した。

 前半は結局シュート1本も打てなかった韓国だが、さすがに後半になると、パスをつないでフランス陣地へ攻め込む場面も増えてくる。だがフランスのプレスも早く、逆にボールを奪われカウンターを受ける。12分には韓国DFのクリアをカットしてCHアンリがミドルシュートを放つ。韓国は7分、右SHカンユミに代えてカンチェリムを投入。すると19分、OHチソヨンからの斜めのパスに右SHカンチェリムが走り込み、ゴール前にクロス。これはGKブアディがキャッチしたが、25分には中盤でフランスのパスミスをカットして、右SHカンチェリムミドルシュートを放つ。

 24分、韓国はCHイヨンジュに代えてイミナを投入。フランスも25分、右SHカスカリーノを下げてCFゴーバンを投入。ディアニを右SHに回す。さらに29分には左SBマイリに代えてペリセを投入する。32分、CBファンボラムのフィードにCHイミナが抜け出して、GKと一対一。だがシュートはポスト左に外れた。それでもだいぶ攻められるようになってきた韓国。何とか1点でも返したいと思ったが、フランスもペースは落としつつ、ここぞという場面では全力を発揮する。33分、左SHルソメの戻しからCHビュサグリアが縦パス。OHティネイが落としてCHビュサグリアがミドルシュート。韓国も39分、右SBキムヒェリがミドルシュートを放つ。

 しかし40分、CHアンリのミドルシュートがゴールに突き刺さる。フランスが4点目。韓国は中盤での寄せが甘かった。41分、韓国はCFチョンソルビンをヨミンジに代えて反撃を狙うが、最後までフランスのゴールを破れなかった。4-0。開幕戦はフランスの完勝で終わった。

 フランスは後半ペースを落としたが、それでも4-0。CBルナールの2ゴールが大きい。決勝までこの勢いが続くかと気にはなるが、優勝候補であることは間違いない。一方、韓国もけっして落ち込むことはない。グループリーグの残り2試合を勝利すれば決勝トーナメント進出も十分可能だ。いかに気持ちを立て直すか。それが問題。ということでいよいよ女子W杯が始まった。もちろんなでしこの2度目の優勝を期待したいが、日本だけでなく他のチームも確実に強くなり、ゲーム内容も面白くなっている。決勝戦まで約1ヵ月。日本戦以外も面白そうな試合があればできるだけ観戦してみたいと思っている。

トゥーロン国際 グループA 日本 対 ポルトガル

 女子W杯が始まった。開催国フランス対韓国。フランスが圧勝したが、こちらのゲームを観戦すればよかった。観たのは男子U-22で参戦したトゥーロン国際の3戦目、ポルトガル戦。2連勝し、準決勝進出をほぼ確実にしている日本は今大会初先発の選手を多く起用した。布陣は3-4-3。小松蓮をワントップに伊藤達哉と神谷がシャドー。ボランチに田中碧と松岡が並び、右WB長沼、左WB舩木。3バックは右から大南、岡崎、田中駿汰。GKには198㎝波多野が入る。松岡大起は18歳。飛び級でのトゥーロン選考だ。ポルトガルの布陣は4-3-3。右IHダンタスがゲームメーカー。U-19のチームだ。

 日本がパスを回すが、ポルトガルの守備も堅い。12分、右WB長沼のカットインから左に送ると、左WB舩木の折り返しのパスに長沼がミドルシュート。日本は攻守の切り替え、寄せも速い。それでもポルトガルも個々の選手の能力は高い。16分、右FWデソウザがカットインからミドルシュート。23分には右IHダンタスのFKからCBアルバロがシュートを放つが、GK波多野がキャッチする。日本も直後の24分、右IH神谷が直接FKを狙うが、わずかにバーの上を越えた。35分にはCB大南がロングシュート。あわや入るかと思ったが、枠は外した。ポルトガルも終了間際の45分、CKの流れから左FWコレイラのクロスにCFラモスがヘディングシュート。枠を捉えられない。前半は日本が押し気味だったが、スコアレスで折り返した。

 後半も左IH伊藤達哉の仕掛けや左WB舩木からのクロスなどでポルトガルを押し込んでいく。しかしなかなかゴールまでシュートを打てない。それで17分、ついにCF小松を下げて、小川航基を投入する。すると20分、CH田中碧がミドルシュート。22分には右WB長沼がドリブルからミドルシュートを放つ。完全に日本ペース。だがゴールが遠い。ポルトガルは21分、デソウザに代えて右FWエンバロを投入する。

 28分、CH田中碧からのサイドチェンジのパスから右WB長沼が走り込むが、GKメイラ・メイシェドがセーブする。33分にはCH松岡からのサイドチェンジから右WB長沼がクロス。CF小川が走り込むが、シュートは打てない。そして40分、ポルトガルは中盤から左FWコレイラが斜めのパス。これに右FWエンバロが抜け出してシュート。ポルトガルが先制点を挙げた。日本は41分、右FW岩崎。45分にはFW旗手を投入して、3-3-4にして攻めようとするが、ポルトガルにうまく時間を使われ、そのままゲームを終えた。0-1。ポルトガルが勝利した。

 ボランチの田中碧や松岡はしっかり機能していたし、左FW伊藤達哉の仕掛けや右WB長沼のカットイン、そして左WB舩木のクロスなど、攻撃陣もよくがんばったが、前半のFW小松蓮は孤立する場面が多かった。大南、岡崎、田中駿汰の3バックもよかったが、一瞬の隙を突かれての1失点。これで2勝1敗となったが、同日に行われたゲームでチリが勝利し、日本はグループ首位で準決勝に進むことができた。

 次の相手は現時点では未定。よくパスを回して攻めたが、ゴールが入らず負けるというのはやはり疲れる。この年代にはコパ・アメリカに選考された選手など他にもライバルが多い。次のゲームではしっかりと勝ち切って、決勝進出を決めてほしい。さてさて次は何を観ようか。