1勝2敗。最悪のスタートを切ったアジア最終予選。第4節の相手は3連勝で首位を走るオーストラリアだ。これ以上、絶対負けられない。いや、絶対勝たねばならない。日本の布陣は4-3-3。FWは大迫をトップに、右WG伊東純也、左WGに南野。中盤は遠藤をアンカーに、右IH田中碧、左IH守田。どうしてサウジ戦から田中を使わなかったのか。DFは右SB酒井、左SB長友、CBに吉田と冨安。GKは権田。守備の5人はサウジ戦と変わらない。対するオーストラリアは4-4-2。タガートとロギッチの2トップに、右SHボイル、左SHムーイ。アーヴァインとフルスティッチのダブルボランチに、右SBはカラチッチ、左SBベヒッチ。CBはソウッターとセインズベリー。GKはライアン。
開始4分、CF大迫のポストから右SH伊東がドリブルで駆け上がり、ゴール前にクロス。6分には田中碧のCKからCH遠藤がヘディングシュート。序盤から積極的に攻めていく日本。そして8分、左WG南野がクロスを入れると、DFにわずかに触れてコースが変わったか、オーストラリアDFの前を抜けて右へ抜ける。そこに待っていたのは右IH田中碧。GKをよく見て冷静にシュートを放つと、ゴールを揺らした。日本が先制点を挙げた。
しかしオーストラリアも負けずに攻めてくる。特に両SHは内側にポジションを取り、両SBが積極的に外を上がってくる。13分にはスローインからCFタガートの落としをFWロギッチがシュート。続く左SHムーイのCKにCBセインズベリーがヘディングシュート。GK権田がぎりぎり弾き出す。さらに14分、CHフルスティッチのCKからはね返りをフルスティッチがミドルシュート。GK権田がナイスセーブでゴールを守った。
しかしゲームはオーストラリアのペース。先制点を挙げた日本は早くも意識が守りに入ったか。中に人をかけるオーストラリアに対して、日本の4-3-3は中の選手が足りない。外側をパスが回るが、なかなか中に入っていけない。ようやく23分、右SH伊東がカットインからミドルシュートを放つも、枠を捉えられない。24分、CB冨安のフィードに左SB長友が走り込み、クロスを入れるが、飛び込むCF大迫の前でGKライアンがセーブした。
35分、CHフルスティッチからCH遠藤がボールを奪い、CF大迫がドリブル。ゴール前でDFをかわしてシュートを放つが、わずかにポスト左に外れる。37分には左SB長友が左SH南野とのワンツーで抜け出し、クロス。だが走り込んだCF大迫がわずかに届かない。逆に41分、CB吉田から大きく左へロングパスをだすが、これを右SBカラチッチにカットされ、右SHボイルの縦パスにCFタガートが走り込むと、FWロギッチとのワンツーからシュート。だがGK権田がわずかに触ると、ポストに当たってはね返る。これを左SHムーイがボレーシュート。右SB酒井がブロックした。GK権田のファインセーブだ。日本も44分、左WG南野から右に展開。右WG伊藤の戻しを受けて、南野が反転からミドルシュート。しかしGKライアンがファインセーブ。結局、前半はこのまま終了。日本の1点リードで折り返した。
後半も序盤は互角の展開。6分、左SHムーイがミドルシュートを放つと、日本は9分、右IH田中碧のFKから右SB酒井がヘディングシュート。後半序盤は日本が積極的に攻めていくが、CF大迫が足を痛めたようだ。14分、左SBベヒッチからの斜めのパスをCFタガートがフリック。FWロギッチがシュートを放つが、バーの上。大迫は17分、古橋と交代した。このタイミングでオーストラリアも二人選手交代。FWタガートに代えてデューク、左SHムーイを下げてマビールを投入する。
すると20分、日本が前からプレスをかけたところを、右SBカラチッチにパスをすると、慌てて詰めていった左SB長友の裏に縦パス。右SHボイルがフリーで駆け上がる。CH遠藤が必死に走って滑り込むが、間に合わず中へグラウンダーのパス。走り込んだCHフルスティッチに対して左IH守田がスライディングで倒してしまう。主審はPKを宣告。だがVARの末、PA手前だったとPKは取り消された。しかし25分、このFKをフルスティッチが直接狙うと、壁を越えたシュートがバーに当たり、ゴールに転がり込む。オーストラリアが同点に追い付いた。
どうしても勝利が欲しい日本は、この後、積極的に攻めていく。31分、GKライアンからのパスを左WG南野がカットすると、CF古橋が落として、IH田中が繋ぎ、CH遠藤が右サイドへ流す。右SH伊東が抜け出しシュートを放つが、GKライアンがファインセーブ。はね返りをCH遠藤がボレーシュートするも、これもGKライアンがはね返す。 すると33分、日本は左WG南野に代えて浅野を投入。34分、CH遠藤の縦パスにCF古橋が走り込み、シュートのこぼれ球を左WG浅野がシュート。しかしこれもGKライアンがファインセーブ。日本の攻撃の前にGKライアンが立ちはだかる。
37分、オーストラリアはFWロギッチに代えてCHジェゴーを投入。フルスティッチをトップ下に上げる。日本も40分、守田と長友を下げて、左IH柴崎と左SB中山を投入。中山投入の意味はわからず。柴崎もサウジ戦の守備を考えると、怖いなあという気がするが・・・。しかし41分、CB吉田が大きく左サイドにフィードすると、左WG浅野が積極的にミドルシュート。これがDFに当たってループ気味に上がり、GKライアンが触ったものの右ポストに当たると、戻ってきた左SBベヒッチの足に当たってゴールに転がり込んだ。日本が勝越し点を挙げた。
その後、オーストラリアはCBソウッターを前線に上げてパワープレーを試みる。一方、日本は田中碧が足を攣ったか、動けなくなり、古橋とポジションをチェンジ。遠藤もCBの間にまで下がって守備を固める。そしてタイムアップ。ややラッキーな形ではあったが、何とか日本が勝利した。オマーンも勝ったため、順位は4位のままだが、2位オーストラリアとは勝点差3。何とか食らい付いている形にはなった。11月にはアウェイでベトナム、オマーンと連戦。ここでしっかり2連勝しないと、また振り落とされる。首の皮一枚つながっただけ。全く予断は許さない。
しかし、特にオマーンなどは、新布陣の4-3-3への対応、田中碧対策をしっかり講じてくるだろう。万一、W杯本選出場がなったとしても、このままではとても活躍できるとは思えない。やはり新しい監督を招聘するしかない。このゲーム、引き分けで終わったとすれば監督交代という方向に向かっただろうか。だとすれば、今回の勝利は日本の今後にとってけっして良かったとは言えないのではないか。少しでも早く森保監督の更迭、新監督の就任を期待したい。
