遅ればせながら、スペインvsポルトガル戦を観る。立ち上がり、フェルナンド・トーレスがキープからシュート。3分、7分にもビジャがシュートを放ち、スペインが攻勢をかける。12分にはシャビのCKをF.トーレスがシュート。しかし次第にポルトガルのプレスも効くようになり、互角の展開になってくる。スペイン、プジョルとピケ。ポルトガル、リカルド・カルバーニョとブルーノ・アウベス。両チームのCBは共に読みに優れ、早めに危険の芽を摘み、お互いなかなかチャンスが掴めない。
17分、クリスチャーノ・ロナウドのFKはGKのはるか手前で落ちて、グラウンダーで転がる。20分にはコエントランのドリブルからメイレレスを経由してチアゴがミドルシュート。GKカシージャスがかろうじて弾くが、高く上がったところをアルメイダが詰める。ポルトガル最大のチャンスを逃す。
マスコミが取り上げたのは28分のC.ロナウドのFK。無回転のボールはGKの手前で急激に落ち、カシージャスがかろうじて腹の前で弾く。前半はポルトガル・ペース。39分にはメイレレスが左からクロス、アルメイダがヘッド。43分にもコエントランのクロスにチアゴがヘッド。
この日のポルトガルは、トップに長身のアルメイダが入り、シモン・サブローザとC.ロナウドが左右に張るが、この3人にほとんどボールが入らず、C.ロナウドが苛立ちを募らせる。一方のスペインも、CBの厳しいマークや読みのよい守備もあって、F.トーレスに全くボールが収まらず停滞している。ビジャは左ライン際に張り、ウイングのポジション。
後半に入っても同様の状況。6分、セルヒオ・ラモスのクロス。7分、アルメイダのクロス。両チームとも外から放り込むばかりで、チャンスにならない。
後半13分、この膠着状態を脱するため、両チームが同時に動く。ポルトガルがアルメイダに代えてダニーを入れて、C.ロナウドをトップに上げると、スペインもF.トーレスをあきらめジョレンテを投入。しかしこれでゲームが動き出した。
それまでコエントランの動きに手こずって、なかなか上がることのできなかったセルヒオ・ラモスがようやく前に出始める。15分、セルヒオ・ラモスのクロスにジョレンテがヘッド。GKがセーブ。16分、ブスケツからカプデビラ、イニエスタとつないでビジャが中に切れ込んでシュート。連続して惜しい場面を作ると、18分、ようやくスペインらしいパスワークが炸裂する。
中盤、シャビから始まったパスは、ブスケツ、イニエスタ、ジョレンテがポストに入り、イニエスタに戻ってスルーパス。これをシャビが右アウトサイドで前に流したところをビジャがシュート。GKのはねかえりを即反応しシュート。ついにゴールをこじ開けた。
その後もスペイン・ペース。25分、イニエスタからセルヒオ・ラモスがドリブル、DFをかわしてシュート。32分、ビジャのミドルシュート。42分、ビジャのクロスにジョレンテがヘッド。しかしこれらのチャンスをGKの好守で逃すと後はボールキープをしつつ、上手に時間を使ってゲームセット。スペインがベスト8に進出した。
期待のC.ロナウドは前半の2本のFK以外、ほとんど見せ場を作れなかった。ダニー投入でワントップになったが、スペインのパスワーク復活でほとんどボールにも触れないと、27分にはシモンに代えてリエジソン投入。これでまたウイングの位置に戻ったが、全く効果なし。ケイロス監督の場当たり・猫の目戦術に選手が機能せず、ポルトガルは敢えなくベスト16で陥落。
しかしスペインもこれで浮かれるわけにはいかない。F.トーレスの絶不調は深刻。次のパラグアイ戦は何とかなるかもしれないが、このままでは優勝は到底無理。メッシのいないバルセロナは炭酸の抜けたビールのようで、悪酔いはしても美味しく観戦できない。F.トーレスの復調にかけるしかないのか。