とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セルジオ様の言うとおり 日本、苦しい戦いを勝ち上がった

 先週のやべっちFCセルジオ越後が、「手を使う吉田の守備はいつか痛い目に会う」と言っていたが、おまえは預言者か!
 その忠告のとおり、吉田がイエロー2枚で退場となり、そのFKから勝越し点を奪われた。しかしそこから逆転。これを日本代表の力強さと言おうか、それともザッケローニ監督の強運か。強運ならそれでもいいが、運はいつか傾くことがある。運のある今のうちに経験を積み、真の実力を蓄えることが必要だ。この日のゲームは成長のためのまさに最高のプレゼントと言えるかもしれない。
 立ち上がり、ホームの応援を背にカタールが積極的に前に出てくる。対する日本はどこか様子見。まるでヨルダン戦のように受け手を探してはゆっくりとパスを回す。そこを狙われる。9分、中盤でボールを奪われ、セバスチャンがシュート。DFがブロックしたところを右SHハマドが詰めてシュート。GK川島、ナイスセーブ。さらにCKから中盤まで戻したところを、再びハマドが強烈なロングシュート。川島、横っ跳びナイスセーブ。
 しかし日本にエンジンがかからない。すると12分、右深い位置からのDFのフィードにセバスチャンが走り込み、切り返しで吉田を振り切ってシュート。カタールが先制点を挙げてしまう。
 これでカタールが守備の意識を高める。14分、本田のスルーパスに香川が走りだすが、DFが集まり前を向けない。18分、再びパスカットからハマド、セバスチャンで前にボールを運び、日本ゴールに迫る。日本はワントラップをしては蹴り出す単調なパス回し。25分、長友たまらずミドルシュート
 このゲーム、長友がようやく彼らしいプレーを見せるようになってきた。28分、単調なパス回しから長友のところでスイッチが入る。ダイレクトパスに香川がドリブルでボールをキープしてDFを集め本田にパス。これをダイレクトでふわっと前にパスを出すと岡崎が抜け出し、GKブルハンの前でループシュート。そこに香川が詰めて日本がようやく同点に追いつく。香川がパスからそのまま前に走り込んでいたのがすばらしい。
 31分、長友へのパスを右SBイスマイルに奪われ、セバスチャンがスルーパス、FWアハマドが抜け出しシュート。枠は外れたが危ない。32分には後方からのフィードに岡崎が抜け出しもう一度、GKをかわすループシュートを放つが、GKの手に掛かる。惜しい。
 35分、香川がDFを引き付け、フリーとなった長谷部がミドルシュート。43分にはGKからのフィードに香川が抜け出しシュート。45分、遠藤のスルーパスに岡崎。カタールのプレスが速く中盤でパスをスムーズにボールがつなげないことから、スルーパスで岡崎、香川の抜け出しを狙うが、完全には崩しきれない。しかしこの時間帯、追加点を取れなかったことが後半になってさらに厳しい戦いに追い込まれることとなった。
 後半立ち上がり早々、後方からのフィードにセバスチャンと競り合った吉田がセバスチャンの肩に手がかかり倒してファール。イエローカードセルジオ越後の言うとおり。
 日本は後半DFが下がり、中盤をカタールに使われ押し込まれる。日本は前線が遠く、前田のポストプレーにミスが目立つ。8分、アハマドのスルーパスにセバスチャン。伊野波がカバー。
 日本も12分、長友のクロスに岡崎が得意のダイビングヘッド。わずかにポストの右。惜しい。16分には前田のポストに長友がミドルシュート。GK正面。日本は足元のパスが多く、そこを狙われ囲まれるシーンが目立つ。
 カタールは14分、ブラジル出身の技巧派、モンテシンを投入。すると17分、後方からのフィードに走り込んだアハマドに吉田が競り合い、一旦もつれて倒れ込み、さらに抜け出そうとしたところを吉田の足がアハマドを倒してファール。吉田が2枚目のイエローでレッドカード、退場。足がピッチを離れて高く上がっており、故意でないとすれば不注意。若さが出たと言える。
 しかしここからのFKをモンテシンがグラウンダーのシュートでニアに直接決めてゴール。再びカタールが抜け出す。日本は一人少ない中で前田に代えて岩政。しかしカタールが守備を固め、なかなかチャンスがつかめない。
 ここで再び香川がいい動きを見せる。25分、香川が起点となって遠藤、本田のスルーパスを岡崎が受けて、香川が走り込み、抜け出してシュート。同点に追いつく。岡崎の位置が微妙だったが(たぶんオフサイド)、香川の走り込みがよかった。
 しかしここからカタールが長いパスを前線に放り込み、こぼれ球を狙う形で攻め込んでくる。日本はDFラインを下げさせられ、押し込まれる。40分、ショートコーナーからモンテシンがミドルシュート。41分にもセバスチャンの強烈なシュートがサイドネットに突き刺さる。日本は苦しい。
 しかし終了間際の45分、ゴール正面、長谷部のスルーパスに香川が走り込み、GK、DFと交錯してこぼれたボールに伊野波が詰めてシュート。劇的なゴールを挙げた。この後も4分という長いロスタイム。カタールに押し込まれて苦しい時間を過ごすが、永田も投入して何とか逃げ切った。
 なんと苦しいゲーム。厳しいゲーム。しかしこのゲームを勝利で乗り切ったことは今後に大きな経験となる。選手としては長友と香川が復調してきたことが大きい。次はイランか、韓国か。どちらにしてもさらに厳しいゲームとなることは間違いない。これで次に勝っても負けてもさらに2試合できることになった。まさに成長のための大会。できれば最高の結果を見たいが、たとえそうでなくとも、4年後に続く最高の経験をしていると言える。