とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

よく攻め、よく守る 最高のエンターテイメント 無敗の美学

 依然無敗で首位を独走するマンチェスター・ユナイテッド。攻撃サッカーで4位と追いかけるトットナムトットナム・ホームのホワイト・レーンで行われたこのゲームは、トットナムがホームの熱い声援を背に、トットナムらしいサッカーを展開。一方のマンUもよく守り、一瞬の鋭いカウンターに賭ける厳しいサッカー。アジア杯が真剣勝負なら、こちらは最高のエンターテイメント。見て楽しいゲームだった。
 立ち上がりから両者、積極的に攻めていく。開始10秒、ベイルがドリブルで前進してシュートすると、マンUも2分、ベルバトフのスルーパスルーニーが抜け出しシュート。7分、ギャラスのフィードにパラシオスがドリブルすると、キャリックがファールで止める。ファンデルファールトの蹴ったFKはGKファンデルサールの正面。8分にはルーニーのシュートをGKがキャッチ。両者、ボールを奪うとあっという間に相手ゴール前まで運んでいく展開の速いゲーム。ホームのサポーターから聖者の行進のチャントが響く。
 9分、モドリッチから右SBハットンが上がってクロスにクラウチがニアに飛び込むが、わずかに外れる。惜しい。ここからトットナムが攻め立てる。12分、CKからモドリッチがドリブルで運びシュート。13分にはモドリッチからレノンがドリブルで前進してシュート。19分にはパラシオスからファンデルファールトが左に流し、ベイルが深い位置からクロス。わずかにクラウチの上を越えていく。
 トットナムパラシオスモドリッチボランチが中盤を支配。右SHレノンはエブラと消し合っていた感があるが、左SHベイルはマンUの左SBラファエルとガチンコ勝負。序盤はベイルが再三ラファエルを抜き去り、イライラにラファエルがイエローカードをもらう。
 しかし23分、マンUベルバトフのクロスにルーニーがダイレクトで強烈なシュート。GKゴメス、ナイスセーブ。トットナムは27分、CKからファンデルファールトがシュート。ベルバトフがブロックに入ると、ドーソンがシュート。32分にはベイルがFK。しかしなかなか決定的なチャンスは作れない。ビディッチ、ファーディナンドのCBは読みもよく強い。
 41分にはラファエルがベイルをかわしてドリブルで前進。ゴール前まで迫る。ラファエルの意地。43分、今度はドーソンのフィードを受けたベイルがラファエルをかわしてライン際まで走り込みクロス。ファンデルファールトのヘディングシュートはニアに外れた。ベイルとラファエルのマッチアップは本当に面白い。
 後半6分、ギグスのCKにキャリックが後ろへ逸らすヘディングシュート。7分にはルーニーがドリブルからシュート。GK指先にわずかに触れるナイスセーブ。トットナムも13分、レノンからハットンがクロス。クラウチにうまく合わずパラシオスミドルシュート
 押され気味のマンUは16分、この試合、ほとんどボールに触れなかったナニを下げてアンデルソンを投入。キャリックフレッチャー、アンデルソンの3ボランチに、ギグスルーニーがサイドに開き、真ん中にベルバトフが構える3トップに変更。中盤の支配力を高めようとする。
 しかし29分、アスエコトのドリブルをラファエルが引っ掛けてファール。2枚目のイエローカードで退場となってしまう。マンUフレッチャーを右SBに、ベルバトフエルナンデスに交代し、ギグスを中盤に下げる。
 36分、トットナムはCKのこぼれ球をファンデルファールトミドルシュート。惜しい! 45分にはアスエコトのクロスにギャラスが飛び込むが、ビディッチがよく抑え込む。
 結局、トットナムの速い攻撃をマンUが最後まで守り切り、0-0のスコアレス・ドローで終わった。それにしてもマンUの守備は粘り強く、安定感がある。トットナムをもってしても最後まで崩すことができなかった。これで依然無敗のまま首位をキープ。この盤石のマンUを崩すチームは現れないのか。無敗の美学さえ感じる。