とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

集中と緊迫の好ゲーム 決めたのは異星人バロテッリという事実

 すごいゲームだった。あっという間の90分だった。そしてゲームはその後のロスタイムで決まった。何と言うゲーム。首位のマンC対3位トットナムは、前半、緊迫のノースコア。後半11分から怒涛の点の取り合い。そしてゲームは途中交代で一人ゲームに乗り切れないまま、異次元を彷徨っていたバロテッリが決めた。まさに何と言うゲームだ。
 前半はマンCのプレスが速く厳しくトットナムが攻めあぐむ。だが守りの局面ではトットナムは守備ブロックを作ってマンCの攻撃陣を中に入らせない。守り合う緊迫のゲームを展開する。
 13分、ジェコのパスにアグエロがシュート。DFがブロック。これが両チーム最初のシュート。18分にはナスリのスルーパスにD.シルバがライン際深く持ちこみ、返しのクロスをアグエロがシュート。しかしジェコと重なってうまくヒットしない。
 前半中盤から次第にマンCペース。トットナムは21分、ベイルのクロスをDFが弾いたところをカブルが落としてパーカーがミドルシュート。これがトットナムの初シュート。26分には、FKからアグエロがドリブルでCBカブルを引き連れてドリブル。カブルも執拗にチェイスした末、最後はD.シルバがシュートするが、枠を外す。27分、D.シルバのスルーパスアグエロループシュートを狙うがバーの上。プレスが厳しく、シュートが正確に枠に飛ばせない。
 アデバヨールがレンタル移籍契約の関係で出場できないトットナムはデフォーのワントップ。だが、トップに収めることができず、ベイル、アスエコトらからのクロスはことごこく中央で弾き返される。30分、右SBリチャーズがパーカーからボールを奪い、ドリブルからクロス。アグエロが切り返してシュートを狙うが、GKフリーデルの寄せが速くファインセーブ。このゲーム、GKフリーデルの再三の好守備が目立つ。
 33分、右SBウォーカーからのクロスをDFがヘッドでクリアしたところをファンデルファールトがダイレクトシュート。DFに当たって返ってきたボールを再度シュート。だがまたもDFがブロック。マンCのゴール前も固い。前半はこのままスコアレスで終了した。
 後半も緊迫したゲームが続く。3分、D.シルバがDFの中を割って入るようなドリブルから左にはたき、ジェコがクロス。だがGKフリーデルが弾き出す。5分、デフォーがようやく前線でボールをキープすると、レノンの落としからファンデルファールトがシュート。大きく枠を外す。9分にはファンデルファールトからモドリッチのクロスにベイルがシュートミス。
 この緊迫感がどこまで続くかと思った11分、ピッチ中央からD.シルバがゴール前に長いスルーパス。これにナスリが走り込みシュート。マンCが一瞬の隙を突いて先制点を挙げる。ジェコがCBを惹きつけて左に流れ、ぽっかり空いた中央のスペースをシルバとナスリに使われた。さすがのプレー。
 さらに14分、CKからナスリのボールをジェコがヘッドで逸らし、そこにレスコットが飛び込んでいく。身体が先に飛び込んで、ボールをライン内まで引き摺りこんだ気迫のゴール。マンCがあっという間に2点差をつけた。
 これで決まりかと思った直後の15分、CBカブルのフィードにマンCの若いCBサビッチが目測を誤り伸びきったヘディングクリア。これをデフォーに拾われ、GKをかわしてシュート。今度はトットナムがわずか1分後に1点を返す。
 16分にはD.シルバの縦パスをアグエロが前につなぎ、ジェコが抜け出してシュート。だがこれは大きく外す。すると20分、左サイドをレノンがドリブルで上がり、クロスにベイルが左足を一旋。きれいなカーブを描いてゴールに吸い込まれる。トットナムわずか6分で2点差を同点に追いつく。
 その直後にマンCはジェコに代えてバロテッリを投入。トットナムは22分、ファンデルファールトに代えてリバーモア。バロテッリは訳のわからないファールを犯したり、ボールを奪われたり、いつものバロテッリらしい唯我独尊の異次元プレー。同点に追いついてからはトットナムが押していく。
 26分、レノンからモドリッチミドルシュート。30分、ベイルのシュート。DFのブロックを拾ってレノンがドリブルからシュート。33分、カブルのフィードにデフォーが一旦は抜け出すが、レスコットが追い付いてクリア。そしてロスタイム1分、リバーモアのスルーパスにベイルが抜け出し、ドリブルからクロス。デフォーが走り込むが、シュートはわずかにポストの右。あと一歩、届かなかった。
 これで終わると思ったロスタイム4分、クリシーのフィードをアグエロが抑えて、バロテッリへパス。これをCBキングが倒してしまう。バロテッリ技ありのPKゲット。キックもワンフェイク入れて落ち着いて決めて、土壇場でマンCが勝越し。首位マンCが3位トットナムを激闘の末、競り落とした。
 それにしてもすごいゲーム。まずは上位対決を制したマンCだが、まだまだ厳しい戦いは続く。今節、マンUアーセナルのゲームも楽しみにしよう。